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2021年大相撲五月場所寺沢さんまとめ

今場所は西幕下13枚目、5勝2敗で終了。来場所は幕下上位5枚目前後への位置づけが見込まれる。


【ここまでのあらすじ】

先場所気が触れたような長文をものした。

今場所はいいかげんにしようかと思ったので、前回ので打ち止めにしようかとは思ったが、なんだか場所が終わって1週間経っても何かしら気持ちが晴れないので、やっぱり今場所もいってみることにする。既に書いている部分は重複するのでこちらへ、と誘導込で(なお本稿の文中は敬称略とする)。

曇りの理由

なぜ気持ちが晴れないのか、については、一言で言ってしまうと、場所終盤に大関朝乃山にガイドライン違反があり休場し、その処分が決まらない状況だということに尽きる。

先日初日から休場していた竜電の処分が(今場所を含め)3場所出場停止(以下略)と決まり、それはすなわち7月→9月に幕下十両間に枠がひとつできることを意味する。

さらに、じゃあ大関(処分がおりればいずれ大関ではなくなるのだろうが)のがどうなるのというときに、引き合いに出されるのが、直近のその件と、幕下を2場所無双して7月の十両復帰が決まった阿炎のときのこと。番付を落とすタイプの処分ってどうよ、という議論は、その阿炎の無双に起因するのだろうと考えたときに、自然と今場所9日目とその前後を思い出してしまうのだ。阿炎ショック(わかっていてもだ)の余韻に浸っているうちに、次の一番を待っているうちに、別の衝撃がやってきたのだということに、やっぱり、今場所は、尽きる。

もちろん、そこで、ずるずるとではなく、最後の1番を勝って締めたということを含めて。

本来(?)幕下力士では異例なのだろうが、場所中、報知新聞が丁寧にその動向を追って、コメントを拾ってツイートしてくださったのも、いちファンには非常にありがたかった。

1(2日目=5/10)○北の若(1-0)

最初の相撲は東西18枚目→13枚目に上がった海乃島ふたたび、とばかり思っていたが、休場者などの関係か、ずれた。初日全力待機だったが2日目登場に(いずれにせよ無観客)。

北の若といえば上のツイートにも書いたとおり、初場所中日の一番が記憶に新しいが、実はその前にも当たっていて(とある動画で見た。若様がまだザンバラだった)、ここまでまだ勝てていない。

謎の気合を、今場所も描き始めた取組前の一枚絵(手に乗るサイズ)に込めた。立ち合い速攻で形をつくり、もろ差しから巻きかえ、豪快な上手投げで若様を転がした。

2(4日目=5/12)○濱豊(2-0)

確かに大関はすこしへんだった。云えない体の不調でも抱えているのではないかと思うくらいへんだった。3日目には若隆景に敗れた。というか、これは若隆景が良かったたのしかったというのが自分の思うところであった。

さて本題へ。わたしに画力と根気があれば、パラパラ漫画を描きたいような、そんな一番だった。土俵は丸くて相撲は速い。くるくる回り続けて粘り勝った。10秒足らずの間に、何度となく声が出た。現地にはちょうどお客さんが入り始めた日である。

3(6日目=5/14)○琴裕将(3-0)

パラパラ漫画は描けませんでした(そりゃそうだ)。この角度から見るのもすきなのだがなかなか難しい(単に画力の問題)

この日は十両土俵入り直前の一番で行司は勘九郎(わーい)。立ち合い、突き合いから右下手を取るもしばし機を伺う感じ(勘九郎のヨイハッケヨーイがすき←)。そこからその下手を軸にぐいと仕掛けて西へ、倒れ込むようにして寄り、軍配あがるも物言い。そっと勘九郎に目配せするようにして(ぇ)おりて協議を待つ。同体かなとも思ったけど軍配通り。

だけどさ「行司軍配は西方力士を有利としてあげましたが、西方力士のほうが早くついており、行司軍配通り西方力士の勝ちといたします」って……w西方力士、怪訝そうな顔していたなあ……。そのあと審判団が去るのを待って花道を引き上げるかと思いきや、土俵入りに向かう十両力士ひとりひとりにていねいなおじぎをしていたのが印象的であった。

