009-アーニャとの初対面

ラズグラードの街を何日か散策。
日本の田舎街とは違うなんだか落ち着く雰囲気でずっとここにいたいと思うような街。

3日目だったかにホテルの部屋の電話が鳴り、受話器の向こうからはアーニャの声。
今ホテルのロビーに着いたので降りてきてと。
やっとアーニャに会えるんだと浮き足立ちロビーに向かう。

エレベーターを降りると少し離れたところからでもアーニャ本人だということがすぐにわかった。

どう接していいかわからなかったけど、自然に2人は近づいてハグをして初対面を噛み締めた。

そこからロビーのソファに座って色々な話をした。
手紙でやり取りをしていたアーニャそのままで、とても聡明で落ち着いた話し方にほっとした。

しばらく話をした後、もう少しラズグラードに滞在するので、今泊まっているホテルよりも安いホテルに移ることにし、一緒にチェックアウトをしてホテルを後にした。

アーニャの家に再訪し、お母さんとアーニャ3人で、これからどう過ごすかを話し、まずは街中を案内してもらい、そのあと黒海沿岸旅行に行くことを決めた。

アーニャと一緒にラズグラードの街を歩くと、1人の時には分からなかったこと、見れなかったものが見えた。

1人では入るのも憚れていた教会の中は、今までにみたこともない美しいステンドグラスを通して差し込む陽の光。

街のお店では未だ配給制も残っていて自由に買えないものも多数あることも知った。

アーニャの家で何度かご飯もご馳走になった。今でも印象に残っているのはショートケーキのように三角に形作られたロシア風サラダ。なんてことないようなポテトサラダだったけど忘れられない味。
いまでもたまに真似をして作っている。

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