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スナノラジオ
2014年11月12日 02:44
言葉がばらばらに弾けていくところを見ていました。風になびいて空高く舞ってゆくのです。彼が何を言っているのかぼくには殆ど理解できませんでした。単語のひとつひとつがどうしても繋がって聞こえないのです。だから、ばらばらに弾けるのを黙って見ていました。言葉は濁った白色です。半透明のちいさな風船のように見えます。雨は降るのに、言葉は浮かびます。言葉は雨水より軽いのでしょうか。彼はぼくに対
2014年11月5日 00:51
彼女の睫毛がゆらゆら揺れるところを見ていた。11月の冷たい風が西向きの窓から吹き込む。彼女はブルーのゴムボールで遊ぶ二人の子どもを興味深げに眺めている。特に左側にいる子が気になるようで、その子がボールを後ろに逸らしたり取り損ねたりするたびに「あ」と声を漏らす。出来の悪い子の方が気になるのだ。僕もそのようにして選ばれたのだろうか。僕は思わず揺れる睫毛に手を伸ばした。彼女は少しだけ驚いた顔をしたが、僕