奥林匹斯(おくばやし ひこ)
お日様が、山から降りる。 影がいつの間に伸びて、まだ蒸し暑い頃。 空が瞼を閉じる前に、早く帰ろう。 ママがおやつを用意して、僕を待っているのだろう。 ミンミンミンミン、今日のおやつ何が出るかな ミンミンミンミン、玄関に入った瞬間、冒険があじまった。 緑の船底に黒の竜骨、赤の甲板(デッキ)に白黒がシャッフル。 キンキンに冷やしたら、露が皿に溜まる。 入水したこの船は、僕を乗せてどこへ往くのか。 夏の夢を乗せて、どこまで往くのか。 ようやく風が立ち、鈴もチリリン。空が闇の布
全ての輝く星の下に、ちっぽけな石は転がってる。 全て実る花の元に、土に張り付く根は生えてる。 僕らはどこにでもある屍、死んでいく世界では見慣れる物。 君は舞台が欲しいなら、喜んでその礎になろう、 自分の体でそれを支えるよ。 それは誰にでも笑われているが、僕らは知っている。 僕らは奴隷ではないこと。 歴史の河床に沈む一粒の砂でも、願いことはあること。 蹴られて踏まれて騙されて、欲しいのは何かの特権ではないんだ。 照明の影でひたすら風化するのも、見たいのは君の笑顔だけだ。 得たの
なろうで連載している小説、削除対策として、ここでも載せてみようと思ってます。 ――――――――――――――――以下本文―――――――――――――― 序 昔、世界は一つだった。 猿どもがまだロクに二足歩行できず、その一部が樹から下りて地にのさばり始めたばっかりな頃、電脳を発見した。電脳というのは素晴らしい代物で、自分を発見した猿に進化させる力を授けた。そして、猿どもが自分を人類と称せたのは、世に散らばっていた電脳を繋ぐ手段、『万国網(インターネット)』を発明したから
自分でなろうで書いたエッセイをここに転載しているだけ… ―― 大学へ行け、行ったら未来が変わる。 子供の時はずっと古生物学者になりたかった。ニュースでアメリカどっかの大学がまた何らかの新種恐竜化石を発見したと知った時に、いつも思いを馳せた。いつか自分もニュースに乗ってた連中みたいに、不毛の荒野で俯せて、たがねやらブラッシュやらを持って石を掘り続ける。そしてついに見つけた何かを、自分の好きなもので命名したい。あの頃は「大学院」というのが知らなかった、ただお袋が言うには、「