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MFゴーストを見ていると青春時代の想いが蘇る。

令和の今ならコンプラ的にアウトだが、私は若い頃走り屋だった。

大学に入り2年間必死にバイトして貯金をして、ハタチの誕生日に25万のボロボロのアルトワークスを買った。そして東京に出て就職して、中学生の頃から憧れていたHONDAプレリュードを買った。
プレリュードは思った以上に最高の車だった。最高すぎて今もHONDA車ばかり乗り継いでもう5台目になる。

多摩地区で歯科医をしていた20代の私は、仕事終わりに高速を飛ばして群馬や栃木に遠征した。
群馬といえば秋名山こと榛名山、イニシャルDの舞台である。
夜の空気と缶コーヒー、非日常の速度で流れる窓外の景色を感じながらドライバーはひたすら愛車と対話する。プレリュードは本当に相性がよかったのか、いくら飛ばしても冷静でいられた。

いちどロードスターとバトルになった事がある。バトルといっても喧嘩ではなく、紳士的な競争だ。FRであるロードスターはドリフトで逃げる。プレリュードは4WSで武装したFF。ドリフト気味に小さく回り込み、コーナーの奥をにらみながら曲がりきれるギリギリのポイントでアクセルを開ける立ち上がり重視の走り。。

MFゴーストのメインはもちろん車同士、ドライバー同士のバトルだ。それを見ていると、胸が熱くなる。車と一体になるあの感覚がよみがえる。
 
今ならSNSでさらされて人生終わりかねないが、若い頃の良い思い出である。

あの頃はまだ牧歌的で、警察が来ると走り屋仲間は「しょ〜がね〜な、帰るかぁ」という感じだったし、警察の方々も私達が暴走族でないのは知ってるから、「ほら帰った帰った」という感じだった。

 

MFゴーストのエンディングは、江ノ島の夕暮れをハチロクがゆっくり走っているシチュエーションである。
これは確信犯で、俺たち走り屋は好きな女の子を助手席に乗せてこんな道を走るのに憧れていた! というのを思い出させた。曲もまた良い。なんとも良い。作者のしげのさんが走り屋だったからこその出来なんだと思う。
そんな俺に付き合ってくれた現妻に何度もアタックしては玉砕していた日々が、今となってはかけがえのない財産のように思える。



 ただひとつ言いたい!
 作者のしげのさん、トヨタ車&FR贔屓だからか、ホンダ車&FF車はいつもやられる役なのはちょっと悔しいぞ!

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