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島で暮らすということ〜島生活10日経過〜

初めまして。OgusuYujiです。三十路を過ぎた独身です。
2018年1月末日、出版社・幻冬舎を退職し、2月より鹿児島県の北部に位置する長島町という島(https://www.town.nagashima.lg.jp)に、仕事と暮らしの拠点を移しました。
(注:写真はフリー素材で長島の写真ではありません笑)

1歳から5歳ぐらいまでのほぼ記憶が無い時期に仙台で暮らした以外、東京から一度も出ることなく育ちました。シティボーイだと思う方もいるでしょうが、ほとんどの時間を練馬区の自然溢れる地域で暮らしていたため、新宿や渋谷や六本木といった都会にはあまり染まっていないと思います。(練馬区に関わる方、語弊があったらすみません)

「何しにきたんだ!?」
「どうして長島なんだ!?」
「早く結婚しろ!」

色んなツッコミどころがあるでしょうが、マイペースにまずはnoteを始めてみようと思います。いつか語る日は来るのでしょうか。。。


さて、タイトルのとおり島生活を始めて10日が経ちました。
都心部に暮らす方が島と聞くと、フェリーで渡るのか、サバイバル生活なのか、ほったて小屋に住んでいるのかと、様々な想像を巡らせることになりそうですが、長島は「瀬戸之大橋」という大きな橋が架かっているため九州本土へ車で移動ができ、24時間営業しているコンビニもあり、暖房のある生活をしております。

ただ、東京とは異なり、島には恵みが多く、養殖ブリの世界一の生産量を誇っていたり、特産品のじゃがいも、デコポンなど作物は豊富で、一次産業が数多く存在します。

IT企業→出版社という経歴の自分とかけ離れた世界ですが、様々な思いや、様々な巡り合わせがあり長島にいます。ちなみに今は長島から出た阿久根市のJoyfulという、東京で言うところのガストみたいなファミレスで原稿を書いています。Wi-Fiが快適です。

すみません、色々と前置きが長いですね。
せっかくの第一回目だし、何を書こうか悩みましたが、長島に来てからしばしば感じている「東京人のままではいけないな」と痛感した、ひとつのエピソードを今日は書こうと思います。

長島に来て3、4日経過した頃に、ワカメ漁、アワビ漁をご職業にされている漁師さん達との打ち合わせの場に出席し、その後の飲み会に参加した時の話しです。

漁師さんに対する勝手なイメージですが、豪快な海の男を想像していました。ですが、その日ご一緒させていただいた皆さんは、とても優しく、心遣いが素敵な方々で、僕のイメージは簡単にひっくり返ることになりました。

漁師さんたちを前に島美人(長島で作っている芋焼酎)を飲み、ほろ酔い気分で、東京でお付き合いしている彼女がいて、今まさに遠距離恋愛をしている話をし、その彼女とご家族に長島の特産品を贈って喜んで欲しいと、その思いを語りました。

すると、その話を聞いたひとりの漁師さんが、突如目をかっ開き、
「よし、分かった。任せろ」
「俺は無理するぞ。だからユウジも無理をしろよ!?」
と、物凄い勢いで言い寄られました。

それは、僕のほろ酔い気分も覚め、
「え。無理?無理をするって・・・。」
と、たじろぐ程の勢いでした。

それでもその漁師さんは
「俺は無理をしてやる。だからユウジも無理をしろよ?」
と、その勢いは収まる様子がありません。

無理をする、そんなことから今まで長いこと遠ざかっていた自分にとって、その漁師さんを説得できるような表面的な言葉は思い浮かびませんでした。

なので、後先考えずに自分が長島で何をしていくのか、ただその熱意だけを伝えました。言葉にならない言葉の所信表明だったと思います。思い返そうと思ってもうまく思い出せないし、本当に青臭い言葉だったと思います。

すると、漁師さんから、
「分かった。送り先の住所を教えてくれ」
という言葉。

何がなんだかよく分からない状況でしたが、一先ずその場が落ち着きました。
後日その時のことを思い返すと、自分が見透かされていて、長島での覚悟を試されたように受け止めています。

漁師さんとは、己の身体と精神と経験で自然界と共存し、それを生業としています。
しかし、予測の出来ない事態が起こり、恵みの幸が収穫できないことになったら、どうやって生き抜くのか。
そんな覚悟が試される生き方をしている人間が東京にはどれ程いるのだろうか。
少なくとも自分はそんな覚悟を持っていたことは無いのではないか。

そんなことを痛烈に打ち付けられ、当たり障りない人付き合いや、楽観的・利己的な考えが強かったように感じる東京の暮らしでは長島ではやっていけんぞと、ただただ強く実感する瞬間でした。

というところで第一回のnoteを締めくくろうと思います。
読み返したら胃もたれしそうですね(笑)
今後はもう少してげてげ(鹿児島弁で大体、適当とか)でやっていこうと思います!

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