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工学部生に告ぐ! 建機シミュレーターを今すぐ使ってみて.

大学院生時代に,こんなシミュレーションがあったら様々なケーススタディを試すことができるのにと,足りない頭で妄想していました.それが何とARAV株式会社からオープンソースとして公開されているではないですか!!

OCS ( Open Construction Simulator )

その名は,オープンコンストラクションシミュレーター.
Unity上でリアルタイムシミュレーションを行うことができます!
ゲーム感覚で楽しく研究開発ができるなんて,夢のような環境だと思いませんか!?しかも費用が掛からないのです.実際には,多くの工数がかかっているはず.ARAV株式会社様,本当にありがとうございます.

1.バケットと土壌の接触判定・衝突計算

リアルタイムで掘削シミュレーションができます!リアルタイムですよ.凄くないですか.従来のDEM(Discreate Element Method:粒子要素法)を利用した演算では,一般的なパソコンでは性能不足でとてもリアルタイムでのシミュレーションは無理です.

それをUnity上(パーティクルアセット?計算精度については検討の余地がありますが,使い方によっては全然ありだと思います)で実現できています.

可視化についても秀逸で,バケットが土壌に貫入して,恐らくある一定のしきい値を越えたら貫入体積分の土壌が消滅し,同等体積分の粒子が生成されているように見えます.ソースコードを解読していない状態で,この記事を書いています(少しでも早くお知らせしたい欲求に抗えず)ので,プログラム(アルゴリズム)内容については不正確かもしれないことをご了承ください.

リアルタイム掘削シミュレーション
ショベルの動かし方

もちろんキーボード操作で動かせるんですが,プレイステーションやGameBoxなどのゲームコントローラをパソコンにUSB接続すれば,ジョイスティックでよりリアルに建機の操縦が楽しめます.

もし,建機の運転免許取得を考えているなら,触ってみてもいいんじゃないでしょうか.(ちなみに私は免許持ってます.プチ自慢?にもなってませんね.すいません.)

2.悪路走行

Unityなどのゲームエンジンを使う利点の1つに,環境(この場合,地面・土壌)が簡単に作成できることがあると思います.

履帯モデリング

複雑な履帯の構造および地盤との接触を計算するプログラムを書こうとすると大変ですが,もうすでに用意されています.起伏のある地面もリアルタイムで走行できるので,走行経路の試行錯誤が簡単にできたりします.ml-Agentと併せて利用すれば,論文も書けそうな気がしてきますね.

3.オペレータ視点

Unityモデルであるがゆえに,シーン内のカメラを自由に設定できるのもうれしい.

オペレータ視点

すくった土を狙った場所に落とすのもなかなか難しい.この図には見えていませんが,トラックの荷台の適切な場所に積み込もうとすると最初はうまくいかない.荷台にバケットをぶつけてしまうかもしれない.そうか,だから自動化が必要なんだ!

4.まとめ

Unityは,MATLAB/Simulinkなどとも連携できるので,より高度な制御検討もできる.いずれにしても,こんな素晴らしいツール・モデルを使わないという選択はない!
特にメカ,農機系の工学部院生は,どんどん利用して,新しいアルゴリズムを研究開発,そして論文発表していこう!

No OCS.No Life.私のライフワークになりそうな予感!?


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