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20180122「さらなる成長を実現するために今必要なこととは?」九州ベンチャー・スタートアップミートアップ|イベントレポート

2018年1月22日、福岡の警固にて、「さらなる成長を実現するために今必要なこととは?」九州ベンチャー・スタートアップミートアップが開催されました。

主催は、JASISA (一般社団法人日本中小企業情報化支援協議会)さんで、イベントの目的はビジョンやミッション、理念、そしてイマジネーションを共有できる場(コミュニティ)を創ること。そして、あまり共有されることはないが、非常に重要な"失敗"を共有することで、地域のエコシステムを創出すること。

私の参加動機は、以前全国のコワーキングスペースで開催されていたイベントで知り合った株式会社54の山口豪志氏に再会するため。さらに、以前一度お話しさせていただいていた森戸 裕一 氏も登壇されると知って、前日に参戦を決意。

山口さんといえば、日本のスタートアップとして、スケールしていったクックパッド株式会社、ランサーズ株式会社に初期段階で参画し、会社が成長していく一部始終を自ら体験した人。何より、事業拡大のための結果を出していることから、巷では『スタートアップ成長請負人』というキャッチフレーズも。

以前熊本のイベントで知り合ってから、色々と記事を読ませてもらったり、イベント後の懇親会で話をさせてもらって、不思議な感覚になったことが忘れられない。どう不思議かというと、ズバリ『初めて会った』という気がしない。新海誠氏の『君の名は。』ではないが、初対面のはずなのにどこかで会った気がする。(笑)冷静に考えると、経済に対する考え方や人生のテーマ、ミッションが似通っているのかもしれないという結果。(私個人の見解)

そんなわけで、イベント後もお付き合いさせていただいていて、その後出版された『0 to 100 会社を育てる戦略地図』もかじりつくように読ませてもらっていた。

とはいえ、熊本と東京で、やっていることも大きく異なるので、色々と相談したいことも溜まっていたので、ほぼ脊髄反射で会いにいくことを決めた。もう『いま会いに行きます』状態。

そして、ついに再会。最初は「0→100会社を育てる戦略地図」執筆の背景について。山口さんはもともと昆虫採集が好きな少年時代を過ごし、大学も理学部であること、お父さんが研究者だったこともあり、分析や規則性を探すことずば抜けて得意だと思う。バックパッカーで半年ひとり旅をしたり、その好奇心と行動力も本当に好きだ。

山口さんからは、事業フェーズのキーポイントの話と今取り組んでいることの話があった。


・テーマ探し
事業テーマを決める上でのエッセンスを3分類

①変え難いもの
②得やすく変えやすいもの
③得難いもの

そしてこれらの裏には①想い②アイデア③共感が必要。また、下記の要素で考えることも有効。

①Will-やりたい 
②Must-やるべき 
③Can-できる

・売り方
事業として何かを行うためには、お金を出して買ってもらうこと、つまり顧客の発見が不可欠。これができなければ結局は継続することはできない。
そして売るためには、自社のサービスの特徴/強みを徹底的に分析し、顧客と出会うための行動を続けることが重要。

・PR:Public Relations(広告)

自社の商品/サービスが完成したら、顧客に認知してもらうためにPublic Relationsを行う必要がある。どんなに優れた商品サービスも知ってもらわなければ、存在しないのと同じ。単純に広告をうとうという話ではなく、フェーズにあったPR戦略が重要。

・組織作り

10名以下の組織の場合、社内のルールはほとんど我流でも進んでいく。しかし、50名規模くらいからはそうはいかず、社会のルール、みんなの意見を集めながら合理的なルールを整備する必要がある。もちろん上場を考えるのであれば、監査ルールに則ることが条件なので、早めに専門家に相談しが方が良い。著書でも「会社は誰のものか」に関する記述があったが、事業を行うことは常に社会を意識することと同義なのだと改めて感じた。


今取り組んでいること

現在山口さんはProtoStarという会社で、挑戦者支援のインフラ創りに注力している。とりわけ、投資家ができないことに絞った、フェーズにあったネットワーキング活動とHardTech領域のシード・アーリー支援を行なっている。また、「すべてはベンチャー企業、スタートアップのために」というミッションを掲げた株式会社54にて、伴走型の投資事業を行なっている。いずれの支援も、他にはない、ユニークな事業を支援したいと考えている。

これらの活動の裏側には、近年の金融資本主義に対する問題意識がある。原丈人氏が提唱している「公益資本主義」という言葉にも触れていた。お金だけでなく、価値が循環することで社会はよくなるのだが、お金だけが先走ってしまっている側面がある。

そして山口さんの支援対象は、諦めない、頑固な人。収益についても粘り強く継続していく必要があるので、まさにスラムダンクで安西先生が言っていた「諦めたらそこで試合終了ですよ。」

パネルディスカッション

パネリスト
山口豪志 氏 株式会社54 代表取締役社長
田口一成 氏 株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役社長
モデレーター
森戸 裕一 氏 PORTO 株式会社 代表取締役社長

パネリストの田口さんは「社会課題をビジネスで解決」をテーマとし、社会起業家のためのプラットフォーム事業を行なっている。一人でやるより、複数人でやった方がビジネスが広がるし、そのためにもソーシャルビジネスに特化した事業体を一つの会社としている。

もともと田口さんは貧困問題に課題意識があり、これまで様々な事業を経て、現在の事業に。

また、ソーシャルコンセプトによって、事業を判断し、その後のビジネスサポートをプラットフォームで行なっている。

『良い会社を作ること』を至上命題としており、制度についてもみんなのコンセンサスで決定している。

『ソーシャルビジネス』というポジショニングをとっているが、根本には助け合いの世界を作るために、会社をやっているという印象で、共感する部分が多かった。

また、『失敗は辞めること』という認識は山口さんとも一致しており、収益性については、まず「100個くらいの事業プランを考えて、事業を開始してから修正をしまくる」という言葉も印象的だった。


まとめ

コミュニティという言葉が様々なところで色んな意味で使われているが、今回のイベントで体感したのは間違いなくポジティブな、生産性のあるコミュニティだった。僕たち一人一人も小さくとも"社会"に属しており、コミュニティには今更感もあるかもしれないが、社会を構成している個々が向上していくための緩い繋がりこそ、僕が考えてきたコミュニティだった。僕自身も起業した訳でもなく、人に起業を勧めることなんてできないが、「やりたいこと、やらずにおれないこと」がある人は心から応援したいと思うし、小さくともそんな世界を作るための行動を、諦めずに続けていくしかないと感じた夜でした。

主催、共催、サポートあってのイベントなので、本当に関係者の方に「ありがとう」と言いたいし、これからも緩くつながって、それぞれの分野、フェーズで突っ走って行きましょう。








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