【高橋“SUBMISSION”雄己選手インタビュー付き】コンバット柔術バンタム級トーナメント2023の感想

みなさんこんばんは、まごっとです。
コンバット柔術(CJJ)のバンタム級トーナメント、ご覧になりましたか?!
以前そちらの事前解説記事を書いたので、ぜひ比べて本noteを読んでいただけると嬉しいです!


当たっていた注目選手と激戦

そちらのnoteでは注目選手と警戒度を挙げていましたが、基本的に当たっていたと思います。
しかし、ちょっと予想外だったのは

①Elias Andersonの欠場
まさかの前回王者が欠場でしたが、グラップリングにおいて欠場というのはあるあるなので驚きではありません!笑

②Gabriel Daffronの躍進
本noteでは挙げていませんでしたが、前回のECIに続き調子がよく、Manny Vazquezに勝ったのは驚きでした。

③ノーマークのZack Schneider
まさかの逆サイドで決勝まで進みました。

でした。
そして、良い選手が多くて、激戦続きだったと思います。

トップゲームが強いCJJとDorian Olivarez

また今回、やはりCJJのルールではトップゲームが強いなと思いました。
というより、トップゲーム×CJJの相性が良い!
それを体現したのが、優勝したDolian Olivarezでした。
ゴリゴリのレスリングエリートで、当然足関節対策は万全、トップゲームを常に選択し掌底を使いながらうまくそのトップゲームを完遂するスタイルはCJJとしての一つの完成形だなと思いました。
高橋選手との試合では掌底が結構えぐくて、途中止まるかなと一瞬ヒヤっとしました。
そして、Dolian Olivarezは基本的に試合での動きのギアの入れ方が違うなと思いました。
「一つ一つの動きが早い」というよりは、試合全体のペースメイクの速度が早くて、ガンガン動いて作っていく印象を受けました。
私の認識だと、そういう選手にはある程度ペースメイクの速度を合わせる必要があって、こちらがペースについていかないと決心した瞬間に飲み込まれるので、相手するとすごい地獄です。
Dorian Olivarez VS Richard Alarconはそのペースの速度がお互い譲らずで、非常に良い試合だったと思います。
特にRichard Alarconがアナコンダを極めかけたときは驚きました。

やっぱり大事、スタミナ

非常に明暗が分かれたなと思ったのが、一戦目です。
一戦目サクっと極めた人とフルに時間を使った人がいて、二戦目に影響が大きかったと思います。
いくら休みの時間があるとは言え、合計10分くらい試合をするとちょっとやそっとでは取れない疲れが溜まって、絶対二戦目に影響します。
特に高橋選手は一戦目フルで戦って、Dorian Olivarezは1分くらいで極めていたので、「これはやばいな」と思ったらやはりそうなったと思いました。

高橋“SUBMISSION”雄己選手インタビュー

なんと、高橋選手にテキストインタビューをお願いしたら快く引き受けていただきました。
おそらく本noteは高橋選手にインタビューができた唯一の個人ブログでしょう、ありがとうございます!
ということで、私が気になった質問を聞いてみました。

Q1.大会終わって全体的な感想をお願いします。
A1.ルールセットがかなり特殊だった事も含め、技術的、キャリア的に致命的な頭打ちになっているわけではないので、そこまで打ちひしがれてはいません。 負けたのでお世辞にも虫の居所がいいとは言えませんが(笑)
遠征トータルでみて、コンバット柔術で辛酸を舐めた事を差っ引いても得たものはあったかと。

Q2.本noteでは「掌底・スタミナ・OT」を重要なポイントとして挙げていましたが、実際戦ってみてこちらに関しての感想をお願いします。
A2.僕の結果としては全くその通りになりました。

初戦 僕のレッグアタックが相手の巧みなディフェンスに阻まれてお互い決め手を作れず、最終的に終了間際にトップ選択をして鳩尾へのボディパウンドで相手をグロッキーにさせた僕がOTで勝利。

準決勝 初戦をフルで戦ってスタミナを消耗した僕が初戦を早めに決めた相手に掌底とパスのプレッシャーで削られてバック取られ敗退。

といった形で。素晴らしい見立てです。
スタミナと掌底について更に付け加えるならば、トップを取れる選手が掌底で相手のスタミナを削れる、仕掛けを潰せるので強いですよね。

Q3.一戦目Lucas Cantoの感想をお願いします。(事前の作戦・想定と違ったこと、など)
A3.ドリアンからトップ取れる見込み薄とみて、2回戦にスタミナを要する事は覚悟だったので秒殺予定でしたが、想定より遥かに上手かったです。

茶帯のIBJJFノーギの世界の今のトップの人らしいですが、世界には同じ階級にまだこういうレベルのヤツがうようよいるというのは嫌気がさしますね。

Q4.二戦目Dorian Olivarezの感想をお願いします。(事前の作戦・想定と違ったこと、など)
A4.認識が甘かった点は、近いパスに対してラバーかチョイバーの仕掛けは簡単に作れると思っていた点。 そこを防がれたところで、下にいれば掌底の弾幕を浴び続ける状況下でのゲームメイク、スタミナ配分の手段を失ったと思いました。

ぶっちゃけ個人的には、自分の強みは足関節なんかよりもゲームメイクの上手さだと思っていたりもするのですが、逆にロジカルに勝ち筋が薄いと判断すると早く諦める悪い癖があるので、あそこはゲロ吐くくらいまで強引にスタミナ使って極めにいってみても良かったかな、とは思いましたが。(笑)

コンバット柔術に非常に適した選手だと思いました。 あのルールセットで彼を、一発極める可能性はあれど、ドミネイトして勝ちきるのはかなり至難の業かと。

Q5.Dorian Olivarez戦は、下を選択して足関節を狙った高橋選手とB-TEAMらしいトップから攻めるDorian Olivarezのメタのぶつかり合いに見えました。こちらに関して感想をお願いします。
A5.単に立ち技付き合ってバック取られたり、テイクダウン際にパスられたりするリスクを嫌っただけです。(笑)
あのルールだと所謂B-TEAM 式グラップリングメタが正解です。

ただ、グラップリングメタの話は、今は色々考えて、ピュアグラップリングなら軽量級のサブオンリー戦はジャンケンだな、と思ってます。下がいいとか、上がいいとかでなく。
トップ、ボトム、スタンド、ダブルガード、スクランブル…自分が相手より強いところ、相手が自分より強いところ、試合中に展開が回転するなかで、結果的に試合終了時に、ジャンケンでの勝敗が勝ち越している事が、判定でもその後のOTにいく際のスタミナ配分でも大事です。
つまり、軽量級の自分としては、もっと強い局面を増やして相手に応じて出し入れ出来るようになっていきたいです。

Q6.高橋選手のファンや日本のグラップリングファン、本noteの読者などに今後の抱負などお願いします!
A6.次戦の交渉はぼちぼち進めています。また本職の普通のグラップリングに戻りますが、今回の経験と敗北の苛立ちも糧にまた頑張ります。

次戦決まったらまたパンツスポンサー募集しますので宜しくお願い致します!


いかがだったでしょうか。
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