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分析アプローチでは課題解決にならない限界を超えるには? 3月31日 From Analysis to Perception 分析から知覚へ

本日のテキストは、昨日に引き続き1989年発刊『新しい現実』より。終章「分析から知覚へ」(382〜383ページ)

生物的プロセスは、分析的ではない。物理的な現象では、全体は部分から成り、かつ部分の合計に等しい。したがって、分析によって理解することが可能である。しかし、生物的な現象には、部分はなく、すべて「全体」である。部分を合計したところで全体とはならない。

同書、380ページより

 2003年シーズン終了後、巨人はローズ、小久保、江藤、ペタジーニといった各チームの4番打者を集め、清原、阿部、高橋由伸と合わせ「史上最強打線」と称するチームを作り上げました。2004年シーズン開幕前「優勝は巨人で決まり」と評判でした。

実際、シーズンチーム本塁打記録(239本)のプロ野球記録を更新。最終的には259本まで伸ばしました。得点(738)、長打率(.483)、出塁率(.339)もリーグ1位と破壊力抜群でした。

https://ja.wikipedia.org/wiki/史上最強打線 より

 ところが、この年、巨人に優勝を逃し、3位に終わりました。巨人に8ゲーム差をつけて優勝したのは落合新監督率いる中日ドラゴンズでした。

 各チームの4番(部分)を集めたら、その「合計」は最強です。しかし、チームという「いきもの」は、部分を合計したところで全体とはならず、そのチームが優勝するとは限らない、ということを教えてくれました。1シーズン通じて行われるチームゲーム、組織改善の奥深さを知ることができました。

 2004年の巨人のように各チームのスーパースターを集めてチーム構成した2023年サンディエゴ・パドレスも冴えない結果に終わりました。

 名将と名高いメルビン監督の元、ソト、タティスJr.、マチャド、ボガーツ、クロネンワーク、キムの打線、ダルビッシュ、スネル、ワカなどの先発陣に抑えのヘイダーとスター揃いでしたが、主力の怪我や前半戦の不調に悩まされ、西地区3位に沈み、わずか2ゲーム足りずポストシーズン進出を逃しました。

 組織を強くするには、確かにスター選手も必要です。そして、各チームから4番打者を集めスーパースター軍団を作り上げれば優勝できそうに思います。しかし、そうならないのが組織の面白いところです。

部分が全体を構成するものの、全体は部分の総和ではない。組織という人間が構成するもの、それは、生態系なるものです。生態系なるものは、概念的な分析ではなく、知覚的な認識の対象であり、全体として観て、理解するのが良い。それをドラッカーは、「分析から知覚へ」と呼んでいます。


今日は3月最終日。そして、日曜日です。
今年は良い3月となりましたか?
23年度は良い年度となりましたか?
良くても悪くても世界は進んでいきます。
今日も #ドラッカー #365の金言  からスタートしましょう。
本日 #3月31日  のテーマは、
#From_Analysis_to_Perception
#分析から知覚

#生態系は全体として観察し理解すべきものである#部分は全体との関連において意味をもつにすぎない #成長#均衡#調整#統合の結果としての全体の成果が重要であるとの考えは 、
 #分析と知覚のいずれを重視するものでしょうか

年度末のテーマがこの分析アプローチではなく全体を知覚するアプローチ、という視点の大切さが記されています。問題解決に際し、分析アプローチを主とした「治療」「コンサル」がこれまで主流でしたが、どうやらそうした分析アプローチが正解ではないと30年前から指摘があったわけです。

分析ツールや技術は進歩し、現在は、多くの事象が分析によって解釈されていますが、その一方で、我々の「知覚力」は進歩しているのでしょうか。
また考えてみたいと思います。

今日もお読みいただきありがとうございました。
明日から4月です。ごきげんよう!

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