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最高の二番手(右腕)論

最近ではやっと世間的にも認知度が上がってきたコワーキングスペース。
私は約3年前から九州の地方都市熊本で、コワーキングスペースの運営に携わっている。当時なんとなく知ってはいたが、実際の機能やサービスは一般的ではなく、これまで数えきれない試行錯誤を経て、企業として形になってきたと感じているところ。

コワーキングスペースの説明は割愛するが、一つの大きな機能として、メインユーザーである起業家の支援というものがあると考えている。

起業支援と言えば、起業時の資金獲得やそもそもの事業計画、販路開拓のための広報活動などなど、人によって多岐にわたる。金融機関はもちろん、行政や半官半民の中間支援機関、投資家などが関係機関として存在する。我々の税金の一部も使われているという意味では、実は地域の全員がステイクホルダーなのだ。

では、我が地元熊本から起業家は増えているのか。もちろん、様々な形でビジネスを展開することに集中している人も存在する。しかしながら、創業支援に関して言えば、正直ほとんど機能していないと言えるのではないだろうか。確かに、起業していない人間が、起業家を支援することは非常に難しい。その意味では、誰も正解がわかっていない問題だろう。

起業家は、自分の事業を、理想とする世界の実現に向けて、リスクを背負っている。その一方で支援側との乖離があり、本来必要な支援ができていないことが多い。もちろん全ての起業家が100%存続することは不可能かもしれないが、既存の創業支援は非常に形式的だと思っている。

簡単に言ってしまえば、インターネットやSNS、様々な海外文化の流入によって激動している社会に対して、それらをフル活用して絞り出したサービスの価値、将来性を理解している支援者が限りなく少ない。支援側に必要なのは資格や経歴よりも、時代のニーズやツール、信頼できるネットワークの紹介など、スピードと本気で成功させるため、一緒に走るくらいの覚悟。

そのため、せっかく法人化したにも関わらず、的確な支援やアドバイスを得られないまま、孤立、枯渇してしまって事業を諦めざるを得ない人を見てきた。

基本的には起業する人は1人で起業する。その時点で会社を回すだけのリソースが圧倒的に足りない。資金は人によるだろうが、サービスの提供、会計、認知のための広報や顧客対応だけでも相当な時間を取られる。困っても、相談できる相手も少ないし、的確なアドバイスなんてほとんど期待できない。人を採用するにもコストだし、誰を採用したら良いかもわからない。日本人は安定志向とよく言われるが、これだけ難題だらけの中、起業をするという行為はリスキーであり、非合理的だと思う人が大半だ。

そもそも、起業支援なんて不可能なのか。 諦めたらそこで終了なわけで、どうしたらできるかを考えてきた。
コワーキングスペースを運営する中で様々な人と出会い、コミュニケーションをとる中で、創業者が抱える課題について一つの答えにたどり着いた。

最強の二番手。

起業家は自分のビジョンを持ち、事業をスタートするが、そのビジョンが共感されなければほとんど失敗するだろう。そのビジョンを本人の次に理解し、起業家本人が自分の得意な業務に集中できるよう、サポートする人すなわち最強の二番手こそ、起業家にとって最も重要かつ効果的な支援ではないだろうか。起業家と一体となり、会社のことを理解し、何をすべきか考え、行動を起こせる人さえ存在すれば、事業は必ず前に進む。

そんなことを考えていた最中、家入一真氏のこんなポエムが目についた。



言葉こそ違えど、本質的には同じ意味だと思い、感動してしまった。私自身は起業をしたわけではないが、身近な起業家と話し、相手の立場に立つことでたどり着いた自分なりの答えが、間違いではなかったと感じて嬉しく思う。そして、どちらかと言えば自分は一番手よりは二番手タイプなのだと思っている。

家入さんについては、本を読んだり、いきなりメッセージを送ったり、トークイベントに参加したりしてたのだが、去年熊本の喫煙所で一緒にタバコを吸いながら話すこともできて、人間としてかなり尊敬している。

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