世界樹

ドラクエ11など、ファンタジー作品には世界樹と呼ばれるデカすぎる樹が登場する。

世界樹はその世界で起きた全てのことを記録しており、ドラクエ11では世界樹の記録から魔王打倒の作戦を導き出す。

この世界樹は2つ凄い点があると思う。

1,アクセス速度

ドラクエ11の世界樹は(他もそうかもしれないが)
世界で起こったこと全て記録している。
そして、ある情報を求める者が現れた時、相応しい情報を与える。

この与えるまでのスピードには目を見張る。
過去全て記録しているにも関わらず、ほとんど待ちがなく、提供しているのだ。

この速度を実現するためには3つの方法が考えられる。

ひとつ目は現代の我々も知らない・見つけていないデータ探索法を用いている可能性。
二分探索法などデータベースからデータを探す方法はあるが、世界樹はそれらを利用しておらず、未知の探索アルゴリズムでデータを見つけているのだ。

ふたつ目は尋常ならざる処理速度の可能性。
二分探索法など既知の方法を用いているが、あまりにも高性能な処理速度で、莫大なデータ群から目当てのものを掘り当てることができるのだ。

みっつ目は蓄積されたデータを活用して、世界樹を利用する人の予測、そして求められるデータを前もって用意しておく可能性。
ビッグデータと呼ぶにはあまりにも多いデータを用いて、データ分析を行っており、未来予知にも近い予測を行う。そして、世界樹利用者が望むであろうデータを前もって準備しておき、実際に呼び出す際はそのデータを披露しているのだ。

このように、世界樹設計者はアクセス時間に対して、精密な設計を行っており、過去全てのデータを蓄える、という壮大なシステムを支えているのだ。

そう言えば、過去全てのデータを蓄える必要上、一瞬でも世界樹は停止してはいけない。
きっと、データ収集層と蓄積層に分けられているのはもちろん、予備の蓄積層のようなものを設けており、一瞬でも全体の稼働が止まらないように工夫しているのであろう。

2,監視社会

ジョージ・オーウェルの『1984年』という作品では、国民は政府の完全な監視下に置かれているディストピア社会を綴った。

世界樹のある世界は正しくそれであろう。全ての生活行動は必ず記録されており、利用者がいれば引き出されてしまう。

世界樹からのデータ提供部に辿り着くには、困難な道を強いられるが、しかしその道さえ踏破すればどんな情報も得られる。

『1984年』では、監視によって得られた情報は情報を扱う一部の公務員にしか提供されないが、世界樹は踏破さえすれば万人に開かれている。

マイナンバーカードですら、政府に監視されるして反対者がいるにも関わらず、なぜドラクエ11など世界樹がある作品では、監視への反抗が無いのか。

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