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新築分譲マンションにおける20代の最多認知メディアは「SNS投稿」

近年、デジタルメディアの中でも特にSNSでのユーザーによるオーガニックな投稿が商品認知に大きな影響を及ぼしています。この傾向は、新築分譲マンションの物件認知においても顕著で、特に20代にとってはWEB広告や不動産ポータルサイトなどの従来の主要メディアを上回る認知メディアとしての効果があることが、私たちの独自調査からも明らかになりました。
中でもYouTubeとInstagramにおける投稿での認知が目立ち、これらのデータは今後のマーケティング戦略において重要な示唆を与えています。

NEW COMMUNICATION PROJECTリサーチ結果
NEW COMMUNICATION PROJECT調査概要

YouTubeとInstagramのSNS投稿が20代の主要認知メディアとして機能している理由

20代がSNS投稿を物件認知の主要メディアとして機能している理由には、以下の4点が考えられます。

[理由①]SNSの高い利用率と情報収集ツールとしての利用

SNSは20代を含む若年層に広く利用されるコミュニケーションツールであり、Facebookを除く各プラットフォームは、若い世代の間で高い利用率を誇っています。これらは単なるコミュニケーションの手段を超え、趣味や興味に関する情報を収集するための重要なツールとしても活用されているのではないかと想定されます。

右記データより推算▶︎・総務省統計局「人口推計:2023年(令和5年)4月報」
・NTTドコモモバイル社会研究所「モバイル社会白書WEB版:2022年版 第2章モバイルコミュニケーション」

[理由②] ビジュアルコミュニケーションによる共感と視覚的効果

InstagramやYouTubeはビジュアルコンテンツを中心にしており、魅力的な画像や映像表現は新築分譲マンションの内装や設備、周辺環境を際立たせているのではないかと想定されます。これらのビジュアルコミュニケーションによるダイレクトなアプローチが、20代を含む若年層がInstagramやYouTubeでの物件認知が多い理由と考えられます。ビジュアルコミュニケーションにより視覚情報を通じて直感的に理想のライフスタイルを想像させ、興味や関心を喚起する効果があると考えられます。

[理由③] インフルエンサーの影響

InstagramやYouTubeでの新築分譲マンション紹介を行うインフルエンサーは20代に強い影響を与える存在です。多くの20代が限られた情報の中で初めての住宅購入を行うことに対して不安を抱えています。このような背景から、リアリティのある生活感を取り入れた物件紹介で、具体的な住まいのイメージを提供し、物件の“いいところ”だけでなく現実的な評価も伝えてくれるインフルエンサーは、購入検討する上で重要なアドバイザー的な存在であり、重要な判断材料になっていると言えるでしょう。また、エンターテイメント要素を加えることで関心を惹き、物件への関心を高めることにも貢献しています。

[理由④]アルゴリズムによるユーザーとの出会い

InstagramとYouTubeは、ユーザーが日常的に関心を寄せる内容を理解しタイムラインにコンテンツを提供します。このアルゴリズムにより20代の住宅検討層に適した新築マンション情報を提供し、物件を認知する機会を増やしていきます。ユーザーがタイムラインで物件の投稿を繰り返し見ることで、その物件に対する関心が高まり、最終的に物件の公式サイトへ訪問する動機付けになります。ここでもビジュアルコミュニケーションは重要で、単なるテキストのみの投稿よりも強い影響を持つと言えるでしょう。

20代が共感する新築分譲マンションのSNS戦略

先ほどの4つの理由を踏まえると、20代の新築分譲マンション検討層に訴えるためのインスタグラムとYouTubeの投稿コンテンツには、以下のような要素が求められます。

①ライフスタイルに合わせたコンテンツ

例えば、都心の忙しいライフスタイルに合わせたスマートホーム機能を駆使した快適な生活空間を紹介する動画投稿。
例えば、フィットネスルーム、共用スペースなどのアメニティをフィーチャーした写真や、それらを使用している若者のリアルな生活シーンを投稿。

※「スマートホーム機能を駆使した快適な生活空間」イメージ画像

②ビジュアルコンテンツの効果的な使用

例えば、ドローンを使用して物件の全景を捉えた動画や、周辺の環境と物件の調和を示すコンテンツ投稿。
例えば、内装デザインの細部に焦点を当てた高品質な写真や動画で、デザインの美しさを際立たせる投稿。

※「ビジュアルコンテンツの効果的な使用」イメージ画像

③インフルエンサーによる紹介

例えば、インフルエンサーが実際にマンション(または、マンションギャラリー)を訪れ、その体験をリアルに共有するVlog形式のコンテンツ投稿。
例えば、購入に至るまでのプロセスを記録したインフルエンサーのストーリーで、購入検討者が抱える不安や疑問に答える投稿。

※「インフルエンサーによる紹介」イメージ画像

④エンターテイメント要素の統合

例えば、物件紹介をゲームやクイズに組み込んで、ユーザーが楽しみながら情報を得られるインタラクティブなコンテンツ投稿。
例えば、物件の特別なイベントや、20代に人気のあるアーティストやインフルエンサーを招いたオンラインイベントのライブストリーミング投稿。

※「エンターテイメント要素の統合」イメージ画像

これらの施策により、20代の新築分譲マンション検討層にとって、InstagramやYouTubeはただの情報源を超えた存在になります。これらのコンテンツが若年層のライフスタイルに溶け込むことで、住宅選びはよりパーソナライズされた体験へと変化していきます。そして、ビジュアルやインタラクティブな要素を通じて、新築分譲マンションが日常生活の一部であることを実感させ、長期的な関心と購入意欲を沸かせます。

また今回の調査結果は、将来的には全ての年代にとってSNS投稿が機能する可能性を示唆しています。現在20代に有意なSNSマーケティング戦略は、やがて年齢を問わず多様な住宅検討層へのアプローチへと進化し、新築分譲マンションのプロモーションにおける重要な認知メディアとして浸透していくことでしょう。私たちはこの流れを先取りし、多様な世代に共感されるコンテンツ作りに努め、持続的な関心と購買意欲を促進するための方法を追求していきます。

お問い合わせ先

このレポートは、新築分譲マンションの開発・販売を行うデベロッパーの皆様が販売戦略を見直す際の参考資料として役立てていただくことを目的として作成しました。SNS運用に関するご相談や、その他のリサーチ結果にご興味をお持ちの方は、以下の問い合わせ先までお気軽にご連絡ください。
 
株式会社DGコミュニケーションズ
ソリューション本部 コンサルティング部 コミュニケーションチーム
桃井正義・熊谷恵実
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