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クロスバイク初心者がソロキャンプに行ってみた話【サイクリング&キャンプ編】

2024年3月末。

クロスバイクを購入して一ヶ月の初心者が、自宅から40キロ以上離れたキャンプ場にソロキャンプに行ってみた。
けっこう長い文章になりそうなので、「装備編」と「サイクリング&キャンプ編」に分けて掲載する。
「装備編」に続き

「サイクリング&キャンプ編」をどうぞ。

【スペック】
ライダー:51歳射手座AB型スポーツ経験ゼロソフトデブのハードハゲ
クロスバイク歴:約一ヶ月、毎日通勤で40分ほど漕いでいる
自転車:GIANT GRAVIER DISK XSサイズ
フロントバッグ:Rhinowalk 自転車フロントバッグ
サドルバッグ:Rhinowalk 自転車サドルバッグ
テント:Naturehike 1人用テント
シュラフ:Amazonで2,000円くらいの

初の自転車ソロキャンプの行き先は奥多摩の「川井キャンプ場」に行くことにした。大きな山登りなどなく比較的平坦な道を進めるのと、売店が充実して酒を買い込む必要がなかったため。
当日に知ったのだがここには警備員さんがいて、夜中も警備をしてくれている。
なかなかの高規格キャンプ場。

Googleマップ先生によると自宅からキャンプ場までは片道おおよそ42キロ3時間と出た。ひたすら多摩川沿いを上流に向けて登っていく。
初心者なので自転車で3時間と言われても、それがどれくらいの規模の作業なのかまったく把握できない。路面の状況や気温や風などで疲労の具合などは大幅に変わるのだろうが、やってみるしかない。
この「やってみるしかない」という感覚で過去にオートバイで1,000キロ走って地獄を見たり、台風の煽りで豪雨の中高速道路を走って死を感じたりと精神的にも肉体的にも痛めつけられてきた過去があるが、50歳を過ぎても「やってみるか」という精神は治らないらしい。
良いんだか悪いんだか。

しっかり朝ごはんを食べて7:30に家を出た。
まずは関戸橋のあたりから多摩川サイクリングロードで多摩川を登っていく。
この日は3月後半ながら夏日予想で暑くなりそうだったが、朝は涼しくて爽やか。

このだだっ広い空を見上げながら走ればそりゃ気持ちいいでしょ!

多摩川沿いは私のようにサイクリングをする人、ジョギングする人、ウォーキングをしている人、犬の散歩をしている人、ぼーっとしている人、釣りをしている人、実にさまざまな人たちでににぎわっていて、朝からこんなに人がいることに驚いた。
多摩川沿いの人たちはそれぞれが誰かに強制的に連れてこられたわけではなく、皆自発的にここにきて運動や散歩をしている。
理由も健康維持や体力向上などの前向きで建設的な意識をもっていることだろう。
世の中こんな人たちや場所ばかりになったらどんなに素敵なことか。
人の憎悪と悪意しか見えない昨今のSNSとはまったく違った世界。

そして数日前の豪雨が効いて浄化されているのか空気がうまい。
そしてこのうまい空気を味わうことになった自分が嬉しい。
クロスバイクを購入することになったのは、50歳になって転職を決意したからで、電車通勤から自転車通勤へ変更するからであったし、これを機に体力をつけようという目的もあった。
とにかく自分を変えたかった。
その結果、文字どおり今まで知らなかった新しい世界に自分の力で漕ぎ出せたことが嬉しかった。
ひたすらに気分が高揚するのでTシャツ一枚になった。

多摩川のイメージといえば、なんとなく調布とか登戸あたりから電車で見るような「だだっ広い川」というような印象しかなかったが、当たり前のように上流に登れば川の流れはどんどん変わってくる。
多摩川サイクリングロード初走行の身としては、この多摩川の見え方の違いがとても新鮮で楽しかった。
また、多摩川サイクリングロードもずっと同じ川沿いの道かと思えば変化に富んでいて、いくつかの公園を通り過ぎたり極端に狭くなったり木陰だったりぐるっと回り道をしたりで、これも楽しかった。

帰路の写真。サイクリングには最高の季節でした。

多摩川サイクリングロードの終点の羽村取水堰までは地図を見なくとも行けたが、そこから先は詳しくなかったので、Googleマップ先生の案内で進むことにしたが、まあこれが「この道ちがくね!?」という道ばかりで、自転車を降りて押さなければ登れない坂や、車も通れない、住民しか通らないだろうなという道を行かされて、まあしんどかった。

ここは通らなくても良かったんじゃね?という場所。でも気持ちいい景色でした。
春なんだな、ということがよくわかる景色。

しかしこんなことがなければ絶対に通らなかった道だろうな…なんて思いながら走りちょっと楽しかった。ちなみに帰りは地図を頭に叩き込んで自力で帰った。

片道は約42キロ。
フル装備の車体(重さを測ればよかったなー)は実際に漕いでいて、それほど重さは感じなかった(もちろん登りに差し掛かると重い)。
しかし気温の上昇とともに疲労が溜まってきて、足が「疲れたよー」と言っているのが伝わった。
登山では疲労が溜まると急に膝が痛くなったりして行動力が落ちたりするが、まだそこまではいかない感じ。
残り10キロくらいだったか、ほんのりした登りがずっと続き、気温が上がって暑さがつらかった。

