夢の中で #00
周りの騒がしさで目が覚めた。
白い壁と天井。
ぼんやりとして何も見えない。
磨りガラスを通して世界を見ているようだった。
よく寝た、と思った。
起き上がろうとしても身体が言うことを聞かない。
誰かが抱きついてきた。
恋人だった。泣いている。
周りには家族や友人もいる。
何かを言っているけれど、雑踏の音のようにしか聞こえない。
深呼吸をひとつすると、疲れが押し寄せてきた。
もう少しだけ寝かせてもらおう。
等間隔で鳴る電子音。
僕は静かに眠りに落ちた。
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