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疲れている子育てママのためのセルフケア【10秒からできるマインドフルネス】

実はこの記事、8月に書きかけて放っておいたものを今日編集して公開しています。先日『すべての問題から解放されるたった10秒のマインドフルネス』という記事を書きました。こちらはゾンサー・キンツェ・リンポチェの講話をまとめたものです。10秒でいいから純粋なところに還るという同じアイデアの記事を自ら書いていたことを完全に忘れていましたが、やはり大切なことだと改めて思い、今日の公開にいたります。

マインドフルネスとは『わたしが最も純粋な瞬間』

アラフォーで大学院に復学して(というと日本では珍しいけれど、海外では割と普通です)、出家僧尼9割という世界最大の仏教大学であるのマハチュラルンコーンの院生ですと言うと、『マインドフルネスとは何ですか?』と良く聞かれます。日本人はもちろんのこと、タイ人に限らず、西洋人にも。

こういう雑談の中での質問には、うんちくを言うのではなく一言で答えなければなりません。マインドフルネスはもともと、気づきだとか、集中だとか、多面的なパーリー語の『サティ』という言葉の訳であり、今では多くの人がそれを知っています。

そんな中でわたしの答えは、マインドフルネスとは『わたしが最も純粋な瞬間』に時間を注ぐことです。そしてマインドフルネスの実践(サティ・パタナ)とは、その純粋な瞬間を積み重ねていくことです。

『瞑想とはじっと座って無になること』だと思うと敷居が高くなる(しかも間違った解釈)

すると『自分も瞑想に興味があるんだけど、なかなかね…』とか『ヴィパッサナー瞑想に10日間行ってすごく良かったけれど、日常生活に戻ると同じようにはいかないよね。』という話に発展します。わたしも在家で活発な小学生男子のお母さんでもあるので、その気持ちは良くわかります。

一般的に瞑想というと、長時間座るというイメージがあり、事実がどうかは別として、長く座れるようになったらできてる感が漂うものです。一方マインドフルネスでは、歩く瞑想、食べる瞑想など、日々の所作をスローモーションのように丁寧にしていくことで培われるというイメージもありますよね。

そうなってくると忙しい現代人には、なんか敷居が高い(汗)

自分の時間?セルフケア?そんな時間お母さんにあるわけない

かくいうわたし自身も前述したように、出家もしていないし、おひとりさまヨガインストラクターでも、スピリチュアルリア充女子でもなく、子育てで慌ただしい日々に追われ、すっぴんで家事に仕事に勤しんでいる、アラフォーお母さんです(しかもシングルマザー)。

そんなんだから、毎日安定して1時間瞑想したいと思っても、自分だけの時間が取れるとは限りません。くたくたになってお風呂に入ったら、あとは寝落ち、という日も幾度となくあるものです。

実際に、自分の時間を確保しようとすればするほど、苛立ちはつのります。子供が生まれたばかりの頃は、まさにこのジレンマの中で暮らしていました。自分のための時間がないことを不平等だと思い、自分を憐れみ、嘆き、いつもイライラしていました。授乳期間中なんかもう毎日眠くて仕方がなくて、基本の睡眠時間が足りていないので、瞑想どころではなくて隙あらばどこでも寝落ちしてしまっていたわけです。

自分のケアは10秒でもできる、瞬間の積み重ねが大切

でもそんなある日、息子が生後3カ月を過ぎた頃だったと思います。自分の感情に疲れ果てて、ヨガや瞑想といった『自分ケアの時間』を確保することをあきらめたのです。日常に疲れたというより、日常に不満を抱えている状態に疲れてしまったわけですが、それはわたしにとって画期的な方向転換となりました。その日以来、『自分ケアの時間』がないことに嘆くという発想がなくなったのです。それどころか反対に自然に自分のケアをするようになっていきました。

どういうことかというと、それまでわたしはおひとりさま時代のような自分だけの特別な時間がないと、自分をケアすることはできないんだと思い込んでいたのです。そしてもうひとつは、『おひとりさまヨガ・ライフスタイル』に対して並々ならぬ愛着を持っていたのです。この二つがわたしの肩から滑り落ちて、突然体が軽くなりました。

おひとりさまヨガ・ライフスタイルとは、早朝からおさ湯飲んで、ヨガをやって、瞑想して、ヴィ―ガンレストランでモーニングを食べて、午後は友人とカフェや公園で過ごすという、気ままな暮らしのことです。仕事がヨガスタジオの経営だったこともあって、そういうことばかり10年くらいしていました(笑)

そもそも何のために『自分のケア』をしているのかというこを考えると、時間がなくても、大変なことが起こっていても、イライラしたり、嘆いたりしないでいいようにするためでした。人生まるごと『自分のケア』という名のプラクティスをしているのです。なのに、いざ本番になるとイライラして、嘆いて、「自分のケアをする時間がない」と言って泣いていたら、悲しいことに、今までたっぷり取ってきた『自分のケア』の効果はなかったといっても等しいのです。

