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ソード・ワールド2.5シナリオ「ヴォルナークの研究所跡」

はじめに

本記事は「ソードワールド2.5」を遊ぶためのシナリオです。
本記事は「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の二次創作です。(C)GroupSNE(C)KADOKAWA

凡例

太字:読み上げ文章(読み上げることが望ましい)

シナリオ傾向

本シナリオは、ダンジョンアタックシナリオである。プレイ時間は4~5時間程度である。基本的には罠を解き、戦闘をするシナリオになっている。またボス級魔物を討伐するため爽快感がある。参加者は3~4人を想定しており、初心者にお勧めだ。

トレーラー


トレーラー

シナリオの概要

本シナリオはシンプルなダンジョンアタックを想定している。
ダンジョンが苦手な人は遊ぶことを推奨しない。
邪悪な魔術師ヴォルナークのかつての研究所、そこに眠る〈熊の加護柱〉と呼ばれる、伝説的な秘宝を探索するのが、このシナリオの目的だ。

シナリオの背景

このシナリオに背景はない。
アンデットが守る「秘宝」を手にすればシナリオクリアである。

レギュレーション

本シナリオを遊ぶためには、ルールブックⅠ、Ⅱ、Ⅲが必要です。
エピックトレジャリー、モンストラスロアがあると楽しく遊べます。
また本作は通常戦闘を採用しています。

PCの作成レギュレーションは以下の通りです。

冒険者の平均Lv 4~5Lv
総経験点:7000点
所持金:4500G
成長:3回
アビスシャード:2個
名誉点:50点
(アビスシャードは売却可能)

舞台

とりあえずランドール地方にしているが、GMは舞台を変更しても良い。

1.導入

 邪悪な魔導士ヴォルナークは、ある時、蔑まれていたリカント達を救うと嘯き、彼らに近づいた。ヴォルナークの目的は、このリカント氏族に伝わる秘法〈熊の加護柱〉を解剖し研究することだった。当時はライカンスロープと見分けがついておらずルー・ガルーと呼ばれていた彼らは、1年2年の間はそれを信じなかった。3年4年と月日が流れるにつれ、信じてしまった。
 その隙をつき、多くのリカントを裏切ったヴォルナークはリカントの村を一晩でアンデットの村へと変えてしまった。そして1人、密林の奥にある研究所に引きこもり、研究にいそしんだ。しかし、この秘宝はリカントにしか効果を発揮しないと知り、ヴォルナークは「守護者」を置き研究所を廃棄した。

 これはランドール地方、南部に伝わる御伽噺である。そして君たち冒険者は何の因果か、その研究所の遺跡を発見した。冒険者の遺跡探索は早いもの勝ち、そして遺跡は荒らされていないように見える。冒険をするには格好の機会だ。

導入のシーンです。以上のあらすじを語り、冒険者達は遺跡前にいる所からスタートです。この遺跡前にいる背景をPLに語らせるのが良いでしょう。
例としては以下の通りです。

*熊のリカントであり、秘宝を取り戻すため
*冒険者ギルドからの依頼で来たため
*旅の途中で、たまたま立ち寄ったため

なお、遺跡周辺、半径5kmには〈祖霊の加護〉があります。
熊のリカントは獣変貌時に筋力ボーナスが+2ではなく、+3になります。

2.ダンジョン内部


地図


①遺跡の入り口
PCたちは、ヴォルナークの研究所跡の入り口に立ってる。厳かな石造りのアーチがPCを迎え、その先には暗がりが広がる。風がそよぎ、どこか遠くで不気味な鳥の鳴き声が聞こえるだろう。

 ここは遺跡の入り口です。特筆すべきことはありませんが、ここを通り過ぎると、魔法結界が入り口を覆います。これは侵入者を逃がさないためのヴォルナークの罠です。もし結界を打ち破りたいのであれば、ディスペル・マジック(21)を行って下さい。

②広間
この部屋は広間だ。広間には高い天井があり、壁には古びた絵画や錆びた武器が掛けられており、床には埃が積もっている。中央には大きな石の台座が置かれ、その上には奇妙な記号が彫られ、何かを示している。

 広間です。埃はしばらく侵入者もいないことを示しています。大きな石の台座には「@」マークが掘られています。このマークを解読するには見識判定(12)が必要です。このマークはヴォルナークの居城であることを示しており、御伽噺の信憑性が増したことをPCに伝えても良いでしょう。