食材の調達はキャンプ場6.4キロ手前のセブンイレブン青梅柚木店にて。
本当は手の込んだ料理をしたいのだけど、荷の重量が増えても困るので、食事は極力シンプルにした。
キムチチゲを作ろうと思っていたが、豚肉がなく豆腐も大きなパックしかなかったので、キムチとウインナー入りの醤油ラーメン、ということに。
そして昼食と翌朝のカップラーメンも購入。
この時点で三食がラーメンになった。

自転車を漕ぐことによる疲労というよりも暑さでやられてしまったかもしれない。汗だくでキャンプ場に到着した。
受付で精算をしてから自転車を押して川に降りていく。
春休み中の天気の良い土曜日なので混雑しているかと思いきや、河原サイトはけっこう空いていてキャンプ地は選び放題であった。
どこでもいいですよと言われたけどせっかくだからなるべく孤独を感じられる場所がいい。
川がよく見えて売店へのアクセスも良さそうな場所をキャンプ地とした。
設営の前に震える手でビールを流し込む。

ビールと呼んでいますが発泡酒ですね。まあ美味しいこと!
この折りたたみ椅子は途中コンビニで休憩するときにもリュックから出して使いました。

キャンプ地に到着してから初開封のテント、nature hikeというメーカーのもの。
Amazonでかなり安く売られていて、まあ失敗してもいいか〜という気持ちで購入した(上の画像でフレームに括り付けられている緑のかたまりのもの)。

しかし安価ながら性能は十分と感じた。
室内にはランタンフックや小物入れもあるし、上部にはベンチレーターもあり、荷物と靴を置ける前室もあるしチャックはスムーズに動くしでまったく問題はなかった。
1人用なので広々とはしていないが室内で着替えもできるし座って食事もできる。

設営は説明書を見ることもなく簡単に行えた。
河原でペグ打ちはできなかったので大きめの石で固定。

前室なんてあってもなくても変わらないのでは?と思っていたけど、翌朝が夜露でびっしょりに濡れていて、前室に入れていたリュックと靴は助かった。

さっそく焚き火をしようと思ったが、売店で購入した薪がまあまあ高価だったので焚き火は夜のお楽しみにして、昼はSOTOのバーナーでお湯を作ってカップラーメンとおにぎりの昼食とした。

ちょっと作業をするだけで、折りたたみ椅子のありがたさを感じる。
テントを設営してからは多くの時間を折りたたみ椅子に座っていることが多く、もし折りたたみ椅子がなかったら石の上に座っていたと思うと、正直大きくて邪魔な荷物であったが、持ってきてよかった。

晩ごはんは「キムチとウインナー入りの醤油ラーメン」。

外で食べるとこれが格別なのよ。

いやホントはキムチチゲを作ってビールを痛飲したかったんだけどね。
袋のインスタントラーメンにウインナーとキムチを入れるだけです。
しかしもちろん、焚き火と川を眺めつつ外で食べるとこれまた格別。
ビールもがぶがぶ飲みながら気持ちよくなれました。

ちなみに川は数日前の豪雨の影響かにごっていました。

この後は特にやることもなかったのでぼーっと焚き火を見たり、テントの中で持参した本を読んだり、忙しい日常とはまったく違う時間の流れを楽しんだ。

この絵が見たくてここまで来たよね〜
最近子どもたちと映画をみることが多くなってきたタイミングで友達がプレゼントしてくれた本。
えっ!?こんな映画まで?という作品も掲載されていたりして面白いです。

日中は熱中症になりそうなほど暑かったけど、日が落ちてからガンガン気温が下がってくる。着てきて失敗だったかなーなんて思っていたネルシャツを着てUNIQLOのウインドブレーカーを着る。短パンからジャージのパンツに履き替える。
シュラフに入れば凍えるようなことはなかったが、ともかく寒かった。

翌朝外に出てみたら自転車もテントも夜露でびっしゃびしゃ。

まあ結果的には日差しがきてあっという間に乾くのですけど。
この上にタープ張れたらもっと快適なんだろうな〜
朝は冷え込んでいたのでめちゃくちゃ美味しかった。
浅間山荘の機動隊の人たちもパワーもらえただろうな〜

日差しが来るのを待ちながらカレーヌードルと焚き火で暖をとった。
チェックアウトはお昼なのでのんびりゆっくりと撤収をして、再びたっぷりと時間をかけてパッキングをした。

自転車の有効活用。
1時間くらいかけてしっかりパッキングしたのですが、画像を見れば後輪の方にベルトがだらーんと垂れていてずいぶん甘い。

それではお家に向かって出発!
前日はGoogleマップ先生にバラエティ豊かな道案内をされて太ももとふくらはぎがパンパンになったので、今日は帰路を頭に入れて走った。

走り始めてすぐに
「あれ、下りが多いの?」
ということに気づいた。

思えばここに来るまでは緩やかな登り坂が多かった。
そもそも多摩川を遡ってここまで来たんだろ…
そこから帰るということは…

「下りばっかりだ〜!」
「ご褒美だ〜!」

テンション爆上げとはまさにこのこと。
黙って自転車を漕ぐことができずに、景色の美しさを独りで実況しながら下りを楽しんだ。

カヌー?をやっている人たちがたくさんいました。
すげー楽しそう。
自分もボート持ってきてここから多摩川下りたいな〜
下りは神。

再び多摩川サイクリングロードに帰ってきて、灼熱の太陽に照らされながらじわじわと漕いで、汗びっしょりで自宅に帰り着いた。

実に素晴らしい小旅行であった。



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