もうペコペコですか、そうですか。しばしマイブームになった。

4(8日目=5/16)○天風(4-0)

まだまだ続く偶数日シフト。

「機を見るに敏」と書いたのは、3番相撲、攻め込んだときの感想。

この日は元幕内で、(かなり痩せたようだけど)大きな天風と。番付近所の3連勝に同部屋しかおらず(3連勝3人だったんだよなあ遠い目特にこうきさん……)、番付はけっこう下から持ってきた感じの対戦となった。

立合とっさの注文相撲で4勝目。先場所の若隆元戦を彷彿とさせる。ただ、勝てば次は阿炎、というのが、前日からだいたいそういう感じになっていたから、なんとかそこまで……という気持ちはあった。そして、それは翌日に来た。

何よりもまず、勝ち越しが素直に嬉しかった。しかもストレートだぜ。

そして朝起きたら協会公式のコメント欄がジャックされていた。というようなのも。

5(9日目=5/17)●阿炎(4-1)

そして待ちに待った阿炎戦である。ちょっと震えた。一発圏内で負け無しで来てこの相手に当たるというのは不運なのか、いや、そうじゃないのか。どんなことを仕掛けるのだろうか。ここは外小股だろうか(、などということは脳裏をよぎった。

やっぱり阿炎はつよかった。むっちゃつよかった。注文はつけなかった。真っ向から当たって圧されて粘って散った。力の差が感じられたが、だからこそ余韻も残った。その余韻は現在に至る。場所が終わってからの↓

僅かに残っていた「可能性」は消えたが、「読後感」はすっきりしたものだった。

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6(12日目=5/20)●芝(4-2)

2日空いた。

報知記者さんのツイートをとおして、場所前に痛めた腰とお天気との相談をしながらの土俵であることを識った。そこから両国の天気のことを気にかけながらの日々を過ごした。平面てるてる坊主を描いた。

5番目は北青鵬とだとばかり思っていたら、芝が来た。

そして、相手が決まったか決まらないかというときに、激震がひとつやってきていた。ちょっと帰りが遅くなっていて、手元のちっちゃな画面から大関の土俵を見ていた。夜になって状況が変わって、なんだかわたしまで眠れなかったが、部屋の皆様は眠れたのだろうかと思っていた。ことに、付け人だったり、付け人だったことがあって、大関に深く関わっていたひとびとは。

この日は2時からの1時間に会議が入っていて、それが終わってから結果を一気に追いかけた。何故か部屋全体で偶数日に相撲を取るひとが多く、この日は幕下に入ってから誰も勝てなかった。忘れられない12日目になった。

芝とだったから幕下上位5番のうち4番目、次の次には十両が出てくるという順番。大関はこの日から休場したから、部屋のトリ。Abemaであとあと見直したら、コメント欄に「もう寺沢しかいない」と書かれていて、見直す度に悲壮感が増していた。どことなく、画面の先に見えたのが、まるで泣いたあとの顔のようだった。気の所為ならば別にいいけれど。芝つえー。吊られるようにして土俵を割った。2敗目。

つぎをどう迎えるのか、実は想像がつかなかった。とりあえず、7番相撲が連続で出現、ではないことがわかって、ひとつ大きな息を吸い込んだ。

7(14日目=5/22)○王輝(5-2)

とにかく両国の空模様ばかり気にかけながら、この日の土俵を待っていた。続きは、こちらを。結果を受け、深い深い安堵と、熱いものに包まれた。

終章:1週間は経ったけど

千秋楽に三段目の優勝決定戦があって、今場所付出しでデビューした石崎がそれを制して優勝した。2日続けて、難しい状況の中に希望の光が照らされる、そんな状況を画面の向こうから見て取った。

来場所のことを思うとなにかと震えるが、何はさておき、無事に名古屋に向かえて、無事に場所が迎えられて、そこに力が込められるようにということを、まず願うばかりである。そして、また、その土俵を熱を込めて見られることを楽しみに。

また長くて恐れ入ります。

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