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労働の世代交代で、日本流の企業経営がお手本になり、「暗黙知」が再注目。

Forbesは2024年03月20日に、エグゼクティブコーチ、基調講演者、そして著者であるジョン・バルドニー(John Baldoni)は、職場における「暗黙知」の維持について紹介した。

日本の製造業における卓越性の鍵は「カイゼン(改善)」にある。カイゼンとは、計画目標を達成するために、経営側と労働者が手を組んで進める継続的改良の規律で、「カイゼン(改善)」はそのまま「Kaizen」として、世界各国で採用されている。

「カイゼン」と切り離せない概念が、「ゲンバ(現場/Genba)」である。以前、エチオピアの労働者の標語として「Kaizen」と「Genba」が登場した時は、なんだこれ?と思ったが、「Kaizen」と「Genba」について労働指導者が解説した時、これは、「実際に仕事が行われている所」を意味する。製品を設計・製造する人々が共に集まり、アイデアを交換し、ベストプラクティスを生み出し、学んだことを共有する。そうした経験の総体を表す言葉が「暗黙知(tacit knowledge)」、つまり、「知識の背後にある知識」で、一番大切にしていると話していた。

「暗黙知」という概念は、現代の経営学の議論においては、1990年代に比べてあまり優勢ではない。しかし、それも変わりつつある。エコノミスト誌(The Economist)のコラム群「バートルビー(Bartleby)」に最近掲載された文章は、その理由について、「すべての組織は、知識を蓄え、伝達するという問題に直面している。こうしたことは、新人が、何が何であるかを知り、成功や失敗から教訓を学び、わかり切ったことをやり直さなくてもすむために必要だ。労働力の高齢化により、ベテランが職場を去る前に、経験の浅い新入社員を教育する必要性が高まっている。」と述べている。

最初は、「改善」から始まり、どんどん進化している。

暗黙知

「暗黙知」の例として、熟練工が日々実践していることが挙げられる。電気技師の免許を持つ人は、講座で学んで資格を取得したわけだが、彼らが持つ実際の知識とは、職場の状況に合わせてそれをどのように使うかというものだ。

そうした知識は、見習い期間や、職人としての経験からしか得られない。要するに、図面を読むことだけでは十分ではなく、それを機能させるには、経験によって磨かれた専門知識が必要なのだ。電気技師は「暗黙知」を持っている。

すべての訓練は、「暗黙知」を必要とする。そうした知識があって初めて、物事は成し遂げられる。

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