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エアコンを使うとキレられる

実家住みの宿命。エアコンを使うとキレられる。

一階のダイニングの食卓上に、電気代の請求書。

朝ご飯をもぞもぞ食べていると、母が私の顔を見るなり、ピクリと眉下を痙攣させた。

そして次の瞬間には怒号。

「あんた!!自分の部屋のエアコン切ったの!!」

10分もかからない朝ご飯のためだけに、なぜ切らねばならないのか。どうせすぐ自室に戻るのだから、つけたり消したりしたら逆にコストかかるよ。そう、母に申すと、彼女は吊り上げた目をさらに吊り上げて(仮面舞踏会で使いそうなあの眼鏡くらいに鋭角な角度で)

「今月の電気代いくらだとおもってるのよ!」

と叫んだ。思うもくそもない。その請求書に事実として数字が並んでる。15,553円。

3人家族としては高すぎる。

でも付け足すが、その3人のうち日中家にいる人間は母だけだ。獣を含めればプラス犬3匹。毎日毎日家にいて、朝から晩まで家のエアコンをつけ、その冷風のもと生活しているのは、母と犬だ。

まあ私は所詮実家暮らしの学生。養っていただいてる以上、この理不尽な電気代への怒りをぶつけられるサンドバッグになっても仕方ないのか。

反抗するのも疲れて、缶詰のコーンを無言で頬張っていると、母はまた発狂した。

「あんた!!今月の食費いくらだとおもってるのよ!!」


うるせえ!!!昨日私のビール勝手に飲んだやろが!!「庭いじりしてたら暑くなっちゃって」なんて、ババアの汚ねえてへぺろも華麗にスルーしてやっただろうが!!

あんた!!私の一番搾りいくらだとおもってるのよ!!

などと思ったが、まあいいのだ。  

母なる生き物はもう昔からこうなのだ。ムカつくけど、愛してるからな。

飲まれると分かっていて、ビールを冷蔵庫にしまっとくことが私の愛、すなわちエアコン代のようなものなのです。

※写真はリアル我が家のエアコンです。酷使しすぎて水が漏れるようになったので、トイレットペーパーの芯を挟んであります。残暑もよろしくな。



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