Daiki Nagamine

研究者/公認心理師 健康心理学 研究紹介や備忘録など daiki.13.ng[at]g…

Daiki Nagamine

研究者/公認心理師 健康心理学 研究紹介や備忘録など daiki.13.ng[at]gmail.com https://researchmap.jp/d.nagamine https://sites.google.com/view/daikinagamine/home

最近の記事

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スライドはカンペじゃない

研究をやっていると自他問わず多くの発表の機会に出会う。 一目で内容が頭に入ってくるもの, 文字まみれでよくわからないもの, 伝えたいことが伝わってくるもの, 抑揚もなくお経を読むようなもの, 様々である。 さて自分の発表はうまく伝わっているのだろうか。 と思い立ち,3月にデザイン関連の本,サイトをあさってみた。 今回の記事の内容は2つ。 デザインについて勉強したことのアウトプット オススメの本紹介 自分が大学院生なので院生に向けて書いているが, 学部生,社会人にも

    • おやつ論文|育児と経済状況と親の健康

      講義関連で読んだ論文に面白いものがあったので紹介。 …という表向きの理由の裏で,今月はネタがないから講義で読んだ論文を流用してしまおうという魂胆がある。 今回は「幼児期の子育てに影響を与える要因を疫学的に検討してみた」という内容(Waylen & Stewart-Brown, 2010)。 論文のタイトルは, 「Factors influencing parenting in early childhood: a prospective longitudinal stud

      • ホームページを開設しました

        夏休みの日記やこづかい帳のような,頻繁にやらないといけない事務的なことができない子どもだった。二十数年経ち,大人という分類に入れられる歳になった今でもそういったことが苦手なままで,人から「面倒くさいが口癖だよね」と言われるようなだらしない人間に出来上がってしまった。 noteを始めた時,果たしてこれは続くんだろうか?ツイートですら1ヶ月に1回以下なのに…とは思っていたが,なんだかんだ続いている。 一方noteを始めたころ,ホームページを作ると仕事が入ってきたりするからいい

        • 統計|SEMのモデル比較—尤度比検定―

          できれば毎月最低一記事はアップしよう,とは思っているがなかなかそうもいかない。昨年の9月まで毎月続けていた更新がとうとうストップし,10・11月はさぼってしまった。しかも9月まで11ヶ月連続だったのに12ヶ月手前で途切れてしまっていた。悔しい。 までも1年連続やってたらバーンアウトしてたかもしれないからちょうどいいのかなと思うことにしたので,今年もなんとか頑張って更新しようと思う。懸念はネタがないことかな。 さて今回は構造方程式モデリング(SEM)のモデル適合に関する記事を

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        スライドはカンペじゃない

          学会|日本健康心理学会 第36回

          日本健康心理学会第36回大会でポスター発表をしました。 (2023年12月2日-3日) タイトルと概要は以下の通りです。 タイトル Proactive copingと過去・現在・未来に対する見解との関連 概要 Lazarus(1984)のストレス理論では,ストレスコーピングの1次的評価で現在の感情・情動が影響すること,2次評価ではストレッサーのコントロール可否の判断に過去の経験や能力が影響していると述べている。ポジティブ心理学における新たなコーピング理論であるProac

          学会|日本健康心理学会 第36回

          おやつ論文|退職と心血管疾患の関連

          研究職として給与をもらえるようになってから早一年となった。ここ1, 2年,ときどきキャリアの締め方を考えることがある。 お世話になっている先生に,「周りの先生方の説得力のある経験と業績を見ていると自分はこうなれる気がしない」などと泣き言を放ってみたが,「まだ早すぎだろ,業績作ってから不安になれ」と一蹴されてしまった。ごもっともである。 中学生か高校生の頃か忘れたが,朝ご飯を食べている最中に「晩御飯何食べたい?」と母親に聞かれたことがある。「朝ごはん食べている時に晩御飯のこ

          おやつ論文|退職と心血管疾患の関連

          統計|時系列から因果関係を見る―手順編―

          以前,交差遅延効果モデルについて概要と媒介分析を説明をした記事を書いた。今回は書こうと思いつつもしばらく放置していた続きの内容。 交差遅延効果モデルを分析するまでの手順をメモしてみた。 交差遅延効果モデルの手順手順としては以下の通り。 記述統計と信頼性係数を算出する。 脱落者(欠損データ)の分析をする。 全変数で相関分析をする。 各尺度の因子分析(CFA)をする。 交差遅延効果モデルを作って分析する。 制約をかけてみる。 媒介分析をする。 1.記述統計と信

          統計|時系列から因果関係を見る―手順編―

          みんなのフォトギャラリーとやらにアップしてみたい

          noteを使いはじめてからたぶん2年くらいたつんだけど,他の人の見出し画像を借りられること,借りた画像の作成者名が記載されることをいまさら知った。 自分の作った画像使われてるとこちょっと見たくね!!?と思ったので,それ用にアップする記事です。 いつも使っている記事の見出し画像ですが,研究の休憩にパワポで遊んでいた時にどうせならと作った画像を使っています。 たぶんもう増えないけど今度増えたらここに追加していきます。 ついでにこんな記事もやってます。よかったらどうぞ。

