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ディレクションサポート(ディレサポ)とは?

Webディレクターの業務は「指揮を執ること」「監督をすること」と言われます。
実際「指揮を執るため」にやらなくてはいけないシゴトがたくさんあります。

・クライアント対応
 (市場/競合調査・ヒアリング・要件定義・見積もり・資料作成など)
・チーム(現場)対応
 (打ち合わせ・指示出し・スケジュール調整 など)
・チェック・チェック・チェック
 (文字校正・動作チェック・要望が叶えられているかチェック など)
・公開後の運用
(日々のメンテナンスから、次回提案の内容検討 など)

などなどなどなど…。


その中で「本当はこの部分をしっかり考えたいんだけど、こっちもやらなきゃ…」となってしまい、Webディレクターとして「自分がやりたいこと(強み・大事にしたい部分)」に注力できない事がよく起きているのではないでしょうか。

本来Webディレクターが「力を入れたい」と思っている部分に注力するために、Webディレクター業務のサポートを行うのが「ディレクションサポート」の役割です。

ディレクションサポートととアシスタントディレクターとの違いは?

アシスタントディレクターは「将来Webディレクターになることを目的としているポジション」としています。
特に組織で働いているWebディレクターはチームで働くことも多く、後進を育てていくことも業務の一つとされていることもあると思います。

そんな後進は、いつか独り立ちしてしまいます。
もちろん、一人前になってくれることはもちろん喜ばしいことです。

業務の一環として、自分のアシスタントをしてもらっていてもそれは一時的なもの。
でも、独り立ちした後自分の業務にまた手が足りなくなって、そんなときにまた後進をイチから育てながら自分のシゴトもやって…となることが多いのではないでしょうか。

ディレクションサポートは、ディレクション業務をサポートするポジションです。
そのため、本来注力したいディレクション業務をやりながら、切り出せる仕事はディレサポへ。
後進の育成も、切り出した分の時間を充てれますし、業務内容を知っているディレサポから後進へサポートを行うこともできるのでかなりの負荷軽減が可能だと考えています。

困ったときにすぐ声をかけられる位置にいる頼もしいパートナーとなるでしょう。

ディレサポってどうやったらなれる?

・ディレクター業務に興味がある(むしろディレクションやってた)
・コミュニケーションを取ることが苦ではない
・スケジュール管理ができる。

いずれかが当てはまれば大丈夫だと思います。

特にディレクション業務をやっていた経験がある人であれば、Webディレクターが「辛い…」と思っていることに理解が早いと思います。
自分の経験から「こういうことをやってくれたらマジで天使だとおもう」ということをやれることが、ディレサポの仕事だと思います。

もし経験がなくても、
「ディレクションにちょっと興味はあるけど、そもそもWebのことがよくわからない…、アシスタントってレベルでやっちゃうと「やっぱ無理」ってなったとき辛い」
という、Web未経験からちょっとディレクター目指してみてもいいかなぁと思ってる人。

「大丈夫!そんな難しくないからこっち来て!!!!」
という、意中のあの子をWebディレクターに染めたいと思ってるディレクターが、第一段階として経験してもらう、という役割でもいいと思います。


中でも特にこの仕事が一番向いているのは、子育てや介護などで一線を引くことになってしまった「元webディレクター」です。

一線から身を引いてしまうと、どうしても最新のトレンドを追いかけることが難しくなり、フロントに立ってバリバリまたやる!ということも難しくなってくる場合もある思います。

ですが、ディレクター時代に培った「ディレクション業務」の定石は基本的にかわりません。
それはどんな便利なツールが出てきて作業が捗ることがあっても、フローは大きく変化しないからです。

ディレクターから依頼される作業の想定は、基本的に「切り離せる業務」なので、いつまでにどのような形で仕上げなければいけないかが確認取れていれば、問題はないでしょう。

