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冤罪を晴らす!「階段の記憶」その記憶の意味とは! 【13階段】

大切な家族を守りたかった!ただそれだけなんだ。
アイツさえいなければ・・・

13階段_読書記録B

【本の基本情報】
〇ジャンル:ミステリー・日本文学
〇本の種類:文庫本
〇著者名:高野 和明
〇出版社:講談社文庫

■「13階段」を読んで

ネットなどで「面白い小説」、「面白いミステリー小説」などと検索すると必ずといっていいくらい紹介されている「13階段」。

さらに第47回江戸川乱歩賞を受賞した作品ということもあり読む前から、かなり期待して読み始めました。
文庫本で読みましたが、400ページとボリューム満点の小説です。

今回色々忙しい中で読んだので、読み終えるまでに時間がかかってしまいまいしたが
読み進められない時に、早く読みたいと思えるような展開で、気になってしまう作品でした。

ミステリー小説としてかなり完成度の高い作品であると感じました。

■冤罪を晴らすために事件の真相を追う!

殺人罪で刑務所に入っていた主人公の青年。
やがて彼は仮釈放を認められます。

そんな彼に仮釈放中の仕事として、死刑囚の冤罪を証明するという仕事を依頼する人物が現れます。
それは彼も見覚えのある看守長をしていた男でした。

彼はその看守長の男と二人で、死刑囚の冤罪を証明するために、死刑囚が起こしたとされる事件の真相を明らかにしていきます。

その事件にはいくつかの不思議な点がありました。
まずは、死刑囚となっている男には事件当時の記憶がない。

様々な証拠は出ているが、肝心の犯人の記憶がないということから
事件の真実は誰も分からないという状態になってしまっています。

ただ証拠が集められその証拠を基に死刑判決が下されている状態なのです。

そんな事件の真相を明らかにしていくうちに、実はその事件の真相が見え始めてきたあたりから、何故か不思議なことが起こり始めます。

そして、その事件の真相を解明することで、もう1つの事件が動き出すのです。

ここからがこの作品の本当の面白さになっていきます。

■「13階段」を読んで!まとめ

まずは本作品の感想としては「おもしろい!」です。

展開はもちろんですが、扱っている背景となるテーマ。
日本での「死刑判決」についてにも考えさせられる作品にもなっています。

とても難しいテーマを基に書かれている作品で、知らないことも多く含まれている作品でした。

自分の命の期限が目の前に迫った時に人間がとる行動や、考え方なども触れてあり、驚く場面もありました。
どうしてそんな重罪を犯してしまうのか、犯罪を犯してしまう人の心理にもそれぞれあり、それを実にわかりやすく描いていました。

死刑囚の冤罪を晴らすということを目標に二人は事件の真相を探していきます。
真相に迫っていくうちに徐々に感じてくる違和感。

見えそうで見えない事件の真相。

ついにその真相が明らかになったとき、事件の真相の裏に隠されていたもう一つの事件との関係。
そのすべてが見えた時に、そういうことか!と思わずうならせてくれる結末に、大変満足できる作品でした。


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