それに気づいたわたしは、ヨガの練習をすることも、おさ湯を飲むことも、1時間座る瞑想をすることも、辞めました。辞めたというのは絶対にもうしないということではなく、反対に絶対にやらなければ(やりたい)という条件を捨てたのです。

それでどうしたのかというと、洗濯ばさみで布おむつを止める瞬間だとか、お皿についた泡を流している瞬間だとか、授乳をしている瞬間だとか、自分がおしっこをしている瞬間だとか、生活のある瞬間で気づいたら10秒でもそこに目を向けることにしたのです。

赤ちゃんのしあわせオーラの秘密は、ただそこにいるだけというところにある

何をやるの?どこに目を向けるの?と思った方、最初に書いたこと思い出してください。『マインドフルネスって何ですか?』って聞かれると、『わたしが最も純粋な瞬間』に時間を注ぐことだと答えますってところです。その10秒間だとか、1分だとかにただ純粋にそこにいるだけの状態になるのです。赤ちゃんみたいに。ここに赤ちゃんのしあわせオーラの秘密があります。

自分の赤ちゃんを見てみてください(もうお子さんが赤ちゃんでない方は赤ちゃんだったときのことを思い出してください)。赤ちゃんって、おしっことかおっぱいとか眠いとか、基本的欲求が発生している時以外は、本当にただそこにいるだけなんです。目もきょとんとしていて、見ているものをまだ意味づけしていないですよね。

それは赤ちゃんのマインドには、まだ意味づけが起こっていないからです。赤ちゃんはただそこにいるだけ。だからまっさらで純粋なオーラをまとっています。これ、子供を育てたことがある人だったらわかるはすです。だからお母さんもそこをマネしたらいいのです。

赤ちゃんマインドと同期すると、しあわせオーラにアクセスできる

この『意味づけが起こっていない状態』がしあわせオーラの秘訣です。なので赤ちゃんのマインドと同期すると、もっとも純粋な状態=しあわせオーラにアクセスすることができます。これが実はマインドフルネスの土台です。

逆にこの土台がないまま瞑想とか内観とか実践しても、起こってくる思考や感情に振り回されて集中力が続かなかったり、かえって疲れたりしまって、瞑想どころかしあわせオーラからも遠のいてしまいます。

これがマインドフルネスでよく言われるるものごとをジャッジしないでありのまま見るというものなのですが、『突然ジャッジせずにありのまま』とか言われても意味がわからないと思いませんか?わたしは全然わかりませんでした!フツーにジャッジしないということを実践しても、ジャッジしている状態を抑圧したり、ただ見なかったことにするだけで、反対にストレスでした。

そこでわたしの先生は『ジャッジというのは自動的に、「これは緑、これは葉っぱ、今は朝10時、だから○○だ。」というように、瞬間的に意味づけが起こってしまうことがジャッジするということです。良い悪いのジャッジというよりもっと、基本的なマインドの機能のことを言っているのです。だからそのジャッジメント機能のはたらきに気づいていなさい。するとジャッジが発生しても意味づけしなくなるから。それが内観の土台になりますよ。』と教えてくれました。

もちろん突然『赤ちゃんみたいにただそこにいるだけ』が突然できれば、それ自体がパーフェクトな土台なわけですが、もう意味づけ機能が完成しているわたしたちには、そうはいかない場合もありますよね。だから最後に一応どうやって土台を作るか説明します。

数十秒でもできる、意味づけをしない練習4ステップ

①まずは落ち着いて内に目を向けていられるように、呼吸に目を向けます。呼吸に目を向けていると、内に意識が向かうことが定着してきます。
②落ち着いた状態になったら体の感覚に目を向けます。ボディスキャンでもいいですし、気になるところに向けてもいいです。意識を長く内に留めること、内で起こっていることを繊細に観察すことができるようになります。
③起こっている思考や感情を意味づけせず、そのままにしておきます。このときマインドの機能が稼働している状態だという理解がないと、思考や感情に巻き込まれて、思考や感情を大きくしてしまいます。
④巻き込まれなければ、まっさらで純粋な赤ちゃんモードが起動します。

赤ちゃんは意味づけ機能が完成していないので、こんなややこしいことをしなくても、『ジャッジしない』状態で一日のほとんどを過ごしています。だけど、日ごとの成長とともに、五感を使ってデータを集めて意味づけの練習をしているわけです。赤ちゃんはこれからの100年を生き抜くためにたくさん意味づけの練習をしなければなりません。これもまた大切な機能です。

赤ちゃんは日々意味づけという大切な練習をしていますが、反対にお母さんは、日々意味づけのない状態になる練習をしてみててください。大切な機能とうまくつきあう、大切なスキルになるはずです。

どちらも大切な宝物。せんぶひっくるめてマインドフルネスです。

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