つまり、業務委託や派遣、正社員でも時短でも働ける可能性もあります。

ディレサポのキャリアプラン

「つまりずっとやる仕事は変わらなくて、人事評価も変わらず給与も上がらないのでは…?」と、不安視される方もいると思います。

ディレクションサポートは、アシスタントディレクターとは違うけれど、アシスタントディレクターの側面もある。
意外と時間がかかる採用活動のフォロー(人事)や、請求書の管理(経理)なんかもサポートすることがあれば、人事や営業事務の側面もある。

かなりフレキシブルに広い範囲が対応できますし、別業種からの転職でも、今までの業務経験も活かすこともできる仕事です。

つまり、Web未経験の場合は、いろんな作業範囲に少しずつ手を広げていけるので、ディレクションサポートの経験から自分の別の可能性も見出すことはできると思っています。

そのままディレサポの位置でしっかりディレクターの応援団をやるもよし、
Webに触れる第一歩でもあり、ディレクターというものを知ってもらう機会でもある。ディレクターを目指して動くもよし、人事や営業事務の方にも強みが持てる。

…つまり、可能性が多い立ち位置であると思います。

企業における「ディレクションサポート」

ここで、企業における「ディレクションサポート」についてもう少し考えてみます。

Web制作会社の多くはディレクターが数名在籍していて、各々の裁量で業務を回していることが多いと思います。

そこで質問です。
隣に座ってるディレクターが、どんな仕事の仕方をしてるか知っていますか?

知っているのは案件名くらいで、どのようなフローで仕事を回しているか知らないのではないでしょうか。

「ディレクション業務のサポート」を行うのがディレサポです。
当然、ディレクターの横でサポートを行うので自ずと「どんな業務のやり方をするのか」が見える位置にいるわけです。

しかも、ディレサポは1人のディレクターにつくわけではありません。
社内にいるディレクター全員につくので、自ずとそのディレクターが「どんな案件をやって」「どんな進め方をして」「どんな結果になったか」が見えてきます。

つまりディレクションのノウハウが蓄積されていくわけです。
そうすると、"今"進め方で悩んでいるディレクターに対し、「この案件のときはこうして解決できた」というアドバイス面でのサポートも行うことが出来ます。

意外と横の繋がりが少ないディレクター同士をつなげる役割を担う。
そうすることでディレクター個々の成長の手伝いも、コミュニケーションの機会を作ることもできる。
それが、企業における「ディレクションサポート」の役割の一つかと思います。

ディレサポの課題

これから必要になっていく職域だと思われるディレサポ。
課題は3つほどあるのではないかと思っています。

1)何をやってもらえるのかが分かりづらい
現在この職域がないことから、扱いに困られることがありました。
特に「案件丸投げ」だったり(つまりディレクター業務そのまんま渡されるとか)「指示が雑で何を求めてるのかわからなさすぎる」など。

役割としてはあくまで、ディレクション業務のサポートをすることです。
「アシスタントディレクター」に近いものだけれど、案件(個人)張り付きではなく、作業単位で分担できるものからやっていきましょう。

2)スケジュール管理を徹底しましょう。
当然ですが、依頼を受けすぎると作業が溢れます。
1つずつは細かい作業ですが、チリツモになることが容易に予想されます。
(思いの外時間が取られる作業も多いです。資料作成系の競合調査とか。)
ので、スケジュール管理の徹底が課題になります。

3)人事評価
どの職域もそうですが「使える人間である」と思われなければいけません。
この職域としてはまだまだ浸透していないものなので、現在のところディレサポの仕事で「助かった!!」というディレクターの言葉がすべての評価に繋がります。

やっていく業務の範囲は日々変わるので「同じ仕事をずっとする」ことはなく、スキルを身に着けていけるとおもっています。
サポートの範囲を広げる努力をすることも、評価の一つと考えられます。

資格などが考慮される場合もあると思いますが、ディレクターから受けれる範囲を広げていく努力をしていくことが大事だと思っています。

さいごに

一家に一台、みたいな感じで、制作会社に一人いるとうまく業務が回る存在になれる、夢のある仕事だと信じています。

ぜひ、このディレサポ(ディレクションサポート)に興味を持っていただけると嬉しいです。



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