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【BL】セカンドクライ(尾上与一さん)【キャラ文庫】

静かにゆっくり育む、どこか欠けた二人の恋

◆あらすじ
実家と縁を切って、売れない画家として生きていた主人公の桂路(けいじ)。
ある日、兄が死んだと連絡を受ける。
家族と縁は切っていたものの桂路は兄の葬式に出た。そこで、兄から桂路宛の遺言があると知る。
それは兄が"拾ってきた"秘書、慧(さとし)。
そんな彼と一緒に住んで、『普通の生活を教えてほしい』というのが兄の遺言で――!?

◆感想
壮大な恋愛とか、とびきりの愛情ではないけれど、静かだけど確かな恋愛の変化を描いたBL小説でした。
以前より拝読している作家さんではあるのですが、やはりこの方は人間を書くのがとてもお上手だな…という印象を持ちます。
何に後悔しているのか、何を欲しているのか、何に葛藤しているのか、というのが小説からわかりすぎるほど読み取れ、非常に読み応えのある小説でした。大変面白かったです。
普通の生活を教えてほしい…というお願いにどう対応するのか、というのをワクワクして読んでいましたが、思いのほか慧が人間味がなく、桂路、頑張れよ…と応援しながら読んでいました…笑

(↓ここから少しネタバレあるので注意)


気になった点を強いてあげるのであれば、わりとBL小説でよくある「実は彼は女性と結婚するのではないか」というやつ。
その話をいれることで(あ、よくある流れだ…)と感じてしまったのが、個人的に気になったところですが、それを差し引いてもとても素敵なBLでした。