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炊飯器で作るご飯ってなんであんなにワクワクするんだろう 

自分は割と影響を受けやすい人間。すーぐにマンガとかの影響を受ける。よくある事象として、グルメマンガを読むとその日のおかずは高確率でそのマンガで書かれているものになる。

昨日もそんな感じの1日だった。あるマンガの影響を受けて、昨日の晩御飯(なんなら今日のお昼も)が決まった。『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』。なんだかX(Twitter)でトレンド1位になってたらしい。


正直、表紙を見た時点では少し警戒した。一時期お下品系グルメ漫画として話題になった『めしぬま』と同じ系列かと。食べる姿をやたら性的に描き、しかもそれが露骨な作品は苦手なのだ。

しかし、どっちかというとこの作品はギャグ。その前後のリアクションで笑いを取るタイプのマンガ。

第一話より

食事シーンもドアップでいやらしく見せようという意図はなく、遠目からのシーンが中心。安心して読める。

表紙ではお下品に盛られたどんぶりが描かれていたが、以外と出てくる料理に不快感はない。過激なものは料理としてどう見ても美味しそうは思えない料理だったりするのだが。ちょっと(?)食が太い女の子が食べるご飯としては、現実的な量とメニュー。ここもそんなに不快感はない。

シンプル美味しそう

で、自分が影響受けたのは、第2話。


炊飯器という魔法の道具

第2話は、主人公が女の子らしい量が少ないお弁当を食べているシーンから始まる。1話で深夜のオフィスでドカ食いをし、そのまま高血糖状態からのトランス状態(いわゆるドカ食い気絶)になっているところを目撃されてしまったので、オフィスでのドカ食いを封印したのだ。

が、普段ドカ食いをしまくっている人間がそんな女子サイズのお弁当で足りるわけがなく。夜にはこうなっている。

第2話より

この必死感。思わず笑う勢いがある。

そんな彼女が作る料理とは、お昼の弁当を作ったときに余った野菜とケチャップを、10合炊飯器にぶち込んで…

早炊きモードでスイッチ・オン。
そのまま入浴し、服も着ずに最後の仕上げに。

ここも勢いがすごい

そうして作られたのが圧巻の4合オムライス。


自分もオムライスが大好きだったのだが、まさかのチキンライスを炊飯器で大量に作るという発想。雷に打たれたような衝撃だった。
「そんなんしたら無限にオムライスできるじゃん」
ワクワクが止まらなかった。

奇しくも10合炊飯器は所持している。これは試すしかないと、全力ダッシュこそしなかったものの、早足で自宅に帰った。


そして出来上がったのがこれ。
もうすでに2合分くらいは食事した後に撮ったものだが。

少しケッチャプの量が足りなかったのは反省だが、初挑戦にしては上出来。計量カップで計測なんてまどろっこしいことはせず、とりあえず勢いで素材をぶち込んだからしゃーない。味はぜんぜんイケる。

後は上に乗せる卵を作れば、何度でもオムライスが作れる。最高だ。思う存分オムライスを堪能した後、満腹になってそのまま爆睡。残りは冷凍し即席チキンライスとして今後も活用しよう。


しかし、なんで炊飯器で作る料理ってこんなにワクワクするんだろうか。鍋以上のワクワク感がある。あのフタをされた世界の中で、何が起きているのか分からないからなのかも。

味見も、フタを開けて様子を伺うことすらできない状況。固い生米と、雑に放り込まれた野菜たちがどんな美味しい食事に変貌しているのか。我々人類は、固唾を呑んで見守ることしかできないのだ。

たが、少しの時間を置くと、雑な調理過程からは想像できないご馳走が何食分も生み出されている。食べても食べてもなくならない。炊飯器は魔法みたいに無から有を生み出しているような感覚を与えてくれる。だからワクワクするのかも。


食事とい日常の幸せ

なんでこのマンガがX(Twitter)のトレンドを取るくらいウケたのか、なんとなくわかる。お腹が空いたときの、「ご飯ご飯ご飯…」という食事のことしか考えられない状態。そしてそこから飯をガッとかっこんだときの爽快感。お腹は苦しいのに、なぜか感じる多幸感。

そんな誰しも経験がある「ドカ食いの気持ちよさ」を、素直に楽しんでいる主人公、もちづきさんを見ると、思わずこっちも笑顔になる。

お腹が空いたという理由で全力ダッシュして。
服を着るよりも先にご飯の準備をして。
全力で食べて、寝る。

生物としての欲望を、人間らしく知恵を使って最大限に楽しむ。健康だとか、大人としての体裁とか、そんなのぶっ飛ばして飯をかっこむのは、日常で気軽に味わえる幸せがあることを思い出させてくれた。

…まぁ、さすがに毎日はこんな生活はできないけども。順調にお腹の脂肪が増えてきているので。






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