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第1回ローカルモビリティサミットin西粟倉に参加して

第1回ローカルモビリティサミットが西粟倉むらまるごと研究所/にしあわくらモビリティプロジェクトの主催にて開催されました。
オンラインで開催されましたので、ご興味のある方はぜひこちらをご覧ください。

このサミットに本当わずかですがお手伝いさせていただきました。というのも、猪田さんの紹介記事を書かせていただいたことがきっかけでもあります。

さらに猪田さんには昨年石川県能登島に同じLDLメンバーで、七尾市議会議員の高橋まさひろさんの元へ伺い、コムス試乗、それから能登島での活動をお聞きする機会にお誘いいただきました。

まず、ローカルモビリティサミット開催にあたって、猪田さんが話されていたことが素晴らしかったので、下記ご紹介させていただきます。

モビリティサミットのテーマは「地域のかかわり代を増やし、モビリティの生態系を豊かにする」ことです。関わり方は関わる余地ということですよね。日本全国地域で暮らす人々は本当一人一人、いろいろな状況、さまざまな状態です。その皆さんが動くを楽しむことがずっとできるようにするためにその選択肢を増やすこと、そのためのかかわり代を増やすことを目指しています。そこに登場するのはいわゆるマイカーばかりではないですよね。今、もしかしたらまだ無いもの、ちょっとあるものみたいなものいろんなものが生態系として、豊かに広がっていく亜種なんかもあるかもしれませんがそんなことをみんなで考えていけたらいいかなっていうことを思っています。

「基調講演-地域モビリティいくつになっても動くを楽しむことができる地域社会を目指して」より

■ 私がなぜモビリティに興味を持ったか?

私がモビリティに興味があるというよりも、DMOに携わっていたときに二次交通を協議する委員会があり、事務局として携わっていました。そこで思ったのは確実に二次交通の問題は深刻化の一途だということでした。飲食業の方から冬で足元が悪く、タクシーを呼ぼうとしたら2時間待ちと言われた。タクシーはもっと増えないのか?ということでした。

交通事業者さんと話す機会があり、タクシーが増えない理由もお聞きすることが出来ました。先ほどのタクシーを呼ぼうとしたらすぐ来なかったのは、エリアを回遊している台数が限られているからであり、その台数は片手で数えるほどでした。つまりは恒常的な利用がないので、こうみんなが使いたいときに集中するだけで、以外の日は暇なのです。結果的にドライバーの所得はインセンティブ性でありがちなため、募集をかけても集まらないというわけです。運転手さんも高齢化し、若い人が職種として選ぶようなものではない状況なんだろうと思います。

路線バスやタクシーなど公共交通が利用頻度が下がった理由は、宿泊施設が宿泊サービスの一環として行うようになったことも要因にあると思います。そしてスキー場やアウトドア事業者などでも白ナンバーで無償送迎を行うようになり、路線バスやタクシーが使われなくなっていったのではないかと思うのです。

日本中で二次交通が疲弊しているのは、幹線道路の発達、車の機能発達もあると思うのですが、送迎をサービスとして無償で行うことは、事業者がその費用を負担しているということです。

私がDMOに携わっていた際に、観光地で期間限定の循環バス事業において、宿泊事業者さまに生意気にも「お客様にこちらを利用してもらうようお話をして、送迎を辞めないんですか?」とお聞きしたことがありました。
回答は「周りがやっているから辞めるのは難しいんだよね…」と周囲と比べてサービスが劣ってしまうことへの懸念からでした。

また、とあるスキー場では送迎だけで1シーズン千万単位で費用がかかることに頭を悩ませているとお聞きしました。今年はガソリン代が高騰し、さぞかしご苦労されたんじゃないかと思いました。

委員会ではUberの導入などの話が出ましたが、私自身はどんなにモビリティを増やしても根本的な問題を解決しなければ、どう考えても解決しないと思っています。とある観光地では、路線バスの停留所を宿泊施設や観光施設に作り、維持しているという事例も聞いたことがありました。そのくらい共存しなくては維持できるものではないと思うのです。

■ 公共交通を稼ぐ仕組みにするためには

今回のモビリティサミットのテーマ「地域のかかわり代を増やし、モビリティの生態系を豊かにする」は重要なことだと感じます。今回のサミットでは、モビリティサポーターやモビリティセンターということも出てきます。つまりはMaaSを人的に案内するというものです。MaaSは若者などITリレラシーが高い人がメインになるのでしょうが、そうは言っても高齢の方など免許を返納した方へのサポートは人が介在した方が良いのはとても理解出来ます。なので、猪田さんは福祉領域もモビリティと組み合わせて活動されていらっしゃいます。

また、八ヶ岳でマウンテンタクシーという事業を取り組まれている事例の発表もありました。旅行業を取得し、山小屋と駅からのタクシーをセットにしたプランを造成していることでした。つまりは稼ぐ事業を行っていらっしゃいました。

ちなみに私は秋山郷で登山をしたときにデマンドバスを予約して、バスを乗り継いで越後湯沢駅まで行ったのですが、デマンドバスの料金が30分乗って250円くらいだったことに事業が成立しているのか驚きを隠せませんでした。自治体から補助金を受けながら路線を維持していくことには限界があると思うのです。だからこそ、どうしたら稼ぐ形を作れるかが課題だと思います。

モビリティは環境面でも影響があるのです。昨年の石川県能登島に行った際に、高橋まさひろさんの言葉が今でも忘れられないのですが、「日本はSDGsやら環境破壊だといいながら何トンもある車をこれだけ走らせていることがどれだけ地球に負荷をかけているのかが分かっていない。コムスを1台導入するだけで、その負担が軽くなるよね」と。単純にEV車を普及させるのではなく、自動車が走ることによって環境に与える影響を軽減できます。
EV車が増えていく中で、コムスサイズの一人乗りやファミリーカーなど、家でどういう車の構成にするかというのもモビリティサポーターやモビリティセンターの今後の役割になるのかもしれないと思いました。

ディーラーに行って、勧められるがまま、イメージやカッコよさなどで車を選ぶのではなく、どのくらいの頻度や距離で乗車するか?また何年後かにくる買い替えも配慮した上でライフサイクルにあった車を選ぶ手伝いも役割になるのかなと思います。

とにかく見どころ満載なので、動画のアーカイブをぜひご覧いただきたいです。ここでは書ききれませんでした笑。


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