最近の記事

「Y2K」や「平成レトロ」に惹かれる理由、あらゆる流行の根源的原因の考察

 タイトルでは「Y2K」や「平成レトロ」といった個別具体的な流行の通称を挙げたが、今回の記事で考察したいことは、もっと普遍的な内容だ。 その問いは、「人がある対象に対して『良い』『イケてる』と感じる根源的な原因はなんなのだろうか?」ということだ。 「ある対象」といったが、ここではあらゆる概念を広範に取り扱いたい。 ファッションのスタイルや、グラフィックデザイン、映像や絵画などの視覚的なものから、音楽などの聴覚的なもの、物語などのいわゆる感覚的なものまで、あらゆる『イケてる

    • 故郷から1万キロ、異国語の飛び交う歯医者にて

       治療室にいた。これからどんな治療が行われるかわからないまま、施術椅子に座らされていた。  ドイツに移り住んで早1年と少しが経ち、日常会話はほとんど問題なくできるようになった。 生活の中でドイツ語がわからなくて困ることはなくなり、友だちともかなりたくさんのことを話せるようになった。  だから、医者に来るとこんなにも不便することに驚いた。日常の中で使う言葉はわかっても、歯医者で使われる言葉は全然わからないということにそこで初めて気がついた。 「虫歯」や「親知らず」などの基本

      • ピクニックにちょうどいい本とか持ってない

        ピクニックをしようという提案を受けた。 金欠の自分にとってはとてもありがたいプランだ。 各々家で用意したサンドイッチやコーヒーを持ち寄り、芝生の上で談笑する楽しい時間。しかも金がかからない。こんなに素晴らしい提案はない。 シートは彼女が持ってきてくれるらしい。 では、僕は何を持っていけばいいのだろうか。 「僕が持って行った方がいいもんある?」 と尋ねると、彼女は 「じゃあなんかおもしろい本持ってきて」 と答えた。 「私も何か持って行くから、それを交換して読もう」という提

        • 音楽の持つ“機能”について講釈を垂れてみたい

          「君と私は音楽の趣味が違う」といった表現は、少し解像度が低いような気がする。 単純に、好む音楽が違うということなのだろうが、そこにはその人が、音楽の持つあらゆる機能のうち、どの機能を主要な価値として捉えているかが現れるのではないだろうか。 [リスナー⇄社会]の音楽 ~シーンメイキングの装置として~〈共同体の象徴としての機能〉 音楽の機能とは何か。 この問いはそのまま「音楽とは何か」「我々はなぜ音楽を聴く/演奏するのか」という問いに置き換えてもらっても差し支えない。 音

        「Y2K」や「平成レトロ」に惹かれる理由、あらゆる流行の根源的原因の考察

          あの人カバン持ってんのにポケットパンパンや

          ・あの人カバン持ってんのにポケットパンパンや ・俺薬指の方が長いからエロいねん ・蹴ってないし、当たっただけやし ・あの子、頭金髪やのにめっちゃ思い詰めた顔してる ・僕ふられて彼女に家出てかれたら家電ほとんどなくなるわ ・家帰ったら僕のティッシュ片付けてくれてるねんで ・あの子今年巫女のバイトしてるらしいで ・一人になった後、トイレ入ったら三角折になってた ・手繋いだまま鼻掻くんやめてくれへん? ・タバコ巻くときちょっと気まずそうに目逸らす ・夜だけど爪切

          あの人カバン持ってんのにポケットパンパンや