ネットカフェの店員からスターダムへ！ Oxlade - Ku Lo Sa (2022)
WizkidがJustin Bieberと共演した「Essence」が世界的にヒットし、Fireboy DMLがEd Sheeranとのコラボレーションシングル「Peru」で大成功するなど、ナイジェリアの音楽シーンは現在、世界的に脚光を浴びています。
今年に入ってからもFutureのアルバムにTemsが抜擢されたほか、Pheelzの「Finesse」はApple Musicで36カ国でチャートインし、世界で最もShazamされた曲となるなど、その勢いは止まることを知りません。
今回紹介するOxlade(オックスレイド)もナイジェリア出身で、あのDrakeに認められ、世界中のオーディエンスにその存在を知られることになりました。
ここでは、ブレーク必須のオックスレイドについて解説します。
レーベル : Epic Records
リリース日 : 2022年6月10日
名前 : Oxlade
本名 : Oxlade / Ikuforiji Olaitan Abdulrahman
年齢 : 25歳
出身地 : ナイジェリア、ラゴス
Oxlade - Ku Lo Sa (2022)
ブレイク前はネットカフェ店員だった？
ナイジェリアのラゴスで生まれたオックスレイドは、幼い頃に母親を亡くし、父親と祖母に育てられました。
10歳の頃から歌っていたようで、オックスレイドという名前は自身のミドルネームからとったと語っています。
俺は初孫だから、名前をたくさん付けられたんだ。
中学生の頃は、変な名前ばかり使っていて、変だとわかっていても、どうしてもあだ名が欲しかったんだ。
ある日、自分の名前のリストをチェックしたら「オックスレイド」があって「レアな名前だな」と思ったんだ。
そして、その希少性がアーティストとしての自分の核になるんだ。
父親はラゴス州立大学の講師で、オックスレイドは歴史と国際関係学を学ぶために同校に入学を許されるも、2年後に音楽活動をするために退学します。
しかし、なかなか日の目を見ず、生活のためにサイバーカフェ(ネットカフェ)で働くことになり、彼自身が「暗黒時代」と呼ぶ時期が続いていました。
そんな時、友人の地元ラッパーBlaqbonesから電話があり、制作していたシングル「Mamiwota」に参加しないかと誘われたのがきっかけで、状況が一変します。
オックスレイドは乗り気ではありませんでしたが、承諾し、2018年に同曲をリリース。
この曲がリリースされた数時間後、彼はTwitterでトレンド入りしていることに気づき、さらにはネットカフェでTwitterアカウントを開設し「オックスレイドは誰？」と質問している人たちを見たそうです。
Blaqbonez feat. Oxlade - Mamiwota (2018)
この曲をリリースした直後にA&RエグゼクティブのBizzle Osikoyaに声を掛けられ、レーベルThe Plugとマネジメント契約を結び、その後The Plug Entertainmentと出版、ライセンス、流通、Troniq Musicとレコード契約を結ぶことになりました。
また、同年にはDavidoのコンサート「City of Davido」にも出演し、2019年にはロンドンで開催された「Star Boy Fest」でWizkidのオープニングを務め、徐々にその名が知られるようになり、The Headiesによる2019年の「Rookie of the year」部門にノミネートされています。
ドレイクに才能を認められ注目を浴びる！
2020年3月にデビューEP「OXYGENE - EP」をリリースし、収録曲の「Away」がナイジェリアのApple Musicで2位を記録。
それから半年以上経った11月、Drakeが自身のInstagramのストーリーにこの曲を投稿。
Drakeは過去にも自身のシングル「One Dance」でWizkidを抜擢しており、数年前からアフロビーツに関心を持っていました。
この投稿により「Away」は翌日までに300万ストリーミングを記録し、ローリング・ストーン誌の「2020年のベスト50曲」に選出されています。
これについてオックスレイドは「Drake効果だよ」と彼に感謝したようです。
特別な気分だったよ。
Apple Musicの曲をスクリーンショットして、彼は自分のストーリーに投稿したんだ。
