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中国で最も有望視されていたmobikeの歩み【~創業から売却まで~】

こちらの記事を参考に執筆しています。

ちょうど一年前の2017年3月に、CHINA BANG賞を受賞したmobike。

CHINA BANG賞とは、最新のテクノロジーを活用し、最も爆発的に成長したスタートアップを表彰する賞です。

類似サービスが1年以上先行している中で創業

Mobikeは2016年4月22日に上海でサービスを開始しました。それまでに、類似のサイクルシェアのスタートアップが1年以上先行していたのです。

2016年12月、Mobikeの月間アクティブユーザー数は3135万に達しました。Mobikeは他のサイクルシェア系サービスと違い、UXへの徹底的なこだわりにより他を寄せ付けない速さで成長していったのです。

2016年には、Mobikeは3つのアップグレードを行いました。

中国の23都市で2つのモデル(Classic EditionとLight-Bikeエディション)を導入。

バイクレンタルレポートのデータによると、自転車の故障率は競合のofoが39.3%だったのに対し、Mobikeは26.2%という数字でした。Mobikeのほうが安心して乗れる、というUXへの信頼が醸成されていったのです。

1年間に4回ものファイナンスを実施

2016年3月のローンチ以降、7ヶ月で4度のファイナンスを実施したMobike。

2016年8月には、シリーズB数千万ドル規模の資金調達でPanda Capital、Joy Capital、Sinovation Venturesに加わりました。

2016年8月、Vertex VenturesとSinovation Venturesが加わったシリーズB +資金調達で数千万ドル

2016年9月には、Warburg Pincus、Hillhouse Capital Groupなどが参加したシリーズCの資金調達で1億ドル

2016年10月シリーズC +、ヒルハウス・キャピタル・グループ、テンセント・ホールディングス、パンダ・キャピタル

なんと8,9,10月の3ヶ月でシリーズB,B+,C,C+という4度のファイナンスを成功させるという調達力。

ひたすらUXを磨き続けた2017年

大きな調達を完了していく中で市場の注目度はますます高まっていき、競合の数は爆発的に増加しました。その中でも、ofoとの競争は激しさを増していくばかりでした。

Mobikeは一貫してUXを磨き続けることに専念し、ofo等の競合のとの差別化をはかっていきます。

「郊外のバイクを街に戻す」「街をきれいにする」などのキャッチーな広告戦略に加え、ユーザーが自転車用の駐車スペースを確保し収益化する支援や最適な駐車をしてくれたユーザーへの報酬などの施策を打っていきました。

このような大規模施策を打つための調達も順調に重ねていき、テンセントがリードを取ったシリーズE時には、6億ドルの調達に成功したのです。

これは当時のシェアサイクル業界で最も大きな調達額となりました。

Mobikeの未来

2017年の終わりに、シェアサイクル業界で劇的な変化が起こりました。

ofoがアリババグループからの調達で8億6,600万ドルを受領したのに対し、Mobikeは、37億ドルでMeituanによって買収されたのです。

Meituanは中国版のグルーポンです。

オフラインの店舗や映画館などの施設とコネクションを持っているMeituanとMobikeが一緒になることにより起こってくる好影響は計り知れません。

しかし、Meituanが目立った動きを見せているわけではありませんので、今後どのような戦略を打ってくるのか注目していきます。

この動き次第では、日本のメルチャリなどの戦略も変わってくるのかなと思っております。


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