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音楽サブスクの固定化の原因は、楽しさの多様化にある


ヒット曲を出すartistが固定化する現象について


半月ほど前です。
日本の音楽サブスクにおいて、ヒット曲を出すartistが固定化しているというyahooの記事を読み「それは何故なのか?」という内容で、下の記事をnoteに投稿しました。

流行の、自分の代わりにchatGPTに回答させ、その結果に驚くとかいう、そんな記事です。

…ですので、今回は、自論で答えてみます。😊


chatGPTの回答を、復習してみる

まずは、折角ですので、
前回のchatGPTの3つの回答を、今度はBingのAI使って要約して、以下並べてみます。

大体、ぱっと思いつきそうな理由は、網羅されています。
これ読めば、ちょうど良い復習になりますね。

・ユーザー自身がプレイリストを作成することが少ない。

・ランキングの上位にある曲を聴けば、音楽を選ぶ手間を省ける。

ユーザー自身が音楽を探すことが少ないため、一部のプレイリストやランキングが支配的な役割を持っています。そのため、同じartistの曲ばかり聴かれています。

1回目の要約

日本の音楽業界は、長年にわたってアイドルやジャニーズ事務所などのタレントプロダクションが中心であり、その業界構造や、ファンの強い支持などが、同じartistの曲ばかり聴かれている原因です。

それは、ファンの愛着や、新しい曲を探すことに対する積極性の低さを表しています。

2回目の要約

主要な音楽レーベルが、自社アーティストのプロモーションに多額の広告費用を投じていることや、リスナーが、自分たちの聴きたい音楽を探すのに、あまり時間をかけずに済ませてしまうことなどが、同じartistの曲ばかり聴かれている原因です。

また、プレイリストがあまり有効活用されていないこと、コンテンツが過剰供給されていること、リスナーが他の人と共有できる音楽の共通点を探していること、も理由として考えられます。

3回目の要約


結論というか、その理由は…


結論の前にひとつだけ、書いておくと。
音楽がヒットする理由と、音楽サブスクでヒット曲を出すartistが固定化している理由、この二つは違うものです。
今回は、後の方の理由について、説明していきます。


では、結論ですが…

今の日本では、
音楽は、昔ほど特別な存在ではなくなった
というのが、私が考える、その大きな理由です。

これは、どういう意味かというと、

コンテンツがデジタル化した事やサブスクの普及により、溢れる楽しさは、不朽で不急なものとなりました。

全ての娯楽は、楽しめるなら古い新しいは関係ない、さらには、楽しむ場所も時間も選ばない、全てのデジタルコンテンツがバトルロワイヤルで時間の占有を競争するライバルとなったわけです。

つまり、人が楽しさを味わうために使う時間の取り合いが発生し、その競争は激化を続けています。

そしてそれは、
楽しむための選択肢が、増え過ぎて
一人ひとり持っている有限な時間を、以前ほど音楽に割けなくなってきている」という事なのです。



では、それがなぜ音楽サブスクで聴く曲の固定化と繋がるのか…


仮にあなたが、飲食店に行ったとします。
そこで、一杯350円のソフトドリンクを注文したら、普通にその飲み物に口をつけるし、飲みあげます。日本ならお水はタダです。わざわざ注文するくらいだから味のわかっている好みの飲み物を頼んだはずです。
そして、お金出して購入した以上は、普通に完飲します。

では、ファミレスでドリンクバーをとりあえず350円で購入したとして、どうですか?
1杯目は、何か飲むと思います。時間潰しが目的でなければ、どうかすると2杯目は飲まないかもしれませんし、飲んでも同じドリンクを続けて飲む人が多いはずです。何杯飲んでも定額だからと言って、腹がチャプンチャプンになるまで飲み続けるような人は、そんなにいません。

また、過去に飲んだ事のないドリンクがあれば、必ずそれを試しに飲むような好奇心旺盛な人も珍しいと思うし、楽しげに色んな種類を少しつづ混ぜ、オリジナルドリンクを作るような人は、さらに少ないと想像します。

人が、飲食できる量は限られています。
音楽も、それを聴くための時間は有限なのです。
聴く時間が少なければ、聴ける量は限られますし、仮に時間があったとしても、常に好奇心を発揮する人や、楽しげにplaylistを作り続ける人は少ないのです。
ましてや時間がないのに、わざわざ新しい音楽に挑戦する人はもっと少ないはずです。

当然、楽しさがちまたに溢れれば溢れるほど、同じ音楽ばかりが聴かれていきます。新しく聴かれる曲は、タイパを考えると、TVや映画のタイアップ曲か、ヒットランキングで上位の曲。あとは、自分が昔聴いてたartistの曲や、SNSなどで知ってファンになったartistの曲、俗に言う押しの曲ばかりになります。



音楽を楽しむ時間が、なかなか取れない国…

考えてみて下さい。
昔、音楽を楽しむための時間は、忙しいなりに、今よりは有りました。
昔は、今ほど娯楽が少なかったし、音楽が時間を占有する力、それが今よりも断然強かったと考えます。

携帯電話の普及と合わせたように、音楽は、以前よりも大きなヒットが出にくくなってきたような印象がしています。携帯電話、廉価なPC、インターネット、スマホ、それらの普及が、色々な娯楽の楽しみ方に与えた影響はとても大きいと思われます。

特に近年、個人一人ひとりがスマホを持ち、音楽と時間を共有出来ないタイプのコンテンツ…ゲームとか動画とかを楽しむ時間が増え続けている事は、色々な事柄に変化を発生させていると考えます。

いくらでも音楽以外で時間を楽しめる中、積極的に音楽を楽しむ時間は、通学、通勤、車の運転中、くらいではないでしょうか?

なぜ、ここ数年でチル系の音楽が流行ったかというと、勉強とか読書とか、音楽聞きながら〇〇したりできるからだと、私は考えています。

あと、根拠はあまりない個人の推論ですが…

色んなartistの曲が音楽サブスクで聴かれている国とは、ヨーロッパのように、仕事を定時で終わらせ、土日は周り含め皆がお休みをとり、でも日本に比べると娯楽の少ない、もしくは、娯楽の中での音楽の存在感がずっと高い国、一言でいうと「音楽をたっぷりと楽しむ余裕のある国」ではないでしょうか?


追記です。
下のnoteの記事が、興味深かったので紹介いたします。
ドイツの生活について書いています。


ヒットの固着──Spotifyチャートから見えてきた停滞する日本の音楽



音楽のヒットについて、他に投稿してる記事です。


ヒットする音楽と、ロングヒットする音楽の違いとは?


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