それ以来、俺にとって本当にクレイジーになったよ。
翌日には300万回ストリーミングされたんだ。
これはDrake効果だよ。
みんなDrake効果を求めているんだ。
俺は当然、彼に連絡を取ってお礼を言ったよ。
Oxlade - Away (2020)
翌年1月には、Dolapo、Ms Banksとシングル「Interest」(2021)をリリースし、キャリア初のUKアフロビーツシングルチャートで10位にランクインし、
同チャートで12週連続チャートインを果たします。
Dolapo, Ms Banks, Oxlade - Interest (2021)
同年3月、Ice Princeのシングル「Kolo」(2021)にフィーチャーされ、18週連続でチャートイン、8月にはEP「Eclipse」(2021)をリリース。
リードシングルの「Ojuju」は、ナイジェリアチャート13位、YouTubeでは500万再生を記録しています。
Oxlade - Ojuju (2021)
スナップチャットから行為中の動画が流出するも、メジャーレーベルと契約！
2022年2月、彼の行為中の動画がSnapchatから流出し、Twitterのトレンドトピックとなる騒動となりました。
相手はコートジボワール出身の女性で、2000万ナイラ(660万円)で訴えを起こす準備を進めていることが明らかになりました。
その後、女性との問題は定かではありませんが、オックスレイドはこの件について、ファンと女性に謝罪しています。
俺は自分のビジネスが公の場に出ていることを自覚しているし、個人的なビジネスをそこに持ってくるような人間ではない。
裏切りというのは本当にあるもので、同じ意味で、このような出てはいけないビデオの中の女性に謝罪し、最後に俺のファンと幸福を願う人たちに謝罪したい。
キャリアを揺るがしかねない出来事から1ヶ月後の3月、彼はColumbia Records UKと契約を結び、シングル「Want You」(2022)をリリース、世界を股にかけた活動が期待されています。
Oxlade - Want You (2022)
「KU LO SA」がスマッシュヒットを記録し、世界中のオーディエンスから注目を集める
6月にColorsxStudiosからリリースされたシングル「KU LO SA」(2022)は、YouTubeでは現在までに2000万再生され、Spotifyでは5000万ストリーミングを記録。
このColorsxStudiosは、若手アーティストの才能を紹介することを目的としたドイツの音楽パフォーマンスプラットフォームで、過去にはBillie Eilish、Doja Cat、Jorja Smith、Kali Uchis、Mahaliaなどが出演し、2016年2月の設立以来、YouTubeチャンネルの登録者は600万人を超え、累積再生回数は約20億回に達しています。
Oxlade - KU LO SA | A COLORS SHOW
ナイジェリア人であることへの誇り
以前の記事で紹介したBurna BoyやPheelzと同様に、オックスレイドも祖国への強い思いと、ナイジェリア人であることの誇り、アフロビーツへの愛情を語っています。
俺の音楽が海外に渡るのを邪魔するものは何もないよ。
メガヒットやビルボードチャート1位を獲得したアフロビーツほど大きなものはない。もう不可能ではないんだ。
アフロビーツの中には、クロスオーバーして成功しているものもあるしね。
レストランやスタジオ、どこに行ってもアフロビーツがかかると、ナイジェリア人であることに誇りを感じるよ。
このサウンドが生まれたところから来たことを誇りに思う。
俺が着ているものはすべてナイジェリア製なんだ。
キャップも含めてね。全て意図的にやっている。
アフリカのアーティストを名乗るだけでなく、アフリカを体現しなければならないんだ。
ナイジェリアから世界へ羽ばたくオックスレイド。
ブレイク目前のアフロビーツの新星を一足早くプレイに織り込んでみてはいかがでしょうか。
関連記事はこちら
※ DIGTRACKS.comは、音楽プロモーター、音楽業界に携わるプロフェッショナル（DJなど）専門のデジタル・レコードプールサービスです。
ご利用の際は必ず「ご利用規約」をご確認ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？