見出し画像

149 スターウォーズ


はじめに

スターウォーズが最近またホットな話題を提供してくれています。なんと2026年に新作が発表される予定だという話です。
エピソード9「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」から15年後の世界がを舞台となります。ジェダイマスターとなったレイが新たなジェダイの世界を創っていくようです。
今日の教育コラムでは、そんな世界的大人気のスターウォーズについて少しお話してみたいと思います。

武士道とのつながり

「スター・ウォーズ」シリーズは、ジョージ・ルーカス監督が世界を魅了し続けてきた大作シリーズです。この映画の世界観には、日本の武士道の世界観が随所にみられるという話は、とても有名なお話です。
例えば、ジェダイの指導者的な立場としてファンの多いキャラクターであるヨーダも日本の依田さんという苗字からきているそうです。他にも「ジェダイ」という言葉そのものが「時代」が語源ですし、戦士の服装も柔道着に近いデザインになっています。「ダース・ベーダー」のマスクも、より兜を思わせるものとなっています。ざっと紹介しましたが、日本の作品や文化が実はこの世界的な映画の設定に大きな影響を与えているのです。おまけですが、ハン・ソロというメインキャラクターの一人も「服部半蔵」という徳川家康に仕えた実在する人物に因んでいます。
そして、最も重要なのは武士道の精神性とのつながりがこうした表面的なこと以上に深いということです。次にその話をしていきます。

精神性

スターウォーズには、ジェダイとシス(ダークサイド)という二つの立場が描かれています。恐怖や恐れに屈してしまうと、誉を失い、闇に落ちていくわけです。武士道とは、日本の武士の間で大切にされた道徳観だと言えます。 武士は、鎌倉時代に力をつけていくことになります。詫びさびの世界観や儒学思想と結びついていく中で、武士道という概念が完成していきます。 忠誠・勇敢・犠牲・信義・廉恥・礼節・名誉・質素・情愛などがその感覚の重要な要素となります。

互いを理解する

こうした武士道の精神性を理解することは、日本人であっても大変難しいものがあります。ましてや時代も空間も別の設定の中で武士道を作品の中で描こうとすることは大変に高度な表現力を必要とするはずです。
世界的な人気映画のコンセプトに日本の精神性や文化の一つである、武士道が大きな影響を与えているだけでも大変に誇らしいわけですが、この感覚を世界中のファンが共感している点についてはより嬉しさが沸き起こってきます。

新渡戸稲造

スターウォーズでは、愛する者への愛着から生まれる苦しみや未来への恐怖から生まれる苦しみとの戦いが度々描かれます。こうしたものをどう克服するかを説いているのが、実は仏教なのです。つまり武士道は仏教の思想に大きく影響されているわけです。
こうした武士道について、研究した人物がいます。それが、新渡戸稲造先生です。先生の言葉にこのような有名なものがあります。
「武士道は知識を重んじるものではない。重んずるものは行動である」
新渡戸稲造先生は、武士道というものを通して日本の精神文化を英語で紹介した人物です。この本は、世界的なベストセラーとなりました。1920年には国際連盟の事務局次長を務めるなど、国際人として世界平和に尽力しました。一方で女性の教育にも力を注いだ方としても有名です。

新渡戸稲造先生の教育者としての言葉

「尊い人の魂を自由に伸ばさせるには、愛の教育を基調とせねばならぬ。
親心をもって教える教師による愛の学校でなければならぬ。
生徒をかわいがることによって、叱る以上の効果を上げねばならぬ」

これは、新渡戸先生が教育者として残された言葉の一つです。
生徒をかわいがる、愛情を注ぐということの大切さを説いています。何事も重要なことは大変にシンプルで最も難しいことであることをこの言葉を思い浮かべる度に思います。
スターウォーズが好きな皆さん、ぜひ、新渡戸稲造先生の「武士道」も読んでみてください。作品の受けとめ方がまた少し変わってくるかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?