税金納付の猶予手続きをしてみた

新型コロナウイルスの影響で、本業の方が大ダメージを受けている椿夜です。
久々の投稿がこんな内容で残念ですが、同じような手続きをこれから考えている方の一例になればと思い、会社の許可を得て書いています。

通常であれば税金の納付を猶予する場合、延滞金を取られたり、担保が必要だったりしますが、今はコロナウイルスの影響によって納税が難しい場合、延滞金や担保なしで猶予してもらうことができます。
税金が払えない、払ってしまうと今後の資金がなくなるというような方は、猶予も選択肢の一つです。

下記はあくまで弊社のケースですが、個人事業主・フリーランスの方もだいたい同じような手続きだそうです。

弊社の状況:
● 10名未満の小企業
● 全国各地の現場に物理的に行かないとできない作業をする業種
● 3月頃からコロナウイルスの影響でキャンセルが多発
● 4月はすべてキャンセル(なんと、4月の売上ゼロ!)
● 役員も社員も(法律の範囲内で)給与を大きくカット済み
● 社員は最低限の人数を残して3月から休業、解雇は極力避けたい
● 事務所は賃貸のため、会社が所有するビルや土地などの不動産なし
● 借入・税金の延滞なし

要するに、借金もないけれど財産もない会社です。
数か月分の手元資金はありますが、このままだと数か月後には倒産です。
社員全員で笑っちゃいましたが、4月の収入がゼロと確定した時点で4月30日が期限の税金を猶予してもらう手続きに向けて動き始めました。長期化に備えて体力を温存しつつ、使える制度はすべて使う作戦です。

普段は税理士さんに手続きをお願いしていますが、この手続きは本人(会社の場合は代表や経理の担当者)が行く必要がありますので、準備をした上で

いざ、税務署へ

持参したもの:
◆納税・換価の猶予申請書(下書き済み)
◆法人口座の通帳(できれば当日記帳した最新のもの)
◆ノートパソコン(現金出納帳、経費、収支の詳細など)&モバイルWi-Fi
◆会社の代表印
◆筆記用具
◆詳細を書いた別紙
- 1年前と今年の各月の売上比較表(コロナの影響がない月とある月をそれぞれ比較)
- キャンセル・延期された予定が確認できる一覧表

該当すれば必要そうなもの:
◆財産がある場合、その詳細 (証券・保険・不動産・社用車など)
◆融資や借入がある場合、その詳細

税務署で当日作成したもの:
◆納税・換価の猶予申請書(清書)
◆財産収支状況書


まずは受付へ。
確定申告がまだ行われていたので、人の流れに沿ってそちらの会場へ行ってしまいそうになりますが、「税金猶予の申請に来ました」と伝えると、別のお部屋に通していただきました。そちらの受付で再度内容をお伝えし、数分待つと担当の方が来て小部屋へと案内していただき、お互いマスクをしたまま1対1でお話をしながら書類を仕上げていきます。

【納税・換価の猶予申請書】
担当の方によると、大事なのは理由と納付計画です。

理由は明らかにコロナウイルスによる影響ですので、それが説明できるように、別紙で詳細を記したものを用意していきました。
申請書の理由欄も下書きしていましたが、詳細を見た上で少し手直ししてもらい、手続き中に清書しました。
しかし、納付計画に関しては、コロナの影響がある程度収まってくれないと業務が再開できず、先の見通しが全く立たないということもあって事前に立てることができませんでした。

でも、これも相談に乗ってもらえます。数回に分割して納める方法も提案していただきましたが、数か月後の月末までに一括で納付する予定を立てました。
もし、早めに再開できて、予定より早く納付できるようであれば、それもOK。
どうしても難しいようであれば、今回決めた期限の前にまた相談してくださいとのことでした。

【財産収支状況書】
担当の方と相談しながら書きました。
どのような財産があるか、通常はどれくらいの収入や支出があるか書いていきます。
今後の入金の予定はいつ・いくらぐらい入りそうなのか、今後どれぐらいの運転資金が手元に必要なのかも質問され、部分的にも納税できないか、分割する場合は何回に分けて何円ずつなら払えるかなどいろいろな可能性を検討していきます。

そのため、経費がどれぐらいかかるのか、給与はどれぐらいか、事務所の家賃や電話代などの固定費も一通り見ていきます。法人口座の通帳、現金出納帳などがあればわかりやすいです。弊社ではクラウドの会計サービスを使っているので、必要な情報がすぐ出せるようにノートパソコンとモバイルWi-Fiを持っていきました。経費の内訳や科目別の合計も含め、必要な情報が時期を指定して出せるのでとっても便利でした。
予め、1か月の固定費がわかっているのであれば、それを一覧にしておくとスムーズです。
雇用調整助成金なども申請していて、社会保険料の猶予も検討しているので、今後の申請予定も含めてお伝えしました。

弊社は該当しませんが、財産や借入があればその辺りも記入する欄があります。
また、税務署の方でも過去の決算情報が見られるようだったので、恐らくそこから確認したのかなというような資本金や数年前に会社を作った際のお金の流れに関してもいくつか質問がありました。

以上の手続きを行うのに約2時間。

なんとか1回で受理してもらえましたが、情報が足りないと一旦帰って後日また来てくださいということになるそうです。状況によっても必要な書類が変わってくるものもあるかと思いますので、関係しそうな資料は一通り持っていくのをおすすめします。

書類を提出した後に審査が行われますが、この状況であれば恐らく問題なく通るだろうとのことです。
審査結果は郵送で届くそうです。また、審査が通ったとしても、督促状がシステム上は届くそうで、びっくりしないでくださいねと言ってくれました。

税務署の方にも「ここまで見事に影響を受けている会社もすごいですね」と言われるレベルでかなりピンチです。
この手続きをした数日後、5月も会社の収入はゼロになることが確定しました。
一応、役員も社員も全員が副業も持っているのですが、副業の方も大幅減収な人がほとんど。
でも、まあなんとかなるさ。なんとかしのぐしかないさ…だから、早く助成金ください。
固定費の内で大きいのがやはり人件費と家賃。このままだと払えなくなります。

明けない夜はないなんて言われると、そんなこと言われても明ける気配が全然ないじゃないかと言いたくなります。
今まで真面目に納税してきたし、コロナさえなければ問題なく払えていたよ。
だから、一刻も早く200万円かそれ以上の助成金ください。

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