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トレッドミル狂想曲・その1

前フリ

リアルやバーチャルでよくご一緒してる方ならご存知だと思うが、このところ私のラン練はほぼ99%トレッドミル(Zwift)で行っている。バイク練がほとんどスマトレ+Zwiftになってしまっているのと同じように。

バイクも実走しないと得られない感覚や鍛えられないところがあるのと同じように、トレッドミルも良し悪しであることは分かっている。分かっているけど、アスペ傾向の強い私は「こうする」と決めた方法が一旦ハマると、それしかやらなくなってしまうのだ。

これは私のトレッドミル導入に伴う、一年間に渡るスッタモンダの記録である。実質的には「Zwift小屋改装記」であり、そこに至るまでの序章から始まる数年間のドタバタ劇である。まともな神経をしている方には全く参考にならないと思うが、頭のネジが外れた系の人には楽しんでもらえるかもしれない。

トレーニングジム

あれは2017年ころだった。私はその年のはなももマラソンで3時間一桁を叩き出し、いよいよサブスリーを狙いにいくべきかと思っていた。と同時に、既に当時51歳だった私は挑戦のタイムリミットが迫っていることもまた自覚していた。しかし、そこからのサブスリーの壁の高さはとてつもなく、今までと同じことをしていても到底超えられそうにないことは明らかだった。

「何かを変えんといかん」おぼろげにそう思っていた。その方法の一つとして、ジムに行って筋トレ+トレミで練習する、というのは当然想定されることだった。しかし生来のドケチが災いし「月1万だか払ってあんなモルモットみたいなこと、やってられるか」と思っていた。当時はZwiftにも全然身が入ってなかった時期である。

しかしその年の暮れごろ「エニタイムフィットネス」という24時間営業のジムが職場のビルのすぐ裏に開業するという噂を聞きつけた。えっちょっと待って会社の裏ってことは徒歩1分じゃん?それってスゲー魅力的なのでは?見学会が開催されていたので、さっそく見に行ってみた。

エニタイムフィットネス

できたてホヤホヤのジムは当然のことながら清潔感にあふれていた。係のお兄さんが丁寧に設備や利用ルールについて教えてくれた。ポイントは、一旦会員になれば24時間いつでも施設を使えるだけでなく、日本中、そして世界中のエニタイムを使えるということだった。調べてみると、出張の機会がありそうな海外の街にもちゃんとあった。これは・・・いいものだ・・・

その年末に契約をし、2018年の年明けから使えることになった。さっそく恐る恐る人生初トレッドミルに乗ってみる。なるほど、こういう感じか・・・速度は時速表示なのだな。前のディスプレイにテレビとか景色に加えてデータも表示される。外ランと違って信号もないし、この速さで走ると決めたらそれで行くしかない、というスパルタ感があった。

20分くらい走って、後ろに降りる時に足がもつれてコケそうになった。ずーっと走ってるのに路面だけが動き、自分が静止しているという感覚に体がまったく対応できてなかったのだと思う。

そのトレッドミルには他にも2種類の速度をワンタッチ切り替えでインターバルトレーニングができるなど、当然ながらさまざまな機能が備わっていた。これは支える・・・!!その年から仕事の前後にジムに入り浸る頻度がすこしずつ増えていった。

サブスリー失敗

しかし、だからといって50過ぎの凡人のおっさんが決められるほどサブスリーは甘いものではなかった。その年のつくばもPBならず一桁止まり、翌2019年は正月からウッドデッキを作り始めて練習がおろそかになり、はなもも・東京と撃沈。

さらに2019年の秋から小屋を建て始めたこともあり、つくば撃沈、そして満を辞して臨んだ別大も不甲斐ない結果に終わり、ここで53歳となった私のサブスリー挑戦は事実上の終焉を迎えた。

あるいはこの後のコロナ禍がなかったら、、、という気もしないでもないが、タラレバを言っても始まらない。できなかったことはできなかったのだ。

コロナ禍の影響

コロナ騒ぎが始まり、仕事がフルリモートになった。さらにジムのような閉鎖空間に行くことが憚られる世情となる。となると、会社の裏にあるからと使っていたエニタイムの価値が急激に色褪せる。しかし、この頃はまだ「コロナが収まればまた使うだろう」と思って会員権はキープしていた。

「夏になれば収まるんじゃね?」などという期待は脆くも外れ、パンデミックは収束してはまた襲ってきて止まることを知らない。そしてついに恐れていたことが起きた。新横浜にあった会社ビルの閉鎖である。

職場移転

当たり前である。社員がほぼ8割がた出社しなくなったオフィスビルをのんきに借り続けるほど会社経営は甘くない。新横浜のビルは引き払い、社員は海老名の開発拠点に集約されることになった。

集約されるかもしれない、という噂自体はコロナ前からあったので、そんなこともあろうかと思って海老名にも通勤できるところに引っ越していたのは功を奏した。しかし海老名にはエニタイムが(当時はまだ)なかったし、そもそもリモートワークにすっかり慣れ切って通勤時間をZwiftとラン練(当時は外ラン中心)に全フリしていたので、もはや会員権を塩漬けにしておいても何の役にも立たなくなった。

エニタイム解約

なくなく、エニタイムは解約することにした。出かけた先でもシャワーを支えるとか、すごく便利に使っていたのだが、そもそも出かける機会が激減してしまったのでどうしようもない。解約自体はネット上で済ませることができ、運営の良心を感じた。当然ながら、それ以降ラン練は外走り一択である。

トレッドミルへの渇望

一時期トレッドミルでインターバル練などをかなりうまく回せていたことを思うと、やっぱりトレッドミルはあったほうがいい・・・しかしあれって高いよな?いくらぐらいするんだ?Google先生?

なにっ安いものなら10万もしない・・・だと・・・??それならどうにかなるではないか。しかも既にZwift小屋はできつつある。スマトレの横にトレミをおけば、既に同様の環境を実現している岩渕リーダーの向こうを張れるぞ!ちょっとこれ本当に買うことを考えるか・・・

却下

「は?トレッドミル?アカンアカン、そんなんめっちゃうるさいに決まってるやないの・・・ご近所さんに何ていうの?」嫁さんの反応はもっともだった。バイク用のスマトレは大した騒音を出さないが、トレッドミルは上でドスドスと走りまくるのだから、振動ですごい音になりそうなのは誰でもわかる。

そう言われてしまう理由はもう一つあった。自分が建てたZwift小屋の防音性能がまったく足りてないことだった。当時小屋の裏計画でオーディオルームにしようと企んでスピーカーまで設置していたが、実際に小屋の中で「いい感じ」の音量を出したら「とてもじゃないが許容できない」と言われてしまったのだった。

そんな状態だから、トレッドミルなど置いた日には「暴れるような音」が鳴り響くわけで、嫁さんが全力で阻止するのもムベなるかな。トレッドミル購入計画は、一旦白紙に戻さざるを得なかった。

つづく

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