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人類が作った最古のハイブリッド動物。

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Nature Briefingは2022年01月19日に、メソポタミアのエリートが珍重していたロバに似た動物が、人類によって飼育された最古のハイブリッド動物である可能性があると報告した。

研究者らは、現在のシリアにある青銅器時代初期の王族と一緒に埋葬されていたこれらの「クンガ(kungas)」のゲノムを分析した。この動物は雌のロバ(Equus africanus asinus)と雄のシリア野牛(Equus hemionus hemippus)の子供であり、時にはヘミッペ(hemippe)と呼ばれることもあるとのことである。

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この発見は、クンガを複雑な動物飼育の産物として描いている楔形文字のテキストを裏付けるものである。

https://time-az.com/main/detail/76066

この研究は「Science Advances」で2022年01月14日に紹介された。

紀元前3千年頃、現在のシリアのアレッポ(Aleppo, Syria)の東にある古代都市で、王族と一緒にロバに似た奇妙な生き物が埋葬された。

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考古学者たちは、この動物たちを青銅器時代のメソポタミアのエリートたちが珍重していた「クンガ」という種類のお尻だと考えている。しかし、この動物の生物学的な正体は謎のままであった。

今回、骨の遺伝子解析の結果、この謎めいた動物は雌のロバと雄の野生のろばの子供であることが判明し、考古学的記録で記録された最初の人類によるハイブリッド動物であることが明らかになったのである。

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この研究に参加していないノースカロライナ大学チャペルヒル校の動物考古学者ベンジャミン・アーバックル(Benjamin Arbuckle, a zooarchaeologist at the University of North Carolina, Chapel Hill)は、「これはクンガの身元に関する長年の疑問に対する答えである」と述べている。

また、グラーツ大学の動物考古学者ラエルケ・レヒト(Laerke Recht, a zooarchaeologist at the University of Graz)は、この研究には参加していない。「ついに骨から確認できたことは信じられないことですと話している。

紀元前3000年頃までには、シリアの野生の驢馬や家畜化されたロバなど、数種類のロバや関連動物が中近東を徘徊していた。

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馬がこの地域に広く普及したのは紀元前1000年以降である。

その頃にはすでに、鉄器が開発されていた。

そのため、古代シリアの王国では、馬よりもずんぐりしたロバが農業、交通、戦争において重要な役割を担っていたのである。

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