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面接官に「プライド高そう」と言われた就活生の日記

私の強みは。弱みは。行動派か慎重派か。ドライかウェットか。リーダータイプか補佐タイプか。
自己分析ってなんだろう。そりゃあたった一時間話すだけで、就活生の人格を把握できるわけはないから、本人に説明を求める理由はわかる。でも実際、人間の好きか嫌いかを判断する要素ってそんなプレゼンの中身とは関係ないよね。目線の方向、笑った時の歯並び、しゃべり言葉のくせ、瞬きの回数、相槌のトーン。私は、そんなもので、そんななんてことないことで人を好きになって、嫌いになる。そしてたぶん面接官たちも。

先日、男性面接官に「プライド高そう」と言われた。
別の役員面接では「クレバーな話し方をするね」と言われた。あとは「しっかりしてますね」とか。私は、それらの言葉をどう捉えたらいいのか分からない。褒めているのか貶しているのか。私の話し方や態度が、誰かには好印象で、誰かにはいけ好かないガキに映る。相性だと片付けてしまえば、それまでだけど。でもこれまでに、私が一回のデートで「なんとなく無理だな」と思って切ってきた男性たちと同じ思いを、この就活で味わうとは。
説明もなにもなく、ご希望に添うことが「なんとなく無理」らしい。ウケちゃう。罰が当たったのかな。そんなに遊んできてないけどな。

あのね、しっかりした私なんて、一部分なんだよ。プライベートの私はね、確かにプライドも高いけど、でもけっこう素直な女の子でさ、映画なんかすぐ泣いちゃう可愛さももってんのよ。聞いてる?そう、でね、ドライなこともあるけど、けっこう世話焼きでさ。冬のデートにはホッカイロ買ってっちゃうのよ。自分から喧嘩ふっかけたら、ごめんねってハーゲンダッツ買うし。横断歩道を渡るときは「白線しか歩けませーん」てスキップもしちゃう。
そういう私ってどう表現したらいいの?案外素直で、天真爛漫な部分ってどう説明すればいいの?

面接で、私の何がわかるんだよなんて拗ねてない。伝え方が下手な私が悪い。それは間違いない。こういう難しさが生きる難しさなんだね。
でも今は、私の可愛いとこ分かっている人に会いたい。
椅子にふんぞり返って座って、手首に数珠ジャラジャラつけた人に「プライド高そう」なんて言われて、悲しくなっちゃったこと、聞いてほしい。「そいつ、分かってないね。こんないい子なのに」って頭なでて。

そしたらちょっとだけ泣いて、また明日から頑張れる。

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