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【徹底解説】不動産鑑定士試験の鑑定理論 おすすめ参考書と勉強法

不動産鑑定士・不動産鑑定士試験とは?

まず、不動産鑑定士や不動産鑑定士試験についてあまりご存知ない方は、以下の記事(全5記事)で徹底的に解説していますため、そちらをご覧いただいたうえで、この記事に戻ってきていただけますと幸いです。


不動産鑑定士試験に欠かせない「基準」とは?

不動産鑑定士試験の科目「不動産の鑑定評価に関する理論(以下、鑑定理論)」を勉強するにあたって、必ず登場するのが「基準」です。
この記事でも「基準」という用語がたくさん出てきますので、「基準」が何かをまずは説明します。

不動産鑑定士試験の「基準」とは

  1. 不動産鑑定評価基準

  2. 不動産鑑定評価基準運用上の留意事項

の2つをまとめて指すことが多いです。

※「不動産鑑定評価基準の留意事項」は、「不動産鑑定評価基準」を使うにあたり気をつけるべき事項が記されており、「留意事項」と略して呼ばれることも多いです。「不動産鑑定評価基準」に比べれば理解すべき優先順位は下がりますが、「不動産鑑定評価基準」と同じく、不動産鑑定士試験にとって超重要であることには変わりありません。

これら「基準」と「留意事項」について、国土交通省は次のように述べています。

不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項は、不動産鑑定士が不動産の鑑定評価を行うに当たっての統一的基準です。

不動産鑑定評価基準等(国土交通省)

また、国土交通省が提示している不動産鑑定士試験の出題範囲にも

出題範囲:不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項

令和6年不動産鑑定士試験受験案内(国土交通省)

と記載がされています。

これらより、「不動産鑑定評価基準」と「不動産鑑定評価基準運用上の留意事項」は不動産鑑定士試験における「鑑定理論」において、基盤となる非常に重要なものであるということが分かるかと思います。

実際、不動産鑑定士試験の鑑定理論の試験では、暗記した基準を書く必要が出てきます。基準の解釈を書かないといけないことがあることはもちろんですが、基準をそのまま書く機会がたくさんある試験です。

この「基準」は、国土交通省が以下のサイトでPDFファイルを公開していますので、印刷・ファイリングのうえ、学習する際に常に携帯しておくことを推奨します。

不動産鑑定士試験の鑑定理論 おすすめ参考書

まずは、必要な参考書を明示します。これらはこの記事の少し先で記載する勉強法で登場するので、事前の紹介です。
※使い方は勉強法を参照して下さい。

おすすめ参考書①:要説 不動産鑑定評価基準と価格等調査ガイドライン

不動産鑑定士試験の鑑定理論を学習する唯一の市販教材と言えるのがこの要説 不動産鑑定評価基準と価格等調査ガイドラインです。「要説」と略されることが多いです。
基準ごとにその解説がされており、主に「理解」に使えます。

※「価格等調査ガイドライン」の範囲については、基本的に不動産鑑定士試験では出題されないので学習しなくて問題ありません。

※予備校に行っている人は、要説は不要で、予備校の教科書や講義をきちんと受講・活用して下さい(試験専用に作られたているため)。

おすすめ参考書②:鑑定理論 基本テキスト:論点編

基本テキスト 論点編』は「基準の暗記に特化させたテキスト」です。
論点ごとに、基準の中の記述すべき内容をまとめているため、簡単に暗記を行うことができます。重要度も記載しているため、初学者でも優先順位をつけながら勉強できます。

※詳細は、以下の記事をご覧ください。

※基本テキストは、購入だけではなく、メンバーシップ(プレミアムプラン)に加入することでも閲覧できます。

おすすめ参考書③:鑑定理論の過去問題集(論文式)

TACから出版されている鑑定理論の過去問題集です。解説がしっかりしているため、中盤以降の学習の中心となってくる参考書です。
最近の年度が収録されたものと、以前の年度が収録されたものがありますが、最近のものだけだと網羅性も演習量も不足しているため、両方とも購入すべきです。

おすすめ参考書④:鑑定理論の過去問題集(短答式)

短答式は直前1ヶ月で一気に過去問を周回することで学習できます。当サイトが提供しているアプリ(iOS限定)を使えば、まとまった時間を使う論文式試験対策の間のすきま時間を活用することができます。
※アプリについて詳しくはこちらから。

書籍の場合は、以下がございます。

不動産鑑定士試験の鑑定理論 おすすめ勉強法

①まずは理解と全体像を掴む

鑑定理論を学習する際、一番最初にやるべきことは「とりあえず基準を1周して全体像を把握する」ということです。

基準とその解説である「要説不動産鑑定評価基準と価格等調査ガイドライン」を読み、理解します。

基準は、総論と各論、そしてそれに紐づく留意事項がありますが、

総論1章

総論2章・留意事項

.........

