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第32回デジタル進化生物セミナー

第32回デジタル進化生物セミナーを開催します。

2023年5月25日(木)15時〜
河野美恵子博士(総合研究大学院大学 統合進化科学研究センター 特別研究員)
「三人寄れば地獄まで?地衣類イオウゴケの極限環境への適応」

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昔、学会でご発表を伺ったときに地衣類とコケの写真を並べて「よく混同されますが、見比べると明らかに違います」とおっしゃっていました。
何を言っているのか、よくわかりませんでした。

要旨

 地衣類は一世紀以上にわたって菌類と藻類(またはシアノバクテリア)の二者共生系と定義されてきた。しかし、近年多様な地衣類から共通する様々なバクテリアや担子菌酵母が発見され、三者共生系として見直され始めている。その一方で、地衣体と呼ばれる共生体を形成する共生菌、光合成により共生系に炭化水素を供給する共生藻に比べバクテリアなどの第三の共生パートナーの役割は明らかになっておらず、地衣共生系に必須な存在であるのかは未だ定かではない。

 地衣類は共生により極域、高山帯、砂漠などの極限環境を含む様々な環境に適応したと考えられているが、中でもイオウゴケは生物にとって本来有毒であるはずの硫化水素を含む火山ガスが噴出する噴気地帯に生息する特異な地衣類として知られている。噴気地帯周辺は噴気孔から噴出する高濃度の硫化水素ガスの影響により植物が枯死し、地獄を想起させる荒涼とした景色が広がっている。そうした環境において地面を覆うマット状の大きな群落を形成するイオウゴケは硫化水素ガスに対する何らかの耐性を獲得していると考えらえるが、そのメカニズムは全く調べられてこなかった。演者らはイオウゴケの極限環境への適応に第三の共生パートナーが関わっている可能性を考え、日本各地の噴気地帯でイオウゴケを採集し、ゲノム情報から共生菌・藻以外に共通する第三の共生パートナーを探索した。本セミナーではイオウゴケのメタゲノム解析によって共生バクテリアを発見するまでの経緯を紹介するとともに、遺伝子情報から類推されるバクテリアの機能をもとに、三者共生系の確立が極限環境への適応に果たした役割とイオウゴケが陸上生物として初めて報告される化学合成共生系である可能性について議論したい。

参考文献

また、本公演のタイトルからAIで画像を生成しました。3人?地獄?極限環境?何も反映されていないか、ヒトが複数集まることこそが極限環境の地獄だというメッセージかもしれません。

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