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ビジネス賞大賞2020大賞受賞作 【本要約】FACTFULNESS(日経BP) |データを基に世界を正しく見る

今回ご紹介するのは「ビジネス書大賞2020」の大賞に選ばれた『FACT FULNESS』(日経BP)です。

ビジネス書大賞は、その年を代表するビジネス書を選出し表彰するビジネス書専門の賞として創設されたものです。

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そしてその大賞に選ばれた本書は、私たちが日頃認識している世界情勢の常識に対して、「みんなが同じ勘違いをしている」と真っ向から反論を試み、多くの人々に衝撃を与えました。

本書の著者は賢い有識者も含めて、みんなが世界の見方を間違っていると指摘してきました。その結果わかったのは、「ドラマチックな情報」を無意識に信用してしまうという人間の習性でした。しかもその原因は、常に危険と隣り合わせだった大昔に、人間が身につけた本能にあり、これを改めるのは容易ではないのです。

本書では、私たちの本能が引き起こしてしまう勘違いを一つひとつ取り上げ「本当の事実はどうなのか」「なぜ、勘違いをしてしまうのか」「勘違いにどうやって気づくのか」といった、ファクトフルネスの実践をわかりやすく教えてくれます。

この動画では、私たちが陥りやすい勘違いのパターンを三つ紹介します。

1)分断本能「世界は分断されている」
2)ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」
3)恐怖本能「危険でないことを恐ろしいと考えてしまう」

そもそも、ドラマチックな世界を信じ込むことは、ストレスを招くだけでなく、正しい事実から遠ざかってしまうことに繋がります。事実に基づいて世界を見る習慣を身につければ、そんな世界観に振り回されず、心穏やかに過ごせるようになるでしょう。


1)分断本能「世界は分断されている」

ではまず、分断本能「世界は分断されている」です。

問題)世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょうか?
A. 低所得国  B. 中所得国  C. 高所得国

さぁどれでしょう?



正解は・・・Bです。(正解率はアメリカで36% 日本で24%)

いまや世界はグローバル化が進み、人類の75%が中所得国に住んでいます。また、そこに高所得国を加えると実に91%となるのです。しかし、多くの人は、世界は「金持ちの国」と「貧乏な国」の二つに分断されていると勘違いしています。

私たちは、様々な物事を二つのグループに分けようとします。しかも、二つの間には大きな溝があると思い込みます。これが分断本能です。

このような分断本能を抑えるには、まず、ありもしない二つのグループに気づくことが肝心です。その気づくためのポイントは三つあります。

■POINT① グループの重なりを知る
平均値という一つの数字だけで比較してしまうと、個々の数字の分布を無視することになります。実際には、二つのグループには重なりがあって、分断などないことが多いのです。

例えば、男女の数学の平均点数に開きがあり、男性の平均点数が高い場合、
すべての男性はどんな女性よりも数学が得意といえるでしょうか?最高得点が女性という場合もありますよね?実際には、分布図にしてみると二つのグループには重なりがあって、分断などないことが多いのです。

■POINT② 中間層の分布を見る
グループには必ず最上位層と最下位層がありますが、そこに大きな差があったとしても、大半は中間層に分布していることが多いのです。

■POINT③ 低いところからの景色を知る
高い所から低い所を見下ろすと、どれも同じに見えますが、実際は低い所でもいろいろな高さがあるはずです。同様に、生まれた時から高所得国に住む人は、世界は金持ちと貧乏人の二つだけに分かれていると錯覚してしまうのです。


2)ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」

次は、ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」です

問題)世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょうか?
A. 約2倍になった  B. あまり変わっていない C. 約半分になった

さぁ、あなたのイメージを率直にお答えください。



正解は・・・Cです。(正解率はほとんどの国で10%未満)

世界の貧困率の推移をみると、1800年当時、人類の85%が現在の貨幣価値に換算して1日2ドル以下(現在の貨幣価値に換算)の収入で、水が自由に手に入らず、素足で歩くような暮らしをしていました。それ以来、一貫して世界の貧困率は減り続けています。特にこの20年は人類史上最速で貧困が減っており、いまでは9%にまでに下がっています。

私たちはネガティブ本能のせいで、ネガティブな情報に引き寄せられることを自覚すべきです。なぜ、そのように考えてしまうのか?この本能を誘発する要因は三つあります。

■要因① あやふやな過去の記憶
思い出は美化され、今日までの進化は無視されます。だから、いまはひどい世の中であの頃に戻りたいと、人は感じるのです。

■要因② 偏った報道
戦争、テロ、災害など、世界は常に悪いニュースであふれていますが、良いニュースはほとんど取り上げられません。例えば、アメリカの犯罪発生率は、この30年ちかく減り続けていますが、メディアは相も変わらず、ショッキングな事件だけを大々的に報道しているのです。

■要因③ 考えずに感じているだけ
世界が悪くなっていると感じる人は、深く考えず、ただ何となくそう感じている人が多いのです。それだと世界が確実に良くなっているという事実を見逃してしまいます。


3)恐怖本能「危険でないことを恐ろしいと考えてしまう」

最後は、恐怖本能「危険でないことを恐ろしいと考えてしまう」です。

問題)自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょうか?
A. 2倍以上になった  B. あまり変わっていない  C. 半分以下になった

さて、みなさん、そろそろわかってきたのではないでしょうか。



お察しの通り、正解はCです。(正解率はアメリカで11%、日本で15%)

自然災害による死亡者数は、100年前の25%にまで減少しています。しかも、その間に総人口が50億増えたことを考慮すれば、激減したと言えます。その理由としては、貧困層の減少、教育レベルの向上、国際協力の活発化などがあげられます。

私たちには、危険なものを早く察知しようとする恐怖本能があります。これは、かつて我々の先祖が生き延びるために欠かせない本能でしたが、このせいで現代ではもう危険とは言えないことにまで過剰反応してしまうのです。

例えば、2016年に死亡事故を起こした旅客機は10機あります。しかし、世界で4000万機の旅客機が無事目的地に到着し、現在も安全性が向上し続いている事実を知る人は少ないでしょう。同様に、戦争の犠牲者、核弾頭、HIV感染者、大気汚染など、様々なものが確実に減り続けているのです。

こうした恐怖本能を抑えるためには、世界は恐ろしいと思う前に、現実をよく見ることが必要です。そもそも、あなたやメディアの関心は、常に恐ろしい情報に向いています。しかし「恐ろしさ」とリスクはイコールではないのです。まずは、データに基づいてリスクを正しく計算することが重要です。

いかがでしたか。本書はこのほかにも、多数の事例やデータを示しながらファクトフルネスの重要性を訴えています。


最後に、ビジネス書大賞の審査員の声をご紹介します。

ビジネス書大賞の審査員の声

「今回は『ファクトフルネス』がダントツの横綱であり別格」
「すべてのビジネスパーソンに一度は熟読してほしい」
「哲学書以上に人生の指南書になってくれそうな本」

▼本書に少しでも興味をお持ちでしたら、ぜひお手に取ってみてください▼


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