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徘徊する肉塊【ニートの哲学!?】

 ニート。皆さんはどのような印象がありますか?

 私は普通のアラサー社会人なのですが、「ニート」、「バイト生活」、「山小屋暮らし」などの体験談を読むのが結構好きです。

 自分が体験したことのない生活や暮らし、考え方に憧れのようなものがあるのかもしれません。

 今回はニートの方が書かれたエッセイをご紹介します。あなたの考え方や価値観が変わるかも!?


〇著者

ゆるふわ無職

〇ジャンル

エッセイ

〇あらすじ

ニートになり散歩をするようになった著者が歩きながら考えた、ニート経験から得た知見や思索を綴った全87話のエッセイ。
散歩編、実存編、虚無編、家庭編、精神編、批判編の6つの編から成る。

〇感想

・読んでいて「これは負けた」と思った。
 私は散歩も読書も好きで、おそらくどちらも普通の人よりはしているし、それなりに語ることもできると思っていた。
 しかし、著者は「散歩」そのものについても、ものすごく考察しているし、本から得られた知識を自分の体験と結びつけながら説明することもできており、たくさんの本を読んで吸収しているのだなと感じた。

・哲学的な内容も多く難しい部分もあるが、比喩が巧みで「よくこんな喩えを思いつくなあ」と感心する箇所もいくつもあった。

・私はニートを経験したことはないが、ニートである著者は時間がとにかくたくさんあるので、様々なこと(人間、死、感覚、もっと身近なことなど)を思慮しており、それは「軽く考えてみた」というレベルではなくて、考察の域に達している。

・私はニートや少ない日数しか働かないで生活する方々の本を読むのが結構好きである。読んでいると、「もし現在の週5で働く生活が本当につらなくなって、どうしようもなくなったとしても、生きていく手段は案外あるものだ」と安心することができる。

・この本は「ニート最高だぜ!!」というよりも、ニートの経験から生まれた「ニート哲学」をフラットな目線で語っているような感じ。

・私はこれを読んで、「ニートになりたい!」というよりも、ニートはあくまでセーフティネット的な生き方の手段の一つであるが、ニートを経験することによって培われた考え方や価値観、生活の知恵などは大変魅力的に感じた。

・一時的にもしくは、中途半端にニートをすることは全然アリというか、人生でそういう時期があっても、それは後の人生にも役立ちそうだなと思った。

〇興味深かったこと

・3種類の散歩
・生まれない方が良かったかどうかは現時点では判断できない
・ニートになると生と死が生々しくリアルに浮かび上がってくる
・「無意味」の受け入れ
・家庭環境の影響
・別の遺伝子と環境で育ったのならもはやそれは私ではない
・抑うつリアリズム
・全ては現象にすぎない
・ニートの苦悩三段階仮説
・ニートの逆説


以上です!
興味を持たれた方はぜひ読んでみてください!

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