各論3章・留意事項

という順序で読んでいくことになるかと思います。

しかし、この基準の順序に読めば理解しやすいかと言われればそういう訳でありません。かといって、理解しやすい順序がある訳でもありません。
そのため、基準は2周読むことをおすすめします。

1周目:分からないところは深入りせずに飛ばしながら表面的な内容と全体像を掴むことに専念する。
2周目:2周目でしっかり理解する+『基本テキスト 論点編』を使って、重要な基準の文章を暗記する。

もちろん、読む時は、書き込みやまとめノート作成をしながら、理解の整理をすることもおすすめです。
2周目の際の『基本テキスト 論点編』の暗記は、SやAなどの重要度の高い用語を優先して暗記し、BやCなどは読むだけ読んで一旦スルーでOKです。

②頻出の論点を徹底的に暗記

理解にも使った『基本テキスト 論点編』をどんどん暗記していきます。SABは自信を持ってしっかり書けるようにしましょう。左側に書いてある論点を見たら、右側の説明がスラスラ書けるようにしましょう。

※『基本テキスト 論点編』に記載されている論点は400ありますが、完全に網羅できている訳ではありません。今後解いていく過去問で、「ここは覚えなきゃ!」と思ったら自分で基準に書き込むなど、「書ける基準」をどんどん増やしていきましょう。

基準の暗記が甘いと、得点に繋がりませんので、理解と同じくらい頑張りましょう!

アウトプットには自動採点システムを是非活用ください!

③まずはとにかく書く練習

理解ができたら次は実際に書く練習です。②の暗記がある程度途中でも③には早いうちから入りましょう。

以下の記事で公開している「基本問題」を中心に、過去問を解いていきます。しかし、いきなり解けと言われても困ると思うので、「要説 不動産鑑定評価基準と価格等調査ガイドライン」と『基本テキスト 論点編』は見てOKですし、時間も無制限でOKです。

【問題を解くステップ】
① 問題を見て、何を書けば良いか考える
② 書くことと、順番を決める(答案構成)
③ 「要説」と『基本テキスト 論点編』を見ながら実際に書く
→諦めずに頑張って最後まで書き切る
④ 解答を見ながら、まずはどこを書くべきだっかたか、答案構成を見直す
⑤ 書けている部分は必要な内容が書けているか、書けていない部分は何を書くべきだったかを把握する
⑥ ④⑤の内容を復習し、暗記すべき事項を暗記する

以上のステップで解いていきます。最初は訳の分からない感じかもしれませんが、過去問の解説を見ながら、「受験する日までにはこの解答を書けるようになるんだ」という想いで頑張りましょう!

※答案構成のやり方(準備中)

④良問から順番に過去問を解く

あとは何度も何度も繰り返し、徹底的に復習と過去問演習を繰り返すだけです。

学習し始め〜中盤くらいまでは、新しい問題をどんどん解いて行くのではなく、同じ問題を何度も解いて完璧にして行くことが大切です。
「基本問題」と「標準問題」を3〜5周ほど解くことをとりあえずの目標としましょう。

「基本問題」と「標準問題」は、以下の記事で公開しています。これらは、重要度や難易度、そして網羅性を考慮し、初学者が取り組んでおきたい問題を厳選したものです。

※過去問演習への取り組み方(準備中)

最新年度から〜、ランダムに〜などというように解いてしまうと、重箱の隅をつつく問題に時間を食われてしまったり、網羅性が低くなったり、逆に同じ論点の問題を重複して解いてしまう可能性があります。是非、良問から解きましょう。

  • どの問題を解けば良いのか

  • 問題をどの順番で解けば良いのか

  • どの問題を復習すれば良いのか

などは、鑑定理論過去問演習において尽きない悩みかと思います。そこで、毎日解くべき問題をメールで通知するシステムを作成しました。

「こんなツールが欲しかった!!」と言えるものになっているかと思いますので、ぜひ、「おすすめ問題通知機能」を上手く活用して、効率的な過去問演習をしていただければと思います。

独学で不動産鑑定士 メンバーシップ

メンバーシップでは、自分で管理が大変な「過去問の学習管理」を簡単に行うことができます!

解いた過去問の年度と得点を記録すると、その演習履歴を分析し、毎日解くべき問題をメールで通知する「おすすめ問題通知機能」が利用可能!
この機能を使えば、もうどの問題を解くべきか悩む必要がなくなります!

メンバーシップについては以下からご覧いただけます。初月無料のプランもあるので、是非お試しください!

※短答式試験の対策について

短答式試験の対策は、きちんと論文式試験の対策をしている人からしてみれば、対して大きな問題とはなりません。

短答式試験を受ける年に論文式試験の合格を目指してしっかり勉強している人は、直前1-2ヶ月で短答式の過去問を2周ほどすれば大丈夫です。
心配な人は、隙間時間をうまく活用しながら勉強しましょう。

短答式試験にとりあえず合格して、次の年以降に論文式試験の突破を目指している人は、短答式試験の対策は最小限にして論文式試験の勉強を中心に行いましょう。
論文式試験は基準の徹底的な暗記が不可欠です。短答式試験が解けることと、基準が書けることには大きな差異があります。
どうせ論文式試験の勉強は必要になります。論文式試験の勉強をしっかりすることは短答式試験対策になりますが、短答式試験対策をいくらやっても論文式試験で「基準が書ける」ことにはならないので、勉強した気にならないよう十分に注意しましょう。

まとめ

鑑定理論は、「基準の理解→基準の暗記」をして、とにかく何度も鑑定理論の過去問を繰り返し解き、書ける基準を増やしていく科目です。

どれだけ早く、過去問を繰り返し解くステップに突入し、どれだけ演習量を確保できるかが肝になります。
とくに最初はきついですが、鑑定理論を攻略できれば不動産鑑定士試験の半分を押さえられます!とにかく頑張りましょう!

独学で不動産鑑定士 メンバーシップのご案内(再掲)

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