名刺代わりの10選 (P)


銀福の福の方です(P)

自己紹介代わりに好きな本を紹介していきます。

1冊目

『錦繍』 宮本輝

この本を読んだのは、中学生だったでしょうか、、、
小学生の頃はもっぱら図書館で
ドリトル先生シリーズや、
ファーブル昆虫記など、動物が話したりする本が大好きでした。
でも
この本を初めて読んだとき、
お話の結末がすごく抽象的で、
でも自分の脳内にはぶわぁっと景色が見えるようで、もうそれが、
なんて、なんてきれいなんだろう、、
うつくしいっていう言葉ってこんな気持ちのときに使うの、、?と

はっきりとハッピーエンドや、
何か結末があるわけでもない、
なのに確かに胸にぶわっと景色が拡がっている読後の感覚に、
本って、終わらなくてもいいんだ、
うつくしさ、ってこういう気持ちの感じをいうのか?と、とても驚いたのを覚えています。
それからの私に小説というものを
もっと読みたい、と思わせてくれた本です。


2冊目 

『TUGUMI』   吉本ばなな

小説を読み出してすぐ、出会った本。
装丁のお花の絵、、
高校1年生くらいだったでしょうか、
題名にもなっているつぐみ、という
病弱な身体に興味のない対象には無礼をもろともしない、美しい女性、その純粋さがあんまりにむきだしでひりひりするような気持ち、そして
つぐみが愛している犬を傷つけた男たちへとった行動。その場面を読んだ時、思春期の自分が抱えていたもの、膜のようなものを、つぐみが代わりに超えてくれ、葬ってくれたような、衝撃と救いを体験した本。
本によって、読むものも追体験する、
救われるような、昇華するような体験が忘れられません。
吉本ばななさんは今も、これからもずっと、読み続けていきます。

3冊目

『コンセント』 田口ランディ

これはなかなか分厚い単行本なのですが、図書館で借りてみたら
とんでもない本でした。

家族、身近な人への憎悪も含めた心の中のドロドロしたところや上澄みの液体まで、すべてがかき回されるような。

あんまりに重くて、自分の中の澱のようなもののあまりのしんどさに一気に読むことなんてできず、でも上澄みからさす光を信じつづけるような気持ちで、少し読んでは、いく日か置き、ときには泣きすぎてオェっとなるほど、そんなにしんどいのに、この本は絶対に読み終わらなければならない。苦しければ苦しいほど、膿を出すとドロドロと痛みとともにホッとするような。

読んでいるうちに、私の心のドロドロとしたものが、今、自分以外のものとして目の前にあり、言葉になって存在している、、この本は、本当に、存在しているのだろうか?
そしてこの本を書いた人もこの世に本当に実在してるのか?
もしかして、天使とか、とにかく、今この眼の前にある一冊だけなんじゃないのか、、?と、本気で、本気で思うほど、私の中のものが、言葉を与えられ、目の前に本として書かれたことで、命を与えられて、認識されることを叶えられ、やっとどこかへ行ける、というような、、

こんなに読むのが辛くて、時間がかかって、でも読むのを辞めていたらとおもうとゾッとする本には、あとにも先にも、まだ出逢っていません。

余談ですが、
読んだあと、著者の田口ランディさんに、どうしても湧き上がる気持ちと、お礼を伝えたくて、びっしりとかいたもの、一度もあったこともない人へこんなむき出しの塊を送っては失礼な気がして、時間をあけて結果3度書き直し、2年ほどタンスに出せずに保管、、
その15年程後、講演会後、
ファンです、ありがとうございます、と短いですが直接お礼を伝えることができ、ああ、もう半分は思い残すことはないなあ、生きてて良かったなあ、と思いました。


4冊目 

『介子推』 宮城谷昌光

成人してすぐ、一人暮らしをする中、身近な大人が急に入れ変わり、出会うの数も増える中で出会った本。

貧しい身分に生まれたが、権力者を守る者として、策略で貶めようとする者達や、腐敗の誘いからも守り通した、実在したとされる人物の物語です。

日の目をみずとも、正しく生きようとして試練にあう、そんな中でも良心を守り苦しい方を選ぶような生き様に、
人とは。を繰り返し伝えてくるような本。
登場人物の顔の描写もたくさんでてきて、顔には年を重ねると卑しさや、生きてきた品が全てが出てしまうらしい、、ということや、今思うと
正しい大人やお手本に飢えていたのだと思います。
敵対する組織の暗殺者が登場するのですが、悪の側に居るけれど自分の生きると決めた道を行く、極めようとする者同士の清らかさみたいなものも感じる、そんな所も好きな本です。

今読むと、正しすぎじゃない?と思うのか、どう感じるのか、、?機会があればまた読み返してみたいと思います。

5冊目

『子犬のこいぬ』 うかうか

さて、漫画もOK!とのことで、
最近大好きなこの漫画を。
その名もこいぬ。
Twitterでの漫画投稿が本になっています。

もう、この、こいぬの、でかでかとドアップの顔が書かれた表紙。
この本が部屋にあるだけで、なんだかそこだけ明るく感じる、、、!
そんな本です。

どんな漫画よ?そう思った方は、
“#うか #こいぬ ”で是非、Twitterで
検索を!

もぐもぐ、ペタペタ、時に不条理、、
口をあけてパア、、ッとするこいぬに
出会ってほしいです。


以上、どうしてもはずせない5選。

読んでくださり、ありがとうございます。P!





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