働き方改革をなぜやるのか 改めて
今年1年もタイトルの関連で、多くの方々とご一緒し、仕事に携わらせていただきました。
そんな中、改めて本質として「なぜやるの?」という事について。
ここ数年で、地元の100社を超える企業さんと関わらせてもらった中での「上手くいっているケース」「そうではなさそうなケース」を踏まえ、僕なりの感想を書いていこうと思います。
働き方改革=通過点
働き方改革はなぜやるのか。よく企業とお話すると、「みんなやっているから=ムーブメントに乗り遅れると選んでもらえなくなる」という話をお聞きします。
ご覧の通り、就活生の企業選びの着目点として「長時間労働」「結婚後の働き方」等、自分のライフに関わる要因は非常に大きなもの。
気合と根性!男は仕事!単身赴任武勇伝!なんて組織は選ばれにくいです。
でもだからと言って、「働き方改革=社員に喜んでもらう」という姿をゴールだと思っていたら、それは違うと ごとうは思うんです。
なぜなら、働き方改革は、組織の本質的なゴールを達成するための”通過点”に過ぎないからです。
例えば何社か見てみましょうか。
この理念=企業組織が目指すゴールなわけです。見てください。「働き方改革を重視する」なんて、ほとんど出てきてませんよね。
働き方改革=ワークライフバランスの実現。とか、最近はハラスメント対策なんて文脈でも語られます。
じゃあ何で、ワークライフバランスを実現するのか。
ハラスメントが無い風土づくりをするのか。
理由はシンプル。企業理念を実現するには、その方が都合が良いからです。
改革をレゴに例える
問題です。レゴで3階建ての2世帯住宅を作ってください。
別に2世帯住宅である必要はありませんが(笑)、とにかく、皆さんはレゴで家を作る時、どう作ります?どこから手を付けます?
そうです。
その通りです。
洒落たテラスからですよね。
…
…
な訳ないですよね(笑)。
そう。最重要な視点の一つは”土台”ですよね。
家を形にするというここでのゴール到達のためには、土台が安定して組まれないといけません。
これは現実の住宅においてもそうでしょう。
※マクロに見るともっと専門的な要素はあるかもしれませんが
もういっちょ マズローさんの話
では、似たような話をもう一つ。
よく講演でも使う、マズローの欲求5段階説。
要は、高次の欲求(ピラミッド上部)を満たすためには、低次の欲求が満たされないとダメって話。
日本語訳し、上から順にみると
①自己実現欲求⇒なりたい自分になる!自分のチカラを最大に発揮する!
②承認欲求⇒自分のチカラや存在を認めてほしい
③所属や愛⇒社会や誰かに必要とされる存在でいたい!=仲間が欲しい!
④安全の欲求⇒安全に暮らしたい!仕事をしたい!
⑤生命維持⇒そのまんま 寝る・食べる
と言った感じ。
企業活動のゴール=理念の実現のためには、働く人たちが全て①のステージにあることが理想です。ですがそのためには、②の欲求が満たされなければいけません。
そして②が満たされるためには、③が満たされなければならないんです。
ちなみに。
ハラスメント関連の仕事で「退職しました」なんて人から話を聞くと、その職場に対し④部分に圧倒的な不満があるケースが多いんです。
例えば、ごとうの知りあいの「介護との両立が難しくて辞めた」Cさん。
彼は会社の上司から「介護と仕事どっちが大事だ!」と言われ、これが退職の引き金を引きました。
Cさんにとっては、この時点で職場が「安心・安全に働ける場」ではなくなったそうです。
Cさんは因みに、この会社の根幹的事業(20名程度の中小ではありますが)のマネージャーの一人であり、事業への想いも熱く、また成果も出していました(新聞に載ったことあるしね)。
〇〇〇〇社は惜しい人材を失ったなぁ…と思います。
もう何を言いたいか分かります?
組織の理念=達成すべきゴールは、組織のメンバーの④なしでは成り立たないんです。土台が崩れるから。
大事なことなんで、もう一回。
企業理念の達成には、そこにいる社員が満たされることなしではあり得ないのです。
そしてそれは、理念を実現するための過程にすぎないんです。
でも結果としてついてくるんです。
短期的に理念達成の資金として、売上叩くことも出来ますよ。ノルマや何やらで待遇脅しておけばいいんだから。
でもその結果、かんぽは企業の本質的目標を実現出来ているでしょうか。
すべての人生を、守り続けたいのでしょう。その中にはそこで働く社員の皆さんも含まれているのではないでしょうか。本来であれば。
年賀状だって、枚数出せばいいもんじゃないですからね。
喜んでもらうことは結果である
社員に喜んでもらう=社員満足を高めるには、会社が愛されないといけません。そのためには上記における③が必要。そこを満たすには④が必須。安心して働ける環境ができることで、「経済的(給与、副業も可能等)、安全(自身の生活や制約を理解してもらえる、両立が出来る)」の充実が実現し、そこで初めて③を実現するステージに踏み込めるんです。
これはレゴの家の土台建築といっしょ。
そしてその土台工事は、目的ではないんです。必要十分条件であるというだけ。社の理念を実現するには、まず社が愛されないとダメなんですよ。
好きでもない映画を人に勧めないじゃないですか。それと一緒。
へヴィメタルのギタープレイに関してもそう。
速弾きするのに、いきなりトップスピードで弾けませんよね。まずはフレーズの全体像を理解し、ゆっくりからスタートして指に馴染ませてからでないとイングヴェイとか弾けません。
それと一緒。
話を戻します。
改革=土台工事である
要は、社の理念とは、その組織が果たす社会的な目的であり、存在意義。それを実現することが組織には求められます。ここがぶれて、「社員満足を図る」ことが目的化してしまうとマズいと思うんです。貴方たち、何がしたかったんですか?ってなっちゃうから。
レゴの家だってそう。
家を作るためには土台工事は「通過点」でもあり、最重要視点。言い土台を作る事は目的ではありません。
働き方改革も同じ。あくまでも「土台工事」です。「目的」ではありません。
そしてその土台工事のキーパーソンが、ぼくらがあっちこっちで育てているイクボスなんですよね。
その中で必ず、ボスには伝えています。
皆さんが見ているのはどこですか?って。
・社員一人一人の制約を理解しましょう。⇒なんで?
・誰もが安心して働ける環境を作りましょう。⇒なんで?
そこに気付けた方々は、やっぱりうまくいってますよ。
県内だと〇〇〇〇〇〇〇〇さんとか。〇〇〇〇〇〇〇さんとか。〇〇〇〇〇〇〇さんとか。〇〇市とか。
社員誰しもが働きやすい環境というのは、その過程でもたらされるもの。
裏を返せば、そうした取組を意図して行わなければ、得られないもの、とも言えます
そんな本質的な理解が広まらないといけないなぁ…と、県内で乱立する働き方改革関連の話を見ていて思います。
来年もこのテーマで走り続ける必要性がありますね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?