夢の中で #01
都心のある街に新しいバーができたらしい。
会社の同僚が先日行ったみたいで色々教えてくれた。
『あ、そうそう。最近できたあそこのバー、知ってる?なかなか良いところだったよ。デートにも使えそうだし、1人で来てる人もいて、結構雰囲気良かったね。』
そのバーは店主ひとりで切り盛りしているようで、つまみや食事は無く、メニューは飲み物だけ。それなりに酒の種類も豊富だという。
仕事終わりに行ってみようと思い、今日は定時で上がることにした。
タイムカードを打刻して、外に出るとまだ明るかった。
陽があるうちから飲むのは少し背徳感があったものの、誰に迷惑をかけるわけでも無し、心躍らせて店へと向かった。
店には20分ほどで着いた。
扉には窓が無く中の様子はわからない。外壁にはオレンジ色の照明がひとつ。いわゆるオーセンティックバーのような風貌。
"OPEN"の札がかかっているのを確認して、扉を開けた。
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