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我が家には家訓がある。
結婚する時、妻に「うちは家訓のある家にしたい」と僕がいったのがきっかけだ。
妻は僕が何を言い出しても驚くこともないし、僕がやりたいことは基本的に応援してくれるから、この提案もあっさり受け入れてくれた。

そもそも、僕の実家には家訓なんてものはないし、なんで自分が家訓のある家にしたいと思ったかというと、全然大した理由ではない。
それは、前に金沢に旅行に行った時に鈴木大拙館という場所で、大拙が幼少期に毎朝家訓を暗唱して育ったというエピソードを読んで、単純にかっこいいと思っただけのことだ。

そう、たったそれだけのこと。

そして結婚して少しして、いざ、家訓づくりが始まった。
家訓を何にするか、毎晩夕食後に妻と語った。
具体的にどんな風に話したかというと、お互いが大切にしているキーワードをあげて、それを「いいねえ」といいながら確認し合うようなやりとりだ。
たとえば、僕が大切にしているキーワードは「挑戦」「自由」「感謝」等なんだが、そういったワードの中で妻にも響いたもの、また、もし将来子どもができたら、こういう価値観を大切にして伝えていきたいというワードを二人で絞り込んでいった。

さらに当時自分が学んでいた幸福学(慶應義塾大学の前野教授)の研究成果も盛り込むことにした。前野先生の幸福学は、幸福を因子分析してその構成要素の4つをあぶり出したというものだ。すなわち、人が幸福に生きるためのエッセンスとは
「やってみよう(自己実現と成長)」
「ありがとう(つながりと感謝)」
「なんとかなる(前向きと楽観)」
「ありのまま(独立と自分らしさ)」

であるということだ。

そういうやりとりの中でできたのが以下の家訓である。

・今日も挑戦しよう
・感謝は言葉と行動で
・大事なことはあきらめない
・自分らしく生きよう
・出会った人に元気を
・人のことを祈ろう
・運がイイ!

この中で、夫婦共に特に毎日意識しているのは「感謝は言葉と行動で」という家訓だ。
本当に、この一文でどれだけ夫婦関係が深まってきたか計り知れない。
正直、現段階であまり機能していないものもある。今、改めて書き出してみて、近いうちに変えたいと思ったものもある。そういうのはまた夫婦で話し合って変えていくことになっている。(上に記した家訓も実は結婚初期のものではなく第2版だ)

家訓も一発でバシッと決まらなくていい。
夫婦で対話し、実際に生活に落とし込んでみて、本当に大切なものを残し、現状と合わないものを修正し、家族の絆を深め、各々の人生の充実を後押しする言葉を紡いでいく。
こういうやりとりがすごく重要だと思ってる。

うちは家訓づくり、また家訓の修正を通して、毎年家族の価値観を確認し、照らし合わせ、歩みを進めていく。そんな家族でありたいと思っている。

なんか鈴木大拙の実家とはだいぶ雰囲気が違う気もするが、それが我が家のベストであり、そうした対話も含めて家訓のある家はいいものだと思っている。

結婚とはゴールではなくスタート。
人間関係は常に紡ぎ続けていくもの。
そう思ってる。

チャイ


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