 また探索判定(14)に成功すれば、まだ使えそうな武器を選定できます。見識や宝物鑑定判定でも代用できます。武器は1本50Gの値段です。

③魔法実験室
魔法陣と本の広がる部屋だ。テーブルの上には古びた書物や試験管が置かれ、魔法陣が床に描かれている。部屋の隅には壊れた実験装置があり、壁には変わった形状の結晶が輝き、不気味なエネルギーが室内を満たす。結晶からは、時折微かな音が聞こえてくる。

 この部屋で不用意に物に触れた場合、アラーム(ラッパの音)が鳴り響きます。罠感知判定(15)、探索判定(13)に成功すればこのことを察知できます。解除判定(12)はスカウトが行えます。スカウトツールは必要ないです。アラームが発動する、もしくは結晶に触れると敵が出現します。戦闘を行って下さい。

・ガストナイト(Ⅰ、462頁)×(PC人数)

戦闘指針
*PCたちから5mの地点にガストナイトは配置して下さい。
*ガストナイトは一番近いPCに接近して攻撃します

 戦闘が終わった後、魔晶石(5点)×3を入手できます。戦闘を行わなくとも、探索判定(14)で発見できます。また、この部屋には地図があります。

④ポーション調合室
その部屋は棚には色とりどりの薬瓶が並び、奇妙な香りが漂っていた。ドロドロに腐った液体が大鍋に満たされており、乾燥した草花がテーブルに散らばっている。

 腐った液体を呑むと、「8」点の毒属性ダメージを6ラウンド受けます。また乾燥した草花は使い物になりません。これらは見識判定(12)に成功することで解ります。
 探索判定(10)、(12)、(14)に成功すると棚の薬瓶から使えそうなものを引っ張り出せます。それぞれ〈ヒーリングポーション×5〉、〈魔香水×3〉、〈デクスタリィポーション×1〉を入手できます。


⑤動物実験室
部屋には奇妙な吠え声が響く。檻には奇怪な生物や異形の動物が閉じ込められており、室内には奇妙な器具や手術用の道具が置かれ、部屋の奥には大きな鏡が掛かっいる。鏡に映る景色はどこか異次元的であり、覗き込むのも躊躇われる。

この部屋に入ると、改造された動物が檻を壊し、攻撃してきます。
戦闘開始です。

・グリズリー(Ⅲ、358頁)×1
・リザードフライ(Ⅲ、358頁)×2

 この動物は改造されています。HP、MPがそれぞれ5ずつ増加しており、姿形も異形のものと化しています。また半魔法生物化しており、飲食無しに生存することが出来るようになっています。(飢餓感は残る)
 戦闘が終われば、安全に部屋を探索できます。探索判定(12)に成功すると、希少な魔法道具(1200G/黒S)を見つけます。

 なお、鏡は罠です。覗きこんだ場合、危険感知(11)を行って下さい。失敗した場合、鏡が爆発します。爆発半径は10mです。威力は「k20@10+7」点の炎属性魔法ダメージです。精神抵抗力判定(14)に成功した場合、このダメージを半減できます。

 罠に気づくには探索判定(10)が必要です。解除判定(10)に成功すれば無害になります。また、鏡に隠された「爆弾」を入手できます。
これは投げつけると、「精神抵抗14/半減」「1エリア/20体」を対象に「k20@10+7」の炎属性魔法ダメージを発生させます。


⑥庭園
その部屋は室内にもかかわらず草木が乱れ、奇妙な植物が咲いている。中央には古びた噴水があり、静かに水が流れていた。庭には小鳥や蝶たちが飛び交い、天井の隙間から陽光が差し込んでいる。
ダンジョンに見合わない穏やかな空気だ。

 ヴォルナークの憩いの場であり、何もない安全な空間です。3時間、もしくは6時間の睡眠を取らせると良いでしょう。もし、PCたちが疑うようであれば、探索判定を行わせましょう。結果にかかわらず、ここは安全であるとPC達も解ります。

⑦死体安置所
ここは死体安置所のようだ。冷たい風が吹き抜け、光が届かない暗がりが部屋を包み込んでいる。棚には様々な遺体が置かれ、荒れた布で覆われいた。背筋の凍るような気配が室内に漂っている。

 この部屋を通る時、危険感知判定(12)を行わせて下さい。失敗した場合、起き上がったアンデットに不意を突かれます。このアンデットたちはリカントであり、ヴォルナークに殺された後、この遺跡の守護者として配置されました。またその身体には改造跡があります。

・アダポシア(Ⅲ、376頁)×(PC人数)