          みんなのフォトギャラリーとやらにアップしてみたい

          論文|小規模事業所におけるトラックドライバーの労働環境・健康管理の実態調査

          D1かD2の時,SNSには中高の同級生や先輩後輩が結婚出産とライフステージを進める様子が頻繁に流れるようになった。じゃあ論文出したら出産したってことにしよ。という話をしたら鼻で笑われたことがあった。 ということで,完全に我が子の紹介を忘れていました。筆頭論文が出版されたので報告です。 論文タイトルは以下の通りです。 小規模事業所におけるトラックドライバーの労働環境・健康管理の実態調査 A survey on working environment and health

          論文|小規模事業所におけるトラックドライバーの労働環境・健康管理の実態調査

          学会|日本労働科学学会 第4回大会

          日本労働科学学会第4回大会でポスター発表をしました。 (2023年7月1日-2日) タイトルと概要は以下の通りです。 タイトル 小規模事業所におけるトラックドライバーの健康管理の検討――事業用と自家用の比較―― 概要 従業員数が30名の小規模事業所で働くトラックドライバーを対象に,健康管理の実態について調査をしました。職業トラックドライバーには運輸業(緑・黒ナンバー)と非運輸業(白・黄ナンバー)が存在し,業種によって管理の仕組みが異なっています。本研究では,ドライバーの

          学会|日本労働科学学会 第4回大会

          おやつ論文|カレーは飲み物

          最近,咀嚼関連の研究を漁っていて,ついでに自身の生活も見直しはじめた。 ついでというか先行研究から「生活変えろよ!」と圧を受けている感じがして…,見事にセルフの情報提供による行動変容を体験している。とはいえ量減らして麦飯始めてちょっと咀嚼回数意識し始めただけなんだけど。 今回は「現代人は咀嚼回数が減っている」という内容。 いろんなところで記事にされているから正直書く必要はないんだけど,メモかつ,ある理由があって書くことにした。 ということで,咀嚼研究メモの後に本題に関

          おやつ論文|カレーは飲み物

          おやつ論文|毎日8000歩はキツい!

          先日,普段は目に入らない体重計がやけに気になり,(たぶん)半年ぶりに乗ってみた。 4kg増えていた。 数字を二度見した。 乗るべきではなかった,いや,これはチャンスと捉えよう,乗って良かった。高校卒業~博士課程まで体重変動が1~2kgだったので,そういう体質なんだと思って高を括っていた。 ということで都合よく運動するのにちょうどよさそうな論文が流れてきたので,読んでみようと思う。 論文のタイトルは, 「Association of Daily Step Patter

          おやつ論文|毎日8000歩はキツい!

          国立国会図書館に墓を建てる

          「父さんが死んだら墓石は変な形にしてほしい」 私が小さいころ,石材屋の横を車で通り過ぎながら父が言ったのを今でも覚えている。たぶんそれが,弔いに対する価値観の基礎になっているのかもしれない。 墓は何のためにあるのか。 供養とか先祖との繋がりを保つとか,いろいろな説明があるんだろうけど,人が存在したことを証明するためというのが本質だと思っている。 少しエゴを含めた言い方をすると,自分が存在したことを証明できないのが怖いから,他人の存在証明として墓を作る。そうすれば自分が死

          国立国会図書館に墓を建てる

          博士課程を修了しました

          2023年3月20日 修士課程入学から6年間お世話になった大学院を修了した。 2016年8月,大学4年生の夏,ゼミの先生と部活の先生に大学院進学を相談したことがはじまりだった。あれからずっと研究をすること,そしてそれを生業とすることに憧れをもってひたすらに頑張ってきた。 博士号は「足の裏の米粒」と言われることもあるけど,自身の成長を強く感じられる良い期間だった。とってよかった,というかとろうと努力できたことが良かった。 修了とはいえ,達成感や嬉しさのようなものはあまり

          博士課程を修了しました

          おやつ論文|イヤホンの音量

          新型コロナウイルスが流行し,画面を見る時間が長くなったという人が増えた。(引用めんどいので省略) その影響かブルーライトカット眼鏡や目薬のようなアイケア製品の売り上げが上がっているらしい。 確かに目のケアは重要だ。 でもそれだけで大丈夫? 最近では耳の健康にも注目しようという動きがある。例えばオーディオメーカーも「セーフリスニング」機能を搭載したイヤホン・ヘッドホンを出し始めていて,少しずつ世間に広がり始めている(SONY,YAMAHA)。 今回は,「イヤホンの音量上

          おやつ論文|イヤホンの音量

          おやつ論文|スマホ使用で握力低下?

          昨年の夏ごろ,研究室にグリッパーを持ち込み,毎日キコキコ握っていた。 生物としてある程度の戦闘力が欲しい,けど格闘技を習うお金も時間もやる気もない,じゃあ序盤で相手の戦意を喪失させられるであろう握力を付けたらいいんじゃないかと思い至ったことによる行動だった。 理由を人に話すとあからさまに(何言ってんだこいつ…?)という顔をされる。 そんなことはさておき,今回はスマホやパソコン等の機器使用が握力に影響するか検討した論文(Fain & Weatherford, 2016)を

          おやつ論文|スマホ使用で握力低下?