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139 火の鳥 エデンの花


はじめに

今日は、手塚治虫先生の名作、火の鳥がアニメーション映画として近々公開されるという話を知り、改めてこの名作について紹介したいと考え、教育コラムで少しお話ししようと考えました。
まだ読んだことのない人は、図書館でも読めると思いますので、漫画の神様、手塚治虫先生の作品にぜひ触れていただければと思います。

火の鳥

漫画界の巨匠、手塚治虫先生の描く壮大な物語の一つに「火の鳥」という作品があります。不老不死を求める様々な立場の人間が、火の鳥の生き血を求めて旅をし、運命を狂わせ、大切なものに出会っていきます。
伝説の鳥を追う様々な登場人物が、古代から未来へ、未来から古代へとストーリーを展開していきます。時間の流れだけではなく、空間そのものを超越した世界観と想像を絶するスケールで描かれ続けていく物語は、まるで終わりのない予想不能な地球の歴史そのものを描いているような気にさえなります。
時に物語の中では、文明の進化と衰退、科学の罪、生命の進化、についても考えさせられる場面に出会います。この作品は、まさに手塚先生のライフワークだと言えます。

アニメーション映画化へ

全12編にわたる火の鳥のシリーズから、「地球と宇宙の未来」を描いた「望郷編」が初のアニメーション映画化され、11月3日に公開されます。
漫画ファン、アニメファン待望のこの知らせに多くの人が期待を寄せているのではないでしょうか。アニメーション制作は、なんとあのスタジオ4℃が手掛けています。しかも、制作期間が7年と言うことで火の鳥の壮大なスケールと手塚先生の作品の持ち味が最大限に引き出されているのではないかと考えられます。
個人的には、スタジオ4℃のアーティスティックな表現が、火の鳥の中でも表現が難しい内容を含む望郷編をどのように描くのか、とても楽しみです。

どこから読んでもつながる

火の鳥をまだ読んだことがない人へ参考までにお話しすると、12編の内奇数編は、過去に関わるお話で、偶数編は未来に関わるお話、そして、黎明編から始まっているようで未来編でまた黎明編へとつながるような構造になっています。
ですからどこから読んでも、毎回、火の鳥の説明や不老不死についてしっかり語られています。黎明編は、卑弥呼の時代の日本が舞台ですが、次の編では未来編となり、西暦3407年を舞台にしています。同じ世界の違う時代を火の鳥は永遠の時間の中で巡っているわけです。
私自身は、これほどまでに難しいと感じて読んだ漫画は無いという印象を実は持っているのです。鳳凰編はとても分かりやすく親しみやすいのですが、それ以外の編はなかなかどうして面白いのですが、難しいという感覚を持っています。
今読んだらどんな印象を持つのかを楽しみにしながら、もう一度書棚から引っ張り出して映画公開までに読んでみたいと思います。また、今回は、配信と上映でシナリオが少し違うなど、さすが望郷編といったところも楽しみの一つです。

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