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「困難事例」を解きほぐす

援助専門職として対象者を支援する時、どうしても対応が困難だと感じる対象者に出会うことがあります。

そんな時に、この本を読んでみると「困難」とは何なのか、自分自身の捉え方を対象者に押し付けているのではないかと、改めて支援の方法に立ち返ることができます。

そもそも「困難事例」とはどんな事例か、想像してみてください。

・生活の課題はないがひきこもりの人
・家族や支援者が勧める内容を受け入れてくれない人
・生活保護ではないが生活が困窮している人
・同居家族の中に、複数の困難を抱えている世帯
 (認知症の妻とアルコール依存の夫、精神疾患の妻と発達障害の息子 等)

そして、本文の中にある「前提として考えたいのは、誰にとっての、どのような「困難」であるか?」という問いかけ。はっとしませんか?

つまりは、支援の対象者自身が、支援者が解決しようとしている事案を「困難である」と感じていないということが少なからずあるということです。支援者が関わりにおいて「困難」を感じているからこそ、「困難事例」とラベリングされてしまっている場合が多いという内容がとても興味深い視点であると感じます。

そのような視点で対象者を見ていくと、困難事例だと感じていた事例も支援の方法やその人の生き方の支援に個別性が見えてくるかもしれません。

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