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100年経って、人類は進化しているのか? 1月20日 Nature of Man and Society 人の本性と社会のあり方

#1月20日 土曜日のランチタイムとなりました。
時が経つのは早いもの。1月も残り10日ほどです。

今日の #ドラッカー365の金言 テーマは、
#Nature_of_Man_and_Society (人間の本性と社会)
#人の本性と社会のあり方

さて、今日のテキストは、1936年に発表されたドラッカー処女作 『 #経済人の終わり 』 2章 #大衆の絶望  ドラッカー全集1巻 35ページ。本書はファシズムとナチズムの全体主義への批判に向けられている一冊。

 AIで失業者が増える!と騒がれ始めた2024年。

 すでに、100年前には、「機械によって職を奪われる!」と騒動になっていた歴史を知ると、歴史は繰り返される、と気付かされます。そして、これからどう行動すべきか、己の振る舞いに参考になるかも知れません。

 100年前に、ファシズムがあらわれ支持されたのは、資本主義も社会主義もマルクス主義も人間を平等に導くものではないことがわかったからだとドラッカーは、1932年の『「経済人」の終わり』で記しています。

 当時は、第一次世界大戦、その後のスペイン風邪流行、そして、世界大恐慌と次々に個々の国では対処できぬ難問が欧州に襲いかかりました。

 社会における個人の存在は合理的な力とか意味のわかる力に動かされているのではなくて、目の見えない悪魔、道理を知らぬ悪魔の暴力のままになっているのだということを、ヨーロッパ大衆は大戦と大不況を通じてはじめて悟った。

(『「経済人」の終わり』)3章 悪魔の再来 より

100年後の現在はどうか、というと、

  • 2018年10月、米中経済激突が始まり、

  • 2020年、武漢発でコロナウィルスが広がり、全世界でパンデミック。

  • 2022年2月、ウクライナへロシアが侵攻。

  • 2023年10月、パレスチナの武装テロ組織ハマスによるイスラエルへのテロ攻撃。

  • 2023年11月、イランが支援するイエメンの武装テロ組織フーシ派が紅海を航行する船舶へ攻撃と海賊行為、スエズ運河の航行に支障をきたすことになり、2024年1月米英軍が掃討攻撃展開と、

 まだ局地的な戦闘ではあるものの、疫病に戦闘、そして、インフレと、徐々に経済の悪化への懸念と、100年前と相似系の点も増えているように感じます。ただ、100年前と異なり、SNSやインターネットによる情報公開が進んでいることです。これが後押ししているのが、グローバル社会の健全化なのか、逆の悪化なのか、をされます。

 グローバル社会のテーマは、地球温暖化防止から安全保障へと変わり、国連の機能不全が明らかとなる中、米英EUの自由主義側が中ソイランの全体主義側への経済制裁による分断経済が続いています。特に、ロシアのウクライナ侵攻以降、ブロック経済化が一層進み、石油や天然ガスなどのエネルギー資源を抱えるロシア・中共・イラン側への制裁が強まる一方で、米英EU日本側は消費側のため、制裁はじわりと自分の方にも効いてきており、供給が足りない燃料、食糧、そしてスエズ運河が使えなくなったことで、輸送費など大幅に値上げされ、インフレと円安が進んでいる。

非合理的な暴力、判断のできない暴力が、平時にも社会を動かしているとわかったのは、大不況のためであった。いつ終わるとも知れない失業に、いつ襲われるかわからない。働き盛りの年齢で、また、まだ働き始めてもいないのに、いつ産業の屑溜めに捨てられるかわからない。こうなれば、人々は、機械化戦争で経験すると同じような頼りなく孤独で無力な感じに襲われる。いつ、そしてなぜ、失業の打撃を受けねばならぬかは、判断もできないし、防ぐこともできない。身をかわすこともできない。戦争の暴力に劣らず不況の暴力も、人間存在の合理観、機械観を無意味にしてしまう。不況は合理的・機械的社会がいずれはたどり着く結末だからである。

 わが国では、2024年1月1日、震度7の能登地震に見舞われ、自衛隊や土木・電気・水道工事などのブルーカラー職の重要性が改めて明らかになる中、多い高齢者を少ない若年層が避難させる姿が現実に。

 インフレにより、税収は伸びたものの、可処分所得の減少、そして、主に、自衛隊隊員の薄給や悪待遇が明らかになると、岸田政府や財務省へ「若者軽視」へと批判が。

 高齢者=弱者。若者は高齢者のために我慢すべき。パレスチナ、ハマス=弱者。イスラエル・米英は強者だから、自制すべきという「弱者は正義」という言説に疑問が持たれ始め、偽善が暴かれ始めたのが、この2023年12月から現在にかけて。

 日本外交が迷走する一因は、学者ー大学ーメディアー外務省のスクラムで世論形成を図り、誤った政策へ誘導されてきた結果では?という政策形成プロセスもバレてきたことは、社会の健全化が進みつつあることでもある。

 資本主義は厳しい差別のある階級間の闘争を必ず起こすから、これは頼りにならない神様とわかった。社会主義ではそういう階級が無くならないから、これも嘘だとわかった。階級のある社会という資本主義の現実は、資本主義の理念と一致しない。そうとすれば、その理念は無意義である。一方では、マルクス主義の階級闘争は、目の当たりの現実を認めもするし、説明もするけれども、これといって何の結果をもたらさないから、これにも意味がない。どの信条も秩序も失敗に終わった。人が経済上自由に振る舞えば、自然に理想的結末になるという考えが間違っていたからである。
(中略)
 ブルジョワ資本主義とマルクス社会主義の2つの社会は、自由奔放な経済的活動の中に、社会目的を実現する道があると考えた。経済上の満足だけを社会的に大事なもの、意義あるものとみる。経済上の地位、経済的特権、経済上の権益が人の働く目的であるとする。そのためには戦争もしようし、命も捨てよう。そのほかのものはみな偽善であり、てらいであり、空想的なナンセンスであるとしか思われない。

人間の経済上の自由は、自然の調和によろうが、また弁証法の説明によろうが、平等に導くものではないとわかった。これがわかったから、資本主義と社会主義との共通の基盤になっていた人間本性についての考えそのものが崩れた。

(『「経済人」の終わり』)

身分の階級社会は、学歴による富の大小による階級社会へと変化し、より強固なエリート層が生まれる一方、実際の災害復旧現場の最前線で活躍するエッセンシャルな救急救命避難に携わる自衛隊・消防隊・警察隊や復旧工事に携わる土木・電気・水道等の工事業の方々への報酬は高くない。

#人の本性とその社会における役割と位置づけについての理念が社会を規定する 。#今日の社会において最上位に位置づけられている領域は何でしょうか。
#そのことはあなたにとってどのような意味をもちますか

ちょっと考える週末になりそうです。それでは!

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