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トレッドミル狂想曲・その2

止まらぬ欲望

一時は「やっぱりアカンわな・・・」とスッパリと諦めたトレッドミル導入の夢だったが「ダメと言われれば言われるほど欲しくなる」のが人間のサガというもの。しばらくするとまたムクムクと欲しい気持ちが盛り上がり始め、何とか導入する方法はないものかと考えるようになった。

いろいろと機種を調べていくと、やはり安い機種ほど全体の構造やベルト材質・厚み・台の板厚などがチープであり、騒音が出やすい傾向があるようだった。ちなみにJETTの岩渕リーダーはマトリクスの業務用みたいなすごい機種を使っているらしい。良いなぁ・・・

そして、やはり振動軽減には脚ゴムとマットが有効であると。これはローラー台でも同じことだ。ならば「しっかりした構造のある程度良いトレッドミル」に「マットと振動素材を何層にも敷く」という方法でかなり行けるんじゃないか?

そして実際にはやってみないとわからないのだから、まずはダメ元で買ってみようということでついに嫁さんを説き伏せたのだった。その機種はホライズンのオメガZという新機種だった。

OMEGA Z

悩みに悩んだ末に

選定理由

この機種を選んだ理由は、まずデザインが非常にスッキリしていること。ボタンは傾斜と速度のアップダウンとスタートストップと表示切り替えぐらいしかない。ボタンだらけの操作パネルはどうも好きになれないのだ。かといって大型タッチパネルのついた機種だと目の飛び出るような高価格でとても手がでない。

一方であのボタンもしくはタッチパネルがなかったら、速度切り替えなどがとても面倒になるではないか・・・と思ったら、なんとiPad等をペアリングして操作パネル代わりに使えるらしい。それは素晴らしい。iPadはあるからそれをつなげば高額機種同等の使い勝手にできる。

あとはモーター性能やベルトの広さ、設置面積などさまざまな要素を書き出して自分なりに優先順位の重み付けを係数にして総合成績を弾き出した結果がこの機種だった、、、ということにしているが、要は「見た目」の重み付けがすごく大きかっただけである。

いろいろな販売サイトをくまなく調べ上げ、組み立てサービス込みで値引き額が最も大きかったところで購入。保証も1年ということでまぁどうにかなるだろうと。当然モノは重量100キロ超なので自分ではとても搬入できないので業者にお任せした。

設置

設置にあたり振動を抑制するために、まずコルクのクッションマット12ミリ厚を設置面積分買ってきて敷き詰め、その上に12ミリのサブロク合板を置き、さらにその上にトレッドミル付属のトレーニングマット10ミリ厚を敷いた。当時は「よーし3重の防音対策をしたぜ!」と思っていた。

そしてついに憧れのトレッドミルが我が小屋に・・・!!さっそく試走してみよう。ドアと窓はしっかり閉めて、恐る恐るキロ6〜キロ5に上げる感じでしばらく走ってみた。

使用禁止

「ダメダメダメ!煩すぎる!!」「アンタ、私が中で走ってあげるから外で聞いてごらん!!」えーマジかー・・・(外へ出て聞いてみる)

ダンダンダンダンダンダン・・・(うわ、煩さっ!!)

「どう?これお隣さんに説明できる?」「いや・・・アカンと思う・・・」「でしょ、ちょっとこれ何か抜本的に対策するまで使えへんで」「せやな・・・」

まさかの購入〜設置初日で使用禁止である。あまりのショックで当時写真を一枚も撮っていなかったことに(今)気づいた。

仕方がない。起きたことは仕方がないことである。虚しさを紛らわせるためには、外ランとZwiftに励むしかなかった。

ZDL参戦

話は一旦変わり、その頃には既にJETTでZwiftにハマりまくっていた私にまた一つ転機が訪れた。Zwiftデュアスロンリーグへの参戦のお誘いである。当時は(今も)Zwift上のレースにはほとんど興味がなく全く出ていなかったが、トライアスロンが軒並み中止になっていたこともあって、思い切って参戦してみることにした。

レースフォーマットは35分間のバイク個人TTのあと、10分のトランジションタイムを挟んで15分間のランTTというものだった。自分は一応Zwiftのランポッドを使ってZwiftランもやってはいたが、あまり安定しないのとキャリブレーションが面倒なこともあってそんなには使ってなかった。

ZDLに参戦するからにはしっかりキャリブレーションして15分全力で走れる場所を確保しないといけない。しかし現実は厳しく、どうしても家から数分内の近所でまっ平のところはないし、折り返しなども避けられない。時間帯は夜で路面の不整にも気を使わないといけないし、キャリブレーションはズレたり、果てはZwiftとのリンクが切れてアバターが停止したりと、なかなか上手く行かなかった。

一方、メンバーの中には既にトレッドミルを導入している人もいて、やはり彼らの記録はとても安定していた。つくづく思う「小屋にトレッドミルがあるのに使えないって、どうよ?」どげんかせんといかん。そもそも決して安くなかったこのトレッドミルを塩漬けにしておくのはあまりにももったいない(当たり前だ)。

対策はひとつ

小屋に防音対策を徹底的にするしかない。でも、どうやって・・・??当時の私には防音の知識はなかった。ササッとググって分かったことは、このような打撃系の音を効果的に減衰させるには、数百万円規模の本格的なスペックの防音室が必要ということだった。「詰んだ・・・」

トレッドミルはホコリを被ったまま、月日はどんどんと流れていった。

つづく

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