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芸術と恋愛って大きく心が動く2大要素なんじゃないか。

つらい結末になったとしても、Aと出会えたことは、
私にとって宝物だよ

カンヴァスの恋人たち  一色さゆり

貴山史絵は白石美術館に非常勤で務める、32歳独身だ。
ヨシダカヲルという画家と出会い、
自分の人生そのものを見つめなおしていく。

世の中で、女性で損すること、
得することを考えたことがあるだろうか?
私は、女性だからと感じることがあるのは仕事ぐらいだ。

恋愛やプライベートにおいて、女性だからと感じることはまずない。
私は、きっと人を愛するときに性別を気にしたことはない。

仕事では、逆にとても強いのかもしれない。
立場が上になれば、なるほどなんだか女性だからということが多い。
それは、私がただ思ってるだけなのかもしれない。
でも、相手からしたら、そんなこと思ってないのかもしれない。
男社会な会社で働いてるからこそ、感じるのかもしれない。
いつも思う。
私ならできるのに。
でも、それを女だからと、やらせてもらえないと思って、
現実はそうではないかもしれないという事実から、
女性という言い訳で逃げているのは、私なのかもしれない。

本来の心が見えなくなっていた自分に、
今のままでいいのだと、ヨシダの絵は教えてくれる。
ただ、純粋に、誰かを好きだから、誰かが大切だから、
一緒にいたいと思ってもいいのだ、と。

カンヴァスの恋人たち 一色さゆり

女性とか年齢とかどこで生まれたかとか、
そんなことどうでもいい。
自分がなにに心を動かされるのか。
何が好きなのか。
何が大切なのか。

仕事に詰まっていて、
言い訳したいときに読んだからなのか、
とても心が救われた気がした。
自分が何をやりたいのか。
そして、人に媚びるのはやめよう。

この本を読んで、私は美術館に行った。
単純だとは、思ったが、いいきっかけになった。

本もそうだが、やはり芸術は心に何かを与えてくれる。
だから、絶えず生まれているものなのではないかと思う。
悩んだときに、芸術に触れて、ふっとなんだか心が動く。
心が動く瞬間は、どの瞬間なのかは未知だ。
もっと心が動く瞬間を、純粋に感じていたい。

どちらの手もしわが深く刻まれ、
血管が浮きでていた。
その手を見ていると、過去の細かいことなど、
しだいにどうでもよくなる。
お互いに今まで生き抜いてきただけで、
十分に上出来なのだ。

カンヴァスの恋人たち  一色さゆり


そんなことが思えるくらい
人を愛してみたいなぁ。

Written by なおこ

アラフォー女


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