意外と知られていないSFの多様性 『新しい世界を生きるための14のSF』書評
アンソロジーというのはどうも読み終えるのが遅くなってしまっていけない。
一つ一つが独立した短編であるため手に取りやすいという利点はもちろんある。しかし、一つ一つが独立しているがゆえに連続して手に取る必要がないというのもまた事実だ。すると、元来読書好きとは言えない私の心には隙有りとばかりにオブローモフ気質が入り込んで、これをしばしば中断させてしまうようである。まったく困ったものだ。
私の記憶が正しければ『新しい世界を生きるための14のSF』に手をつけたのは去年の八月ごろだっ