戦闘の指針
*脳を改造されており、これらの知能は「低い」になっています。
*松明や火を持つものを避けて攻撃を行います。
*回避力が-1、命中力が+1、ダメージが+4の改造を施されています。

⑧解剖室
大きなテーブルの上には解剖用の道具や手術刃が置かれ、奇妙な形状の臓器が並べられている。壁には人体の断面図が描かれ、薄暗い明かりが部屋全体を照らしている。

解剖室には魔物の素材が雑多に並べられています。
判定の必要なく以下のものが手に入ります。
・鋭い爪(120G/赤A)
・獣人の体毛(200G/赤A)
・魔力を帯びた骨(250G/金赤A)
・ゼリー状の物質(100G/赤A)
合計:620G分

また、魔物知識判定(10)、(12)、(14)に成功することでさらに以下の素材を順番に手に入れることが出来ます。
・悪魔の血晶(800G/赤A)
・毒々しい花(500G/緑A)
・極上のワニ皮(2200G/赤S)
合計:3500G

⑨魔術師の私室
部屋には赤い、レッドカーペットが敷かれており、他の部屋と違って整然としていた。本棚には古びた書物や封印された巻物が並べられていた。大きな机には古びた筆記用具や地図が置かれ、壁には奇妙な宝石や魔法の道具が陳列されている。これだけでも冒険者には一財産だ。

 この部屋はヴォルナークの私室です。この部屋で引き返しても文句は言われないほどの宝があります。宝石8個(合計2000G)が無造作に置かれており、ヒーリングポーション+1、20点魔晶石がテーブルの中にしまわれています。
 また探索判定に成功した場合、ミスリル(2600G/金S)を入手できます。

➉宝物庫
高い扉が開かれ、宝物が輝く部屋が広がる。宝石や貴金属、古代の武具が室内に並べられ、壁には不思議な光を放つ宝箱が陳列されている。
部屋の奥にはトーテムがあり、厳かな雰囲気を放っていた。

近づくとクライマックスへ移行して下さい。
ボス戦闘です。

3.クライマックス戦闘

宝物を得ようと近づく冒険者達、その前に骨が舞う。
宝物の影から、アンデットたちが現れた!!

前線エリア

スケルトンガーディアン(Ⅱ、412頁)×1体
スケルトンアーチャー(Ⅱ、409頁)×PC人数

*スケルトンガーディアンには、〈剣の欠片〉が5本入っています。
*敵は攻撃対象をランダムで選択します。

 戦闘に勝利すると、部屋の奥にある〈祖霊の加護柱〉を入手できます。これを手にすると、ダンジョン内の敵やトラップは無力化されます。
 また、PC×2000Gの金銀財宝、PCは1人1個、好きな3000G以内の武器防具が入手できます。〈祖霊の加護柱〉を冒険者ギルドに納付するか、そのまま持ち帰るか選択することが出来ます。納付した場合、300点の名誉点を得ることができます。これにてシナリオ終了です。お疲れさまでした。

リザルト

経験点:1000点+(魔物討伐Lv×10)+(ピンゾロ数×50)
報酬:戦利品分
名誉点:〈剣の欠片〉個×1d+ボーナス

あとがき

 夏コミが終わって、無事に投稿できました。この半年+夏コミでシナリオを書くことにも随分と慣れてきましたね。最近は忙しくて、シティとかストーリーが大きいものを書けてない感覚があります。やっぱ、重たいものは時間を取らないといけないですね。

 さて、AIは前回使わねぇ!!と言いましたが、部分部分によっては、使える部分があると考えています。今回はAIをダンジョンの①~➉の描写にのみ絞って作りました。AIの出力を元に、僕が加筆修正という感じですね。
 時間が短縮でき、かつ質も落ちないのでこういう使い方がbetterですね。今回の作業時間2時間ほどでした。

 あと今回はアーケインレリックの罠と秘宝を存分に使ってみました。拙作の「魂喰らいの迷宮」とも繫がってる部分もありーの、ちょっと上手く作れたなという印象があります。

次回は9/20に投稿予定!!ハンドアウトソドワですわね。
夏コミで良い参考資料も手に入ったので頑張りやす!!

*8/24、あまりに難易度が高いことに気づきました。ちょっと下げます。

出所表示

 地図画像は「One Page Dungeon by watabou」、トレーラーは「AI Picasso」で生成しました。

TRPG。中でも特に『捏造ミステリーTRPG赤と黒』が非常に好きです。