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コミュニティ運営 ~なかなか超えられない壁~

こんにちは。デジテックfor YAMAGUCHI運営事務局のもんじゃです。

「デジタル」を共通項とした山口県のコミュニティ「デジテック for YAMAGUCHI」が発足してもうすぐ3年が経とうとしています。
世の中のDX推進の流れもあり会員はどんどん増えて、いつの間にか1000を超える大きなコミュニティとなりました。

ということは私も運営として関わって約3年。
はじめは、友人数名との飲み会のセッティングでさえいろいろ気疲れしてしまう私に、このようなコミュニティ運営が務まるのだろうか?
こんな不安を抱えていましたが、、、

やっぱり上手くいくものではありません(ほら見たことか)
案の定多くの壁にぶち当たったので、今回はその壁をいくつか紹介します。
(ちなみに完全主観なうえに、答えもない話ですのであしからず)

「デジテック」はどうしてできた?

その前にデジテック発足について紹介します。

3年前、コロナ禍で世間に「DX」という言葉が広がる中、地方こそDXを進めたいという方向性のもと、山口県でもY-BASEという拠点ができる、デジタル人材育成の事業を充実させるといった動きがありました。

これらを、必要とする方々にこうした取組の情報をしっかり届けて活用してもらうために、デジタルに関心ある方たちの集まりを作ろう!
そこから何か成果として地域課題解決のためのアウトプットを生み出そう!
そんな動機でライトに作ろうとした「集まり」これがデジテックです。

しかし、立ち上げに向けて次第にハードルは上がっていきます。
有識者のご意見や内部での話を、私の脳フィルターを通すとこんな感じ

・これは、デジタル好きが集まる、いわゆる「コミュニティ」というもの。
・「コミュニティ」は形式で縛らずに、熱量持つ人が参加しやすく、自発的にやりたいことができる場づくりが重要である。多発的に盛り上がるコミュニティを目指して日々知恵をしぼるべし。
・デジタルを学びたい人たちが自由に学べる仕組みがあるといい。
・お互いのことを知るため交流の場も必要でしょう。
・Code for Japanみたいに技術を活用した自主的なシビックテックを生み出そう。そのためには早急に取組事例がほしいところ。
・法人の会員もメリット感じられるような仕掛けがほしい。

やばい。コミュニティ運営するってこんなに難しいのか…

壁① ビジョンは大事、でもアプローチも大事

発足後1か月で会員は200超に達しました。
大々的にPR活動をしてない(できてない)のに、思ったより集まり、デジタル機運の高まりと皆さんのアンテナの高さを感じました。

コミュニティにはビジョンが必要とのアドバイスを受け、
目指す姿を「会員同士の交流・共創を通じた持続可能な課題解決コミュニティ」としました。
このコミュニティでデジタルをテーマに学んで交流して、何か面白いことをしながら、地域貢献にもつながる取組を生み出していきましょう!と。

ビジョンはある。けど、どうやって目指していくの?
可視化して会員と共有したいけど、手探りすぎてイメージがわかない。
でも走り始めた以上はイベント等を打たないといけない(焦り)

「デジテックって何をしたい集まりなのかよく分からない」
そんな声をいただくのは、日々のイベント等の活動が「目指す姿」にどうつながるかを伝えきれていないのが一因かもしれません。

コミュニティはチームではないので、自由度高く、会員がやりたいことが尊重され、運営はそのサポートをする、というのが基本的な立ち位置ではありますが、コミュニティという緩いつながりの中では、大きな流れや方向性をある程度示していくことも求められるのかもしれません。
このバランス、非常に難しい。

壁② 万人受けは目指せない

今や1000以上の個人や法人が集まるコミュニティということで、会員の参加動機も様々です。
会員アンケートから「学びたい」「交流したい」「ビジネスにつなげたい」などなど寄せられた多様な声に応えようと、最新技術の紹介や交流ワークショップ、ビジネス向けなど様々なイベントを開催してきました。

結果、幅広い分野で多くの方に参加してもらえましたが、イベント毎に参加する方は異なり、アンケートの満足度は高いのにリピーターは増えないという状況からなかなか脱却できません。

様々なジャンルのもとに会員同士が集まって盛り上がり、結果的に守備範囲の広いコミュニティになっていくのはいいことだと思います。でも、運営が主導して、こうした状況を「作ろう」とあちらこちらに種を蒔いてもなかなか芽が出ません。
芽を出すためには、少しイベントを厳選して、きっかけ作りだけでなく会員を巻き込んで2回、3回と続けることが必要だと感じました。

今後、より存在感のあるコミュニティを目指すのだとすれば、いっそ振り切って、まずは「デジテックといえば○○やってるよね」という鉄板イベントを作って定期的にぐるぐる回していく、でもいいのかもしれません。

壁③ 想いはなかなか伝わらない

運営側は、会員アンケートなどの意向を踏まえ、アドバイザーや他地域の事例などから「これだ!」と思うものをイベントとして開催していきます。

でもいくら運営が熱を上げても、こればかりは相手のあること。
ですが、不思議と企画するうちに、自分たちが頑張るほど会員にも関心を持ってもらえるのでは、という気になってしまうわけで。

2年前、中山間地域の課題をテーマに現地でアイデアソン・ハッカソンを行う「エンジニア・キャンプYAMAGUCHI」というイベントを行いました。
地域に入り浸り、地元関係の方と調整を重ねながら作った、はっきり言って個人的には渾身のイベントです。これは絶対面白い。初めてイベント前にnoteを書いたほどです。
自信満々に会員に向けて募集を開始しました。

「うーむ。集まらない。。。」
結果的に定員に達したものの、周知に駆けずり回った毎日はなかなかつらいものがありました。
いくら運営がいいイベントと思っても、それが会員にとって魅力的に映るかは別問題。
周知不足?見せ方?開催時期?内容が難しそう?どうすればよかったのか正解が見えていません。

もっと言うと、個々のイベントの周知や、内容の充実といった目先の要因以上に、日ごろからデジテックのイベントはチェックしとこうかな、時間があれば参加したいな、と思ってもらえる機運の高まりを作っていく必要がありそうです。

結局は自分得?

解決策も示さない話をダラダラと申し訳ありません。
こんなの壁のうちに入らないよ。まだそこで躓いてんの?という方、ぜひアドバイスをお願いします。

私がデジテック運営に携わって3年近く、一緒にセミナー等に参加しているはずなのに、自身のデジタルスキルは上がりません。
やることなすこと振られてばっかりで、こんなに「人に振り向いてほしい!」と思い悩みながらの仕事は初めてです。

でも得られたこともたくさんあります
・県内外にこれほど意欲的に活動している人がいるという発見
・その中で仲良くなった会員や関係者の方々
・利害関係のないユーザー(会員)視点で物事を考えようとするチカラ
・壁にぶち当たっても折れない心 などなど

これはある意味DXですか? DによるXじゃないけど。

発足時によく言っていた誘い文句「何かデジタルで面白いことを一緒にやりましょう!」
そんな思いを持った会員が、仲間を見つけ、活動しやすいコミュニティ。
デジテックがもっとそういう場になれるように、多くの会員が熱を投入し合える場にしていきたいと思います。

今後ともデジテック for YAMAGUCHIをよろしくお願いいたします。

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