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危険なオンナ。

 昨夜ゲロを吐いた。最近、食事をとるのがめんどくさくてまともに食べていなかったのだけれど、生きてゆくためには食べないわけにはいかないのであって、頭のちょっとアレな私は「だったら溜め食いしてしまえばいいのでは」と思い付いたわけである。大丈夫。昔テレビで観たことがある。ワニなどはいちど獲物を丸飲みしたら、一年近くは食べずに持ちこたえることが出来るのだそうだ。

 それでパスタを大量に茹でて、もっくもっくと食べはじめたのだったが、私のポンコツの胃袋はすぐに悲鳴をあげ、あっさりと戻してしまった。人間の体はワニのように "食い溜め" は出来ないものらしい。

 驚いたのはその後である。鏡の前に立って自分の顔を確認する。ひどい顔だ。ゲロを吐いたせい、だけではないだろう。これはいったい何事か。私の顔は、目のまわりが無数の赤い斑点で覆われて、すっかりゾンビと化していた。

 あわててスマホで検索する。どうやら内出血らしい。ゲロを吐いたり、逆立ちをしたり運動したり、トイレでイキんだり、ちょっとした圧で内出血をすることはよくあるのだそうだ。目のまわりは皮膚が薄いためにそれが現れやすいのだと。内出血のしやすさは体質によるのだと。(確かに、学生時代、男子と一緒の体育の授業でバレーボールなんかすると、私だけ腕にひどい青アザができていた)

 よくある事とは言われても、さすがに顔はビビる。ゾンビは困る。病院へ行こうかとも考えたが、内出血なんてただおさまるのを待つしかないんだろう。ネットには「心配しなくても2~3週間で自然に治ります」とある。じつに心配だ。ゾンビ顔で2~3週間は途方もなく長い。運悪く今週は人に会う予定があって、驚かせないために「そういうわけでゾンビ顔で伺いますから」と伝えておいた。「いえ、ハロウィンとかそういうんじゃなくて」ーー。

 毎日、毎日、何かしらのトラブルに見舞われる。なぜ運命は私を放っておいてくれないのか。無事に一日を過ごしたいだけなのに。幸せになりたいだけなのに。先月も大失敗をしたっけ。考えなしにスマホで音楽を聴きまくって、月半ばでギガを全消失してしまい、事実上、消息を絶たねばならなかった。(当然NOTEも更新できなかった)

 ミスが多いのはたるんでいる証拠だ。最近の私はふてくされている。自暴自棄。危険な女だ。玉置浩二のコンサートチケットが取れなくて、悲しくて悲しくて、うどんをドカ食いした。(その時もゲロを吐いた) 心を持ち直さなくてはいけない。浩二は浩二。私は私。
 
 人は、安全な場所でなら何だってできる。問題は、危険地帯で何ができるかだ。苦しい時に何ができるかだ。無力で心細く、自分のことが世界でいちばん惨めに思える時こそ、我々は踏ん張